018　夢で逢えたら

18　住の江の　岸に寄る波　よるさへや　夢のかよひ路　人目よくらむ

　すみのえの　きしによるなみ　よるさへや　ゆめのかよひぢ(じ)　ひとめよくらむ(ん)

【分類】恋　（男子・悲恋）

【超訳】それもダメなの？

寄せては返す波みたいにいつだってあなたに逢いたいんだ。現実には叶わなくても、夢の中でも逢えないの？　

【詠み人】藤原敏行朝臣《ふじわらのとしゆきあそん》

三十六歌仙のひとり。書家としても有名。

【決まり字】す（１）

【雑感】主語がないので、さまざま解釈がされています。【超訳】のように男性が女性に逢えないのがツライと言っている説や男性が訳あって女性に逢いに行くことができずに気が弱いよなぁと嘆く説もあります。または詠み人が女性の気持ちになってどうして会いに来て下さらないの？　夢の中でも逢えないの？　と悲しんでいるという解釈もされています。いずれにしても、うまくいかない恋を嘆いているということでしょうか。

　夢でくらい逢えたらいいのに。誰もが思いますよね。○○の夢が見られますように、なんて願掛けして眠ったことはありませんか？　夢を見ている最中に「このままこの夢が覚めませんように」なんて願ったことはありませんか？　そういう素敵な夢ほど忘れてしまうんです。目覚めると……。嫌な夢ほどリアルに覚えていたりしますよね。正夢にしないためにも話しちゃった方がいいとも言いますよね。

　夢占いというものがありますよね。ワタシ、高いところから落ちるんです。空を延々と落ち続けるんです。地面にぶつかるって寸前に目は覚めるのですけれど。たぶん、重ねている足が下に落ちたとかそんなことだとは思うのですけれどね。絶叫系の乗り物も苦手なのに、スカイダイビングもやったこともないのに、延々と落ち続けるあの夢、どうにかならないかしら。連続ドラマのような素敵な夢が毎晩見てみたいです。