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後で全体的に修正したいなー、とか。
時間があればですが。
射殺すような赤眼で自分を――まるで親の仇のように睨み付けてくる赤毛の少女は、しかし何も言わずにただ扉の前で佇むだけだった。
「…………、」
「…………、」
自分も自分で咄嗟に最適な言葉が見つからず、閉口してしまう。アリサさんも静かに自分をその冷え切った黒曜石を連想させる瞳でジッと捉えているのみだった。おかげでこの場には痛々しいというよりも刺々しい沈黙が漂い出してしまう。
一体どれだけ苦々しい静寂があっただろうか。
その苦味は、突如として破られた。
「……クビじゃないのか?」
「……は?」
「というかクビにさせてくれよ」
内容も唐突だった。
台詞こそいじけた子どものような内容だが、それを言う本人の表情と雰囲気が全く別の存在へと成り立たせている。本当に、人を――いや自分を完全に『仇』と考えての怨嗟だった。
「ユウマさ――」
「アリサ姐もいいって。別にこんなヤツの下で働かなくてもさ」
そんな彼女は、年上であり上司であるはずのアリサさんの意見さえ封じてしまう。相当ご立腹のようだった。
それは自分に対してか。
それとも彼女自身にか。
「…………、」
多分、この場で自分が口に出した事、それが『処分』になるのだろう。何より目の前の本人自身がその『処分』を望んでいる。言うべき事は既に決めているのだから、尚更慎重に伝えなくてはならない。この状況で最も重要なのは何を説明するかではなく、どう説明をするかなのだと思うから。先程のように感情的に――感傷的には絶対になってはならなかった。
「自分は――――、」




