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アンドロメダ銀河 その7

いやー、楽です!

PVが衝撃のV字上がりした時には、どうしようかと思いましたが。

これからも、本当に本気の読者は少ないと言うことで、お気楽に書いて行きます。

それにしても、SF(宇宙)で更新頻度が週に数回、多いんですかね?

さすがに毎日は無理なんですが、それでも3日に1回は更新したいと考えます。


それはさておき。

今回は、アンドロメダ銀河の支配層ではなく、抵抗組織の視点から……


【レジスタンスの一工作員の日誌】

我々の組織は、いまだ小規模である。

我々「アンドロメダの鎖を断ち切る剣」は、今の状況、各星系に閉じ込められた何も知らない罪なき人々を救い上げる組織である。


しかし、我々は無力である。

宇宙船として、小型の汎用個人宇宙艇数隻しか持たない組織なので、各惑星の宇宙港を占拠して隔離政策を暴露し、民衆の意識変革を促すなどという大規模行動など不可能である。


この惑星には、極秘任務で別星系へ赴くはずだったのだが途中で跳躍機関のトラブル発生、仕方なしにステルス機能だけ発生させて不時着したのだ。

あいも変わらぬ惑星孤立化政策。


中央の役人と、既得権益にまみれた政治家や大交易商人共の企みも知らされることなく、ことによっては、宇宙へ出る手段すらも知らずに一生を終える一般市民たち。

俺の手は、こんなに小さいが。

こんなに無力だが。


なんとか、なんとかならないか?!

大人はいい、子供だ!

子供たちに大宇宙へ旅立つ可能性すら与えてやれない今の政治状況は絶対におかしい!


俺は、もう飛び立てない宇宙艇のエンジン部を見ながら、この惑星に何か貢献できないか考える。

ちょうど、極秘任務で使用する予定だった、最新式の教育機械があるじゃないか!

俺の頭に、インスピレーションが閃く!


宇宙船の偽装に一週間かかった。

一番近くの町からも数10km離れているため、作業中に惑星警察機構や、宇宙港から派遣された捜査団からも発見されることなく隠れ通せた。

宇宙艇のメインエンジンが破損し、大きなエネルギーを発生してなかったことが見つからなかった理由だろう。

その他の生活必需品と教育機械に必要なエネルギーは小さなサブエンジンから供給しているため、ステルス機能を使っていても問題はない。


さて、準備はできた。

俺は、近くの町から定期的にやってくる子供の団体(付き添いの大人は数名いるが、そちらは対処可能)を今回の目標とする。


宇宙艇が不時着した辺りは山と河があり、そこの付近の森に宇宙艇が鎮座している。

子供たちは、年間スケジュールの通り、ここにバカンスを兼ねて野外生活を体験に来るのだそうだ。


俺は言葉巧みに案内人となり(工作員だからね。このへんはお手の物)子供たちを現場まで誘導していく。

宇宙艇の近くまで来たら、付き添いの大人たちにはショックビームで眠ってもらう。

数人だから簡単だ。


次は、子供たちの教育。

アンドロメダ銀河の中央星系でも最新式の教育機械だから、子供の高等教育にはピッタリだろう。

一人づつではあるが、数十分交代で全員、教育機械にかかってもらう。


で、ものになりそうな子供たちを選抜し、


「もっと最新の知識を知りたいなら、後で、この場所へおいで」


というメモをポケットの中に入れておく。

後は全員、眠らせて、大人と一緒に別の場所へ移動させる。

俺のことや教育機械の事は全ての記憶を消しておくのは言うまでもないこと。


さて、これで、どれだけの子供たちが今の境遇に気づくかな?

その答えは、数ヵ月後に出る。


その日は休日だったが、俺はいつものように捜査隊に注意を払っていた。

その俺の目に、子供たちの集団(4人ほどだった)が写る。


俺の使命が決定した。

このような閉じ込められた惑星でも中央星系と同じような教育を実現させよう!

俺は子供たちを歓迎し、さっそく中央星系のレベルと同等の教育を行う。

これを繰り返せば、いつかは惑星から飛び立つ子も出てくるだろう……

ーーー名も無き工作員の記録よりーーー


「プロフェッサー、この記録、どう思う?」


俺は問いかける。自分でも答えの出ない問いだな、これは。


「答えは出ないと思います、我が主。この手記を残したものは、こうするのが最善だったと確信していたのでしょう。この数人の子供たちが最初で、それから何代にも渡って、この宇宙艇と教育機械は受け継がれていったのでしょうね」


「でも、ご主人様。少しづつ子供たちが友人を呼び、人数が増えていったのは理解できますが……なぜ、今回だけ子供たちが町から消えたのでしょうか?あ、いえ、訂正します。近年になって、なぜ消えるようになったのでしょうか?」


「マスター、それについての回答らしき情報が入ってきました。中央星系を担当している搭載艇からですが、支配者層の一部が、より一層の宇宙航行制限を課そうという議案を提出する用意があるようですね。これが可決されてしまうと惑星間航行すらも規制されてしまい、本当に鎖国状態になりかねませんよ」


「その議案提出を辞めさせる、あるいは妨害する事を決意したってことか……」


内政に干渉したくはないんだが、ここまで酷くなったら仕方がないか。


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― 新着の感想 ―
[一言] 自分なら自力で宇宙に到達できる有人ロケット技術を持てるまでは外から監視程度に留めて干渉しないようにしますがw
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