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【超訳】小倉百人一首   ~百の彩り 百の想い~  作者: 桜井今日子
貴族文化 終焉の時 散る桜 美しく儚く 人生にも似て
101/110

095 決意表明

95 おほけなく うき世の民に おほふかな わが立つ杣に 墨染めの袖

 お()けなく うきよのたみに お()ふかな わがたつそまに すみぞめのそで


【分類】人生


【超訳】お誓いいたします。

身の程しらずとはわかってます。それでも仏さまに仕える一僧侶として、困っている皆様をお救いしたい。まだ駆け出しの私ですが。


【詠み人】前大僧正慈円さきのだいそうじょうじえん

関白藤原忠道(76)の子で、九条良経(91)の伯父。11歳で出家し、比叡山に入る。


【決まり字】おほけ(3)


【雑感】このころは戦乱や天災、飢饉、伝染病などで世の中が乱れていました。それらに苦しむ民衆を仏の力で救済したいという決意表明の歌だそうです。

 和歌番号は年代順に振られていますが、この番号のあたりは世の中のことを嘆く歌が多いような気がします。それに比べて40番台、50番台あたりは恋の歌ばかり。平安時代でも最盛期で隆盛を誇った時期なのでしょうね。絢爛たる文化の上に恋の花が咲き乱れました。そんな絵巻のような時代も過去のものとなり、時代は戦乱の世へと動いてきてしまいました。

 いつの世でも、まっさきに苦しむのは立場の弱い人達。その人たちをなんとか救いたいという若いお坊様のお歌です。お若いので「身分不相応なのは百も承知ですが」と前置きまでして、それでも民衆を仏教の力で救いたいと詠いました。本当に必要なモノは食べ物だったり、着るものだったり、住むところだったりするのかもしれないけれど、比叡山の高僧がそういう風に自分たちを思ってくれているというこのお歌も随分と勇気づけられはしたでしょうね。この民衆の人たちにこの歌が触れる機会があったならという前提つきですけれど。

♪次回予告

096 自然の摂理

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