どっきりどっきりDONDON!
サブタイに特に意味はないです
レジェンドモンスターのフェニックスのテイム成功。
騒がれてないのはまだ誰も知らないからだ。私はあまり自分のことを言わないほうだと自覚はあるのだが、さすがにこれはアカネに言ったほうがいいだろうか。
いや、秘密にしておこう。ドッキリみたいなものになるだろうしな。
私は今現在、フェニックスのレベル上げを行っていた。
孵化したばかりであるのでレベルはまだ1。私の手持ちのモンスターは平均で30は越えているため、しばらくはフェニックスで戦う必要がありそうだ。
「ピィ!」
「わふっ」
第二エリアのボス格のモンスターと戦い、第三エリアでマグマサウルスとも戦いレベルを上げていた。フェニックスはまだ弱いが、酒呑童子が暑さを克服したのでマグマサウルスは容易に倒せるようになっていた。酒呑童子やばいな。
「あ、クオンーー! 配信するよーーーっ!」
酒呑童子が召喚解除されたあたりでアカネがやってきたのだった。
すでに配信を始めていたらしく、コメントが流れていく。
「克服方法見つけたんだってね! よかったよかった。でもここはさすがに私も手伝うよ。早速ボス倒しに向かおー!」
「そうだね……といいたいが、まだ第三エリアでやりたいことがある」
「やりたいこと?」
「レベリング」
「あぁ、大事だね! じゃあ、付き合うよ! みんなも突き合せてごめんね!」
”無事が何より”
”刺された傷大丈夫?”
”何気に復帰後初配信?”
「あ、そうだね。とりあえず皆さんには心配をおかけしました」
「私はとりあえずは元気になった。すまなかったね」
私は先へと進んでいく。
この火山の中をくまなく探索してみたいという気持ちが今とても強く、この火山で動ける魔物が3体となった今、わりかし自由になれたんじゃないだろうか。
火山を歩く際も、アカネは無言を貫かない。アカネは楽しそうに歩いている。
「いやぁ、またこういう風に歩いているとレジェンドモンスターにあいそうだねぇ。また会いたいな。今度こそ倒して見せるんだ」
「そうかい。まぁ、がんばれ」
「クオンは運がいいから出会えたりしないのかな~? って今思ってたり」
「そうかい。あ、モンスターだ。私が戦おう。シリウス」
私は名前を呼ぶと、アカネが新たなモンスター捕まえたんだ!とワクワクしていた。
すでにアイルスで知らないモンスターのいきなりの初見せをやっているのでそこまで驚きはないようだ。同じものでも二回目となるとリアクションがちょっと薄いのは不満だな……。
「火の鳥?」
「あぁ、レジェンドモンスターの子だ」
そういうと、アカネが固まっていた。
”今なんて言った?”
”もう一度kwsk”
”今さらっととんでもないこと言わなかった?”
シリウスは敵に突撃し、敵を倒す。
「……れじぇんどもんすたぁ?」
「あぁ、フェニックスのシリウスだ」
「……いつ出会ったのぉ?」
「昨日だな」
「へ、へぇ……」
アカネの笑顔がどんどんこわばっていった。
「なんっで私を呼んでくれなかったのさぁ!!!!」
「声でか」
「うわぁああああああああ! 見たかったぁあああああああ! 火の鳥、フェニックスなんて絶対かっけえじゃんねぇえええええええ! なんで呼んでくれなかったのさぁあああああ! なんでテイムしてんのさぁああああああ!」
「荒ぶっているねぇ……。ちょ、揺らさないでくれたまえ」
「クオンはねぇ! そういうとんでもないことを昔からさらっというよねぇ! チェシャ猫だってそうだったじゃんか!」
「別に報告するまでもなく見ればわかる事実だろう」
「教えてくれたっていいじゃん! そんなさらっと言われたら私もねぇ!」
アカネは頭を抱えていた。
視聴者も驚きの声で埋まっており、今レジェンドモンスターをテイムできてるのは私だけであり、また、二体目をテイムしたのも私だけという何とも超幸運な存在となっていた。
唯一……という響きには何かこみあげてくるものはある。
「今現在はシリウスのレベリングの最中さ。ぶっ続けでやってるからもう25まで……」
「……ぶっ続け?」
「……あぁ」
「クオン? 前にぶっ続けでやって倒れたから控えようねって言ったじゃん! それに今刺された傷全快じゃないのに!」
「悪かったよ。昨日本当はシリウスに出会わなかったらすぐやめる予定だったんだ。昨日シリウスと出会ってしまったからこうぶっ続けでやってるわけで……」
「問答無用! 今日の配信は私一人でやるから寝てきなさい!」
「わかったよ……」
私は街へと戻りログアウトする。
そして、そのままベッドに直行し目をつむった。




