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気色悪い

 飛んできたスパチャ。

 赤穂 太郎……。書かれている内容は好きだったっていうことだけ。


 やっぱり叔父とみて間違いはない。


「赤スパありがとう。でも、そのコメントでわかったがやはりアカネの叔父だね」

『なんかやってきて草』

『叔父らしきにおいがプンプンで草』

『これもう叔父だろ』


 コメントも賑わってきた。

 まさかの叔父本人登場による騒ぎで、書かれている内容の気色悪さがどんどんと綴られていく。


『赤穂 太郎:昔はおじちゃんと結婚するって言ってくれたんだよ。嫌いなわけないじゃん』

「きもちわる……」


 思わず本音が漏れ出てしまった。


「子供のときの妄言を今もなお信じているというのは……言葉を選ばないで言わせてもらうが、お花畑が過ぎないだろうか」

『これはギルティ』

『普通にきっしょ……』


 なんとなくわかってきた。

 本人は小さいときにアカネが口走ってしまったであろう結婚するという言葉を鵜吞みにし続けていたんだろう。だから、あの時……。

 だとしても、それは子供のいうことだと理解しなかったのだろうか。子供の時と成長した時の感受性は変わるものだろうに。


『赤穂 太郎:いや、結婚しようって言ったのはアカネちゃんなんだから俺はきしょくないでしょ』

「いや、いくらなんでもその言葉を今の年齢になってすら信じ続けているのはだいぶ気色悪いだろう。子供のいうことだと思わなかったのかい」

『赤穂 太郎:結婚しようって言ったのはあっちなのになんで俺がきしょいの? おかしくない? 言ったことに責任を持つのは当然でしょ。俺もアカネちゃんに見合う男になるために努力してきたのに』

「子供の時の発言に責任能力を求めるなよ。あなたも子供の時将来の夢は何々ですと言ってその職業に就いたのかい?」

『赤穂 太郎:いや俺の昔話は関係ないでしょ』


 話が通じない……。

 ここまで話が通じない奴いるんだと驚きながらも、私は考えを巡らせる。これ以上この配信で言い合いをしても無駄だろう。

 

「話が通じないね。もう仕方あるまいか。赤穂 太郎さんは私たちのチャンネルにコメントできなくしておくよ。話が通じない相手ともう話す理由はない」


 私は赤穂 太郎のコメントを非表示設定にしておいた。

 赤穂 太郎はコメントができているのだろうが、こちらにはもう見えていない。


『なんつーか、お疲れさんです……』

『マジのやばい奴じゃん叔父』

『ここまで話通じない奴いるんだ……』

『クオンはアカネを守ろうという気概を感じた。これからもうちの娘を……』

『まだきもいやついる!』


 なんていうかコメント欄も嵐が去ったかのように静かになっていた。

 私も初めて会話したが、会話にならない。自分がやったことの悪さに何も気づいていないような感じがする。

 こういう人いるんだという驚きと、関わり合いになりたくないという感想を抱いてしまう奴には初めて出会った驚きが交じり合い複雑な気分だった。


「……まぁ、そういうわけだ。納得してくれなくてもいいが、しばらくはアカネは配信を休むよ。私はゲームを続けているだろうから、ゲーム内で会ったらよろしく頼むねぇ。ばいばい」


 私は配信を閉じた。

 そして、そのまま目を閉じる。


「……生理的に無理っていうのはこのことを言うんだねぇ」











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玉と竿を取って小指取っといた方がいいんじゃない?小指無くなれば拳握る力弱まるし
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