表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
60/187

PKの横行

 ホラーコインが着々と集まってきていた。

 今のコインの数はざっと1000くらい。クエストをこなしてほどほどの強敵を倒したら割とすぐに集まった。

 ただ1000を目標にはしていない。どうせなら一番いいものであろう最大ホラーコインで交換できるレアスキルの書というのを狙ってみることにする。


 ”あ、やばい。クオン気を付けたほうがいいよ”


 と、視聴者が声を上げた。


 ”ホラーコイン、どうやらほかプレイヤーから奪える仕様になってるらしい”

 ”PKが横行するかも”


 ということだった。

 どうやらホラーコインはほかプレイヤーをキルしても少し奪えるようだった。なぜそんな仕様にしたのだろうか……。

 PKが横行するかもしれない恐怖がある。人間は基本的に楽をする生き物なので、楽ができるとわかったらそっち方面に舵を切る愚か者がいてもおかしくは……。


 歩きながら視聴者と話していると。


「死ねッ!」


 と、ほかプレイヤーを襲っているプレイヤーが見えた。

 すぐ現場を目撃してしまったな。


 襲われたプレイヤーは剣で防御をしていた。だがしかし、襲ったプレイヤーのほうがレベルが高いのか、戦闘がうまいのかは定かではないが襲ったプレイヤーのほうが押している。

 私は見てしまった手前無視をするのはいかがなものかと考え、とりあえずインダラを向かわせた。


「ワォオーーーン!」

「なんだこの狼……! ぐあっ!」


 襲ったプレイヤーが一撃で倒れた。

 不意を突いたのもあるが、そこまで防御が高くなかったとみるべきだろう。私は襲われていたプレイヤーに声をかけた。


「大丈夫かい?」

「は、はい……」

「周りを警戒しておくことだ。こういうことをする輩が少し増えるだろうからね」

「わかりました……」


 私はインダラにまたがりその場を後にする。

 人から奪う、それが最高率になったら少しまずいと思うが。集めた人からPKして奪い取ったほうが楽となるのはものすごい混沌を招くだろう。運営はどのような意図でこんなイベントシステムにしたんだ。

 まぁ、運営の考えは読めないか。気にしているだけ無駄だな。私はとりあえずホラーコインを集めることに専念しておこう。


 私はインダラの背に乗って探していると、急に地面に落とされた。

 インダラの召喚時間が過ぎてしまっていたようだ。私は立ち上がり、とりあえず自分の足で歩くことにした。

 周囲を警戒しつつ、妖怪たちを探す。


「隙あり!」

「アイルス」


 とびかかってきたプレイヤーをアイルスで迎え撃つ。

 アイルスのしっぽで薙ぎ払われ、吹き飛ばされるプレイヤー。私はそのプレイヤーから逃げるわけでもなく、アイルスに指示を出し凍らせる。

 凍って動けなくなる相手。凍ったのは初めてなのか戸惑っている様子だった。


「な、なにすんだよ! やめろ!」

「先に吹っ掛けてきたのはそっちだろう? 自分はやるがやられるのは嫌だなんてそんなこと通じると思っているのかい?」

「やめ……」

「アイルス」


 アイルスはその頑丈な顎で相手にかみついた。

 襲ってきたプレイヤーは消え、ホラーコインが突然出現する。モンスターがドロップするような感覚で落ちているな。プレイヤーもモンスターっていう考えなんだろうか?

 いや、まぁいい。とりあえず回収しておこう。









評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
人同士で狩って狩られて…PK有りのゲームは基本殺伐としたゲームだよね(ㆁωㆁ*) のほほんと出来るのはほんの僅か、いつ何時襲われるか分からないから常に緊張しっぱなし(ㆁωㆁ*) そのスリルが良いんだ!…
一番怖いのは生きている人間の欲ですって、、、ことっ!? でも、こんなの初心者狩りが横行して、イベント後も治安が悪くなって人が離れるだろうに。 PKを仕掛けた回数をコッソリ集計していて、最終的に回数分の…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ