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玉藻前

 酒呑童子は馬鹿でかい金棒を振り回し妖怪たちを薙ぎ払っていた。

 

「オラオラァ! アタシ様のお通りだ雑魚共!」

「あれテイム出来るんだぁ……」

「できたねぇ」


 勝手に暴れてくれるのでホラーコイン集めは順調である。

 イベントが始まって一週間が経過した。私は目標額の5万枚まであと少し、アカネは出遅れてしまったためにまだまだ全然集まっていないのが今の現状である。


「いささか乱暴だな、鬼の子よ」

「ん?」


 酒呑童子が暴れていると、なにやら乙女ゲームに出て来そうなイケメンが現れたのだった。

 狐の尻尾を生やし、狐の面を頭につけている。


「誰だ……?」

「この私を知らないとは。私は玉藻前。よろしく頼むよ」

「……玉藻前」

「へへん、私がテイムしたんでーす!」


 ひょこっと顔を出したのは魔物教教祖のアニマだった。アニマがこの玉藻前をテイムしたので見せびらかしの旅をしているんだとか。ホラーコイン集めはしてないらしく、片っ端から妖怪をテイムしているらしい。

 テイムはレベルを上げていくとテイム出来るモンスター数の上限が上がっていき、最大で50体テイム出来るらしいがもう既に50になったのだという。


「ケモナー、マモナー的には人間にキツネの尻尾を生やした程度なのは論外だけど、強いからテイムしちゃった」

「クオン、この人は?」

「改めまして! 私は魔物を愛し魔物に愛される女、チーム魔物教教祖のアニマちゃんでーす! よろしくお願いしますね、アカネさん!」

「あー、魔物教……」


 アカネが怪訝な顔をしていた。


「クオンって変な人寄せ付けるよね」

「自覚はある」

「クオンちもその鬼の子はテイムしたのかにゃ〜?」

「テンションおかしくないかい?」

「舞い上がってるからね!」


 アニマは玉藻前がテイム出来たことで浮かれに浮かれているらしく、テンションがおかしな感じになっていた。

 私も一応テイム出来た酒呑童子を紹介しておく。


「ほほう。酒呑童子……。酒呑童子は色々な伝説ありますからなぁ……。語ってもよろしいか?」

「結構だ。それより玉藻前はどこでテイムしたんだ?」

「第二エリアのユパールの崖だよ! テイムするのに何体も魔物を犠牲にしちゃった……」

「クオン行ったことないエリアだね。あそこは落石ギミックが厄介なんだよね」


 崖だから落石があるか。

 

「お互い超強い妖怪テイム出来たね! 三大妖怪で残るは……」

「大嶽丸だな」

「きっと大嶽丸もどこかにいるよね。テイムしたいなぁ〜」

「…………」


 玉藻前を既にテイムしているし、こういうのは一体しかテイム出来ない気がするから流石に高望みではないだろうか。


「あ、狐野郎じゃねぇか。なんでいんだよここに」

「この方についてきてるのですよ。見ればわかるでしょう。相変わらず頭が悪い」

「あ゛ぁ!?」

「あなたこそなぜここにいるのですか?」

「アタシもコイツについて来てんだよ。見りゃわかるだろ素っ頓狂が」

「あ゛ぁ?」


 酒呑童子と玉藻前の雰囲気がとても悪い。

 玉藻前はなにかしら魔法を放つ準備をして、酒呑童子は金棒を振り回す。

 そして、玉藻前が火の玉を放ったかと思うと、酒呑童子はフルスイングでその火の玉を撃ち返した。


「やめたまえ」

「ダメだよたまもん」


 そういうと、二人は喧嘩を止める。


「仲良くしなさいねー」

「喧嘩はよしたまえよ」

「……アニマがそういうのならそうしよう」

「ちっ、しゃーねぇ。クオンの顔を立ててやるぜ」


 従順。

 テイムすると従順になってくれるらしい。いや、まぁ言うこと聞かないのは問題だからだろうが。


「なんだか妖力が強まってんな」

「ふむ、気づいてみれば。百鬼夜行の合図だね」

「「「百鬼夜行?」」」


 私たちは百鬼夜行という言葉を聞き返した。


「妖怪たちの大行進だよ。アタシは参加したくねーから無視してんだけどよ、こういう風に妖怪たちに集合合図を出してんだよ。誰かが」

「人間の街にも妖怪たちが出るようになります。人間は襲われないように建物に隠れるらしいですね」

「へぇ……」


 その百鬼夜行というのは参加しがいがありそうだ。

 百鬼夜行は人間の街付近で行われるらしく、百鬼夜行の時間は街の中に妖怪が溢れるんだとか。

 雑魚ばかり集まるらしいので、薙ぎ倒してホラーコインをガッポガッポ稼ぐチャンス。


「逃す手はないね! 私は出遅れてるから百鬼夜行に向かわなくちゃ!」

「私も参加しておこうかな。アニマはどうするんだい?」

「やるー! 化け猫セット交換できるようになったけど参加するならやるー!」


 百鬼夜行。

 こういうイベントがあるのワクワクするな。










 

座敷童マル秘情報

座敷童はホラーコインを増やしてくれる他に隠れスキル"ハッピーラック"というのを付与する


ハッピーラックの効果・・・確率を上げる。一度発動したら消えてしまう


まぁ、座敷童にあったらものすごく運が良くなりますよということです。確率があるのならなんでも発動するので、ドロップとかにも影響しますがホラーコインはレアなどないので妖怪を倒した場合は発動しません。


クオンはその効果でテイムしましたがアニマは普通に弱らせてテイムしました。

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― 新着の感想 ―
アニマさん、玉藻前をガチンコでテイムしたんか!?って思いながら読んでたら、ガチンコテイムだった。 鳥羽天皇の寵妃だったり、中国の方の妲己だったり、玉藻前は傾国の美女ということで基本女性として描かれるの…
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