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アンドロメダ銀河 その10

ちょいと興が乗りまして、長文にしては物語が進んでおりません。

ただし、作者としては、こういう描写が好きなのですよ。


次回は、なんとか和平交渉と宇宙への鎖国状態を改善する会談シーンを書きたいと思います。


さーて、これからはタイミングが重要になる。

特にフロンティア本体が銀河系評議会の重鎮たちを連れてくる時期が、俺達がアンドロメダ銀河支配種族と交渉してる最中に到着するのがベストタイミングとなる。


あまりに早いと、下手すると銀河系とアンドロメダ銀河との戦争に突入してしまう恐れがあるし、遅すぎても交渉団の俺達の信用度が無くなり、交渉が決裂する。

ここは慎重にやるとしよう。


しかし、こうなると、フロンティアの性能の高さが、今回ばかりは災いとなるな。

あまりに宇宙船の速度が速すぎて、どのような通信手段をとろうとも、フロンティア本体と連絡がつかないのだ(*これについては後述します)

何か考えたいところだが、それこそ無限の距離を瞬時に飛ぶような通信手段でないとフロンティアに搭載する意味がない。

(今でも、どんな宇宙船よりも早く翔べるのがフロンティア。自分の速さが自分を縛るのは、何と言うかなぁ……)


まあ、本当に必要になったら通信専用船として快速搭載艇でも開発することになるだろうな(無人化して親書やファイルのみを届ける高加速度の郵便船だ)

そんなことを考えていたら俺達の存在、まあ、中型搭載艇を感知したんだろうが中央星系目指して跳んでる最中に向こうから通信が入って、こちらを誰何してきた。


「所属不明の巨大宇宙船、応答せよ、応答せよ。この宇宙では許可された宇宙船しか航行を許されていないはずである。所属と乗員の身分・姓名を述べよ」


おーおー、紋切り型だけど、完全に上から目線だな。

ちなみに、巨大宇宙船と言われてるが、これでも中型の搭載艇だ。


全長250m超える涙滴船だが小型搭載艇を20機ばかし積める立派な小型宇宙空母だよ。

こちらも応答してやらねば。


「こちら宇宙船フロンティア搭載艇、ティア1。お隣の銀河系より、はるかな宇宙空間を突破して、このアンドロメダ銀河へやってきた。この銀河の航宙許可と中央星系への訪問許可を申請する。ちなみに本体の宇宙船は、あまりに巨大なため、リムで待機中である」


さて、爆弾発言だぞ。

案の定、返事が。


「ぎ、銀河系からの訪問者だと?!そこで加速を中止されたし。こちらで中央星系に許可を申請するので、しばらく待機願いたい」


おーおー、いつもの官僚発言では困った事態になると気付いたんだろうな。

ずいぶんとお優しくなる役人様です。


「了解。しかし、早急に願いたい。こちらは銀河系評議会を代表し、和平交渉の場を設けられるように望むものだ」


爆弾発言その2。


「銀河系との和平交渉?!$%&……わ、分かりました。至急、許可を取るので、待機願いたい」


自分の仕事範囲を超えたな、これは。

官僚制は、この手が効くんだ。


航行許可と中央星系への進入許可は、すぐに出た。

まあ、役人の仕事なんてのは、外圧で早まるもんだからね。


俺達は、中央星系目指して進んでいく。


途中から、護衛と称して、明らかに戦力誇示のためだと思われる宇宙艦隊が、俺達の中型搭載艇の近傍空間に現れる。

艦隊を率いる「護衛隊隊長」と自称する輩、その実、アンドロメダ銀河の主力艦隊を統率する、おそらくは「提督」クラス。宇宙軍のヘッドだろうな。


「幾多の困難を排除して、はるか遠き銀河系より来られた友人であるからして、我々護衛艦隊が万難を排して、中枢星域まで、そしてアンドロメダ銀河皇庁の御前会議までお送り申し上げる」


とか、通信で言ってきた。

こちらが、わざわざ搭載艇で来ているってことを重視しているな。


本体宇宙船の武装や性能が全くわからない状況で、俺達に攻撃を仕掛けたらどうなるか?

ある程度は理解しているようだ。


「了解した。わざわざの護衛艦隊派遣、感謝する。では、中枢星域までの案内を兼ねて、護衛をお願いする」


どっちもどっちの、腹の探りあいだ。

しばらくは、この状態で跳び続ける。


数日後、ようやく中枢星域に到着する。

ここで、艦隊から小型の駆逐艦のような小回りの利く艦船が離れ、俺達の護衛として、言い方を変えると、監視役として、つかず離れずの位置をキープする。


さすがに、ここからはアンドロメダ銀河の政治と権力の中枢部もあるだけに、宇宙軍としても大げさな行動は取れないんだなと判断する。

中枢星系。

星の密度が多いので、今までよりも進行速度が大幅に制限される。


デブリや浮遊惑星も多いが、これは人工的なものか?

と思われるような偽装された人工惑星らしきものも見受けられる。


戦いになって、相手が中枢星系へ攻めこんできたら、この人工惑星を砲台にするんだろうな。

よく考えられてるわ。


しかしなぁ、銀河系もそうだけど、こんな武装や兵器に多額の予算つぎ込むなら、その分、中枢以外の星系を開発するために予算注ぎ込めよって。

戦いなんか馬鹿らしい、平和になれば、より一層の文化や生活水準、科学技術の発展に金を使えるだろうに。


自衛より大きな武器システムは、自己破壊に繋がるだけだと、早く気付いてほしいよな。

と、とりとめもない考えに浸ってたら、アンドロメダ銀河皇庁のある星系に到着したようだ。


ここからは、さすがに護衛の駆逐艦も入れないようで。

俺達の中型搭載艇のみが星系への進入を許される。


数時間後、俺達は皇庁より少し離れた宇宙港へ着陸を許可される。

中型搭載艇が着陸すると、付近に他の宇宙船が無い。


さすがにVIP待遇ってことか。


「銀河系よりの訪問者よ。ただ今、歓迎委員会の方々の到着が少し遅れているので、もう少し、宇宙船の中でお待ち頂きたい」


さすがに、最初の通信より数日しか経ってないため、相手も相当にうろたえているようだ。

さて、これから歓迎式典と、実務交渉が待っている。

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*大マゼラン雲の章にて、銀河と、それ以遠との連絡手段として、FAXモドキが採用されたと書いておりますが、それは、この回より未来の話ですので、お間違えの無きように。

この回の「現在」では、フロンティアも、どこにも、超光速を使用する宇宙船より速い連絡手段は所持しておりません。


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