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シチニンミサキ ①

 シチニンミサキが暴れているという場所にやってきた。

 岩場の近くで確かに似たような顔の妖怪が7人立っている。不気味な顔で、人間の顔ではあるがやつれているかのように細い。

 

「いたぁ……」

「アニマ的にこれはイケる?」

「モロ人じゃん……。ゾンビ娘はツギハギだったり目玉が片方飛び出てたりするのがいいんであってモロに人はちょっと……」

「こだわりが強いねぇ」


 性癖というのは人それぞれだが、こだわりが強いと苦労しそうだな。


「それで、大嶽丸は何が出来るんだい?」

「あ、えと……。防御が高いです!」

「なるほど。その見た目で防御か。納得できるような出来ないような」


 ステータスを教えてもらう。

 酒呑童子の方が何倍も攻撃力が高かった。防御が高い分攻撃は並……というか低く、チェシャ猫より高いかなというくらい。

 いや、まぁこの筋骨隆々な見た目で攻撃力がそこまでないというのはギャップが凄いな。


「っし、やりますか!」

「おー!」


 私たちは飛び出していくとシチニンミサキもこちらに気がついた。

 とりあえず金棒を振り一体を速攻で潰したのだが。倒した途端、すぐに復活しシチニンミサキが構えていたハサミで斬りつけられる。


「倒せない……?」

「いや、倒せないことはないでしょ」

「だよねぇ」


 また悪路王みたいに倒すためには特殊な条件をクリアしないとならない感じか。

 私はとりあえずシチニンミサキから距離をとり大嶽丸の背後に隠れる。


「倒すためには特別な条件をクリアする必要があるか」

「だろうね。まぁ、考えられる条件はあるよね」

「え? ありますか……?」

「あるんだよ。まぁ、あまり経験が多くないから断言は出来ないが……。7人同時討伐、だろう」


 個々の体力は相当低い。だが倒した途端蘇生される。

 7人をほぼ同時に倒さないとすぐに復活するのではないだろうか。


「問題は、7人同時に倒すのむずくないかってことだね」

「オニゴロシならいけるだろう。私たちならやれる」


 シチニンミサキは3人こちらに向かって襲いかかってくる。

 7人同時じゃないのは7人同時に倒されたら蘇生できない故か。同時討伐は仮定でしかないが、同時討伐だろうと考えて攻略していこう。


「ウインド!」


 風が吹く。

 襲いかかってきたシチニンミサキの3人は強風に飛ばされていく。

 私は金棒を持ち、オニゴロシを放った。


「やったか!?」

「いや……」


 1人撃ち漏らした。

 オニゴロシは範囲攻撃だが、遠ければ遠いほど威力が減衰する。射程距離ギリギリだったシチニンミサキにはギリギリ体力が削りきれなかった。

 シチニンミサキはすぐ蘇生される。


「もうちょい近くで撃たなかったらダメだったな」

「もう一度……」


 その時だった。

 背後からシチニンミサキが飛びかかってきた。気がつけば2人いなく、私はシチニンミサキに吹っ飛ばされる。

 

「大丈夫ですか!?」

「問題ない。多少ダメージくらっただけだ」


 いきなり二人減って背後に現れた。

 その仕組みはわからない。どうやって背後に現れたんだ?

 私は金棒を持ち、とりあえずシチニンミサキの2人を潰しておく。意味はないが、近くにいられたら攻撃受けてしまう。


「私は戦いが得意じゃないんだがな……」


 早期決着、これしかないだろう。

 長引かせたら私がキツい。ただ、瞬間移動らしきものがあるからそれを対策しなければ集合させることが出来ないだろう。


「さて、どう攻略したものか」










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― 新着の感想 ―
1人減ったら1人増える無限地獄がこういうふうになるとは。 大嶽丸はとある防振りな子のタイプか。
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