誰なの!?
アカネは3日間入院することになった。
その間は配信お休み……と行きたかったが、私もそろそろボスを攻略しに向かいたいということで私一人で配信をすると相談していると。
「う、うちやるよ!」
「えっ?」
「アカネさんの代わりにはなれないと思うけど……うち一緒に攻略してあげるっ!」
「萌香ちゃん……」
「うちが役に立てるんならやるっ!」
萌香ちゃん……モカちーは確かにボスを一度攻略している。
確かに頼るのはありかもしれない。モカちーはやる気満々でこちらを見て居た。だがしかし、萌香ちゃんの両親は配信に出ることをものすごく心配していた。
そりゃ顔出しすることになるからというのが大半だろうが……。
「アカネさんは音令花のためにやってくれてんだからうちもやるっ!」
と強情。
結局やる羽目になったようだ。で。
「はい、今日はボス攻略しまーす」
「しまぁーす」
モカちーと配信を始めたのだった。
”誰?”
”誰?”
溶岩噴き出る第三エリア。
シリウスのレベリングはあまり十分とは言えないが、イズンと酒呑童子だけでも割と何とかなるだろうということで、一度ボスに挑んでみることにした。
「ボスはどんな奴なんだい?」
「えっとねぇー」
”誰!? 誰なの!? 怖いよぉ!?”
”何の説明もなく始めようとするな!”
”なにさらっと始めてんだ!? アカネいないの!?”
「何言ってるんだい? アカネはここにいるだろう」
「アカネでーす」
”思いっきり上にモカちーっていうプレイヤー名が見えるんですが”
”それで騙される視聴者と思うなよ”
「冗談さ。アカネはちょいと諸事情で入院する羽目になってね。三日程度入院するんだ。それが理由でイベントに穴開けてしまったのはここで謝らせてほしい」
「すいませんでした」
「で、この子は代打のモカちー。私の知り合いだ」
「モカちーでーす。いぇい」
”ギャルだ”
”若そう”
”なんか深刻な病気?”
「いや、単に骨髄ドナーを必要としてる人と適合しただけさ。今骨の髄を抜かれてるだろうねぇ」
「ウケ」
モカちーは意外と視聴者受けがいい。
「っていうわけでぇ、代打のうちがアカネさんに代わって今日は配信一緒にやりまぁーす。いぇーい、アカネさん見てるぅー? 今から君の大事な親友とあんなことしちゃいまーす」
”アカネさらに入院しそうで草”
”脳破壊やめろ”
”え、アカクオ崩さないでよ”
「台本通り。よく言えたねぇ」
「緊張したぁ……」
”脳破壊は親友の差し金で草”
”親友の脳を破壊しにいくの鬼畜すぎない?”
”よかった、アカクオだ……”
とまぁ適当な小ボケはおいておいて。
私たちは早速ボスがいる場所へ向かうことにした。町でMP回復ポーションを持てるだけ購入して起き、ボスがいると言われている火山最深部へと向かっていく。
「火山のボスか……。どういうのなんだ? フェニックス……はレジェンドモンスターだろう?」
「うーん、一言でいえば……ファンタジー?」
「ファンタジーはこのゲームだろう」
「見てみたらわかるよぉ。マジファンタジーだから」
マジファンタジー?
話しながら最深部へ着いた。すると、そこにいたのは大きなドラゴンだった。
「マジファンタジー……」




