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どうしよう

 マグマサウルスを何とか討伐し、ママ戦士とアカネが喜びあっていた。

 二人の言い草からして……もっと楽に倒せたのだろう。ブレス吐く前に倒せたとか言っているからマグマサウルスは比較的楽な部類の……。そんなのに苦戦するというのは私は弱いな。まぁ、わかっていたことだろうが。


「…………」

「あれ、クオンどしたのー?」

「いや、なんでもないよ。それよりも、助けてくれて感謝する。ママ戦士」

「いいのよぉ~。世の中助け合いだからねぇ~。それよりアカネちゃんが来るなんておどろいたわぁ。どういう風の吹き回し? あまりあなたコラボとかしたがらないじゃない……。ソロでやりたいからって」

「あー、それは……かくかくしかじかで」

「それが伝わるのはフィクションの中だけよぉ」


 ママ戦士に私たちのことを説明していた。

 

「あら~。そうだったの? 最近SNSとか何も見れなかったから……」

「なんかあったんですか?」

「うふふ、ちょっと入院しちゃってたの。ちょっと病気で手術しちゃってね。今日復帰できたとこなの。やっぱ久しぶりだとブランクがすごいわね~」

「復帰したてでその動きはすごいですよ」


 コラボとか言ってたからママ戦士も配信者なのだろう。

 さてと。ママ戦士には非常に感謝しているが……。事態は深刻だな。私自身、魔物が使えなくなると一気に弱体化する。それはそれでいかがなものか。

 強くなりたいと願うことはないが……。やはりこの二人を見て居ると少しばかり劣等感は生まれてしまうな。

 

「……クオン?」

「なんだい?」

「あー、その、なんか気にしてたりする?」

「いや?」

「そ、そう? でもいつもとクオンの雰囲気違うからさ~」

「はは、考えすぎさ」


 少しばかり、私が戦えるように鍛えたほうがいいのかもしれない。

 私はただテイマーとしてはまぁ、そこそこの位置にはいると思っている。それはあくまで魔物の実力であって自分の実力じゃない。

 テイマーはあらゆる武器を装備できる職業だ。他の職業みたいに補正こそないがあらゆる武器を装備できる器用貧乏の職業。器用貧乏がゆえに武器で戦いたい人は基本選ばない職業。

 

 ……いや、私が戦うのはらしくないな。私が戦うという路線はやめよう。

 問題の解決を。今のままでは私はただの足手まといだ。どうにかして火山を克服しなくちゃならない。でなければ私はただの雑魚だ。


「……クオン!」

「なんだい?」

「やっぱなんか考えてるでしょ! わかるんだよ! 私には!」

「……いや、まぁ、少々どう攻略したものかとね。私はテイマーで、この火山では召喚時間が半減されているだろう? 私一人で戦えるならともかく、私は魔物がいないとろくに何もできない雑魚だからね……。どうしたものかと思案していた」

「クオンは雑魚じゃないよ」

「雑魚さ。客観的に見た事実はそうなのだ。それは揺るがん。実際、マグマサウルスでの戦いは私がいなければ楽に終わっただろう?」


 二人は否定しない。

 ママ戦士も、途中参戦してきたアカネも私を庇うように戦っていたように見えていた。


「ま、足手まといになってるからって落ち込む私ではないよ。問題に直面したから解決方法を模索しているだけさ。私は魔物に頼り切りならばそれに振り切ることにして、その魔物をフルでこの火山で活動させるためには? 解決できない問題に時間を割く余裕はないからね」

「前向きだねぇ~」

「これは諦めてるっていうものが大きいですよ。クオンの悪いとこ」


 アカネは溜息を吐いた。


「なら二人で考えようよ! どうせクオンは一人で解決しようとしていたんでしょ!」

「お見通しかい?」

「クオンに私のことがお見通しなように、私もクオンのことお見通しなんだよっ!」

「あらあら。いい友情ねぇ……。そうねぇ。アニマちゃんなら何か知ってないかしら。あの子テイマーとしてもなかなか筋がいいじゃない?」

「残念ながら私も知らない……」


 と、いつの間にかアニマが後ろにいた。


「私はここは基本物量で攻略してるからね。魔物を愛してるがゆえにたくさんテイムしてるから……」

「なんで当たり前のようにいるの?」

「ふっふっふ。カーバンクルいるところに私アリ!」

「つけてきたんだな」

「マグマサウルスに狙われた時はびっくりしたけどねぇ」


 マグマサウルスは追いかけてこなかったわけじゃなくもしかしてアニマを狙っていたのだろうか。


「ま、私もここの攻略には手を焼いてるんだよね。実際私もここで足止めされてるし。テイマーにとってここが一番難易度高いんじゃないかな? わざわざここの魔物テイムしなくちゃならないし」

「テイマーというのは実は不遇職だったりするのか?」

「そんなことないよ! 素敵な魔物を召喚して触れ合えたりするのはテイマーだけしかできない特権! 不遇なんかじゃない!」

「私は戦闘面での話をしてるのだが」

「……まぁ、魔物は強力なスキルを覚えるのも多いから、割と制約はほかの職業より多いよぉ」


 なるほどな……。

 いろいろとバランス調整が必要なんだろう。強い魔物を使えば強いが、強すぎると一強状態になってしまうというのを危惧しているのか?

 











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― 新着の感想 ―
武器補正無し、召喚獣は10分(通常)しか出せずクールタイムあり、主人が認識できないと召喚しても言うことを聞かない。 素のステータスも他と比べると平均的で低めとかもありそう。 どんなに魔物が強くても、…
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