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チェシャ猫戦の反省

 チェシャ猫と対峙してレベルが1に戻ってしまった私たちは必死にレベル上げをしていた。

 チェシャ猫……明らかに今対峙するような相手じゃない。因果律の操作をどうにかしないと突破できないようなムリゲーだ。

 不思議の国で手に入れたスキルは使えるようになったと言えど、レベルが大幅に下がってしまったのはアカネにとってだいぶ痛手だろう。


「インダラ」

「ガルゥ!」


 一角ウサギを倒しまくる。

 金色ウサギを召喚して戦わせようかとも思ったが、召喚ができなくなっていた。召喚しようとすると金色ウサギのストーリーを始めますか?という問いが出てしまったので、チェシャ猫を倒さない限り金色ウサギは召喚できないとみていいだろう。チェシャ猫が不思議の国のボスで終わらせる必要があるんだな。


 もちろん、絶対に勝てない相手というわけではないんだろうが、今の私たちには対抗策がない。


「チェシャ猫って勝てる相手なの?」

「今のところは無理だ。だが何かしら対抗する手段を用意しているはず。でなければクリアはまず不可能だろう。私たちはその対抗する手段を見つけておらずすぐにエンカウントしてしまったがゆえに負けたんだろうね」

「だよねぇ……。因果律を破る方法か。そんなのあるの?」

「現実でもできなくはない」

「マジで!?」

「映画のバックトゥーザフューチャーみたいに時間を移動するようなことができればね」

「無理じゃん!」


 そう。現実的に考えればムリゲー。


「ものすごく速い速度で動ければ因果律を破ることは可能だよ」

「……音速で?」

「それよりもっと速くだ」

「光の速さは無理だよ……」


 でもそういうことができるようなものがあるんだろう。

 少なくとも、因果律を破るには光に干渉するか、時間に干渉するかしなければならないのだろう。いつかまたどうせチェシャ猫と再選しようと言い出すんだ。アカネは。


「クオンがそういうならほかの人呼んでも攻略むりかぁ~……」

「まぁ、不思議の国の攻略は後回しにしようか。まずはレベルを上げて次の街へ行くとしよう」

「そーだねー……。あー、レベリング辛いよぉ~……。結構レベル上がってたのに……」


 アカネは結構レベルが高かったから落ち幅がだいぶデカい。

 アカネはぶつくさ言いながらも一角ウサギをどんどん倒していったのだった。私もインダラを召喚し戦わせていたが、いつの間にか制限時間が過ぎてインダラが本の中に戻っていく。

 金色ウサギは召喚できないのでインダラが再び召喚できるようになるまで私は待つしかない。やはりもう一体、何かしらテイムしたほうがいいだろう。ただ、一角ウサギはもうこりごりだ……。


「アカネ、そろそろいい時間だからログアウトして明日やろう」

「いや……ぎりぎりまでやるよ。明日からしばらく私できなくなるから」

「何か用事でもあるのか?」

「ちょっとね。クオンも来るならぎりぎりまでやろうよ」

「……どこかに行くのか。まぁ、気になるからついていこうかな」

「おっけーい! いや、クオンはあっちでもできるようにしてあげるから問題ないけどやっぱ旅は道連れ世は情けだからね!」


 ……どこに行こうとしているんだ?











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