アンドロメダ銀河 その2
あー、うー、何事が起きているのでしょうか?
PV数が、無茶苦茶なコトになってます。
昨日の午後から今日の午後にかけて、小旅行へ行ってきて、PV数見たら。
あんぐり開いた口が塞がるのに数十秒かかりました。
(当人、何も知らないんですが。この事態、何が原因なの?)
私の小説、PVが1000超すだけでも異常なのに、4000超え!
胃が、胃が痛いです。
プレッシャーに弱いんだから、PV数百くらいの上限でないと。
本当に、何が原因で、こんなに注目されちゃったの?
どこにも応募した覚え無いし、作品だってマニアック過ぎて注目される要素は無いはずなんだけどね。
(自分の作品がどのレベルにあるかくらいは自覚してますよ。いくらなんでもプロの作家様達と比べられる物じゃない)
辺境星域の一惑星の、とある大陸の一部、小さな都市国家に、俺達は宿泊している。
地元通貨はどうしたって?そんなもの、フロンティアに言えばいくらでも製造、してくれませんでした、実は……
「マスター、いくら何でも私に偽造通貨を作れという命令は。こればかりは、未成熟な星系に住む生命体の文明を壊すことになりかねませんので、お断りします」
「フロンティア、しかし、お前が造ったものなら、本物通り越した純粋金貨になるんじゃないか?それ、偽物と言わないだろ」
「しかし、地元の星系政府や国家が正式発行していない通貨であることは明白です。出来が良かろうが、偽物には変わりがないでしょう」
「うーん、そこまで拒否するか。じゃあ、どうする?俺達には、この文明程度に合せた交易品なんか船に積んでないぞ」
「では、こうしたらいかがでしょうか、我が主。文明を壊さない程度の日用品を、とある発明家が造り出した、ということで、売りだすというのは」
「お、いいね、プロフェッサー。具体的に、何にする?」
「はいはーい!提案がありまーす!」
「おや?珍しいな、ライム。思いついたアイテムでもあるのか?」
「はい、キャプテン。この時代背景ですと、台所仕事に必要な「火」を用意するのも大変かと思います。地球で流行した「使い捨てライター」なんて、いかがですか?」
「ライム、いいアイデアだ。エッタは、どう思う?」
「そうですね、ご主人様。種火として保存しておく技術はあると思いますが、種火を消してしまえば、もらい火しか手はないので、これは良い案かと」
「よーし、決定!んじゃ、フロンティア。100回位で使えなくなるように壊れやすく加工したライターを、ここの文明で使われてる材料で試作してみてくれ。具合がいいようなら、町の雑貨店へ試作品を持ち込んでみるよ」
「分かりました、マスター」
ということで、すぐさま地球文明のデータベースから引っ張りだした使い捨てライターを試作するフロンティア。
船内工廠に実験室みたいな区画を作って真剣にやってるが、大丈夫か?
などという俺の心配など吹き飛んだのは翌日。
見事に試作ライターは完成していた。
しかし……
ライターというよりも火付け棒だよな、この長さだと。
材質は、この惑星で採れる資源で作り上げてあり、捨てても惑星の土に戻るように素材を加工している。
俺は早速、この「ライターもどき」を雑貨屋に売り込みに行った。
主人は俺のことは胡散臭そうにしてが(まだ身分証も作ってなかったからね)商品には目の色を変えた。
「あ、あんた!他の店や問屋には、この話、してないだろうね?!よござんす、ウチが買い取りましょ。とりあえず、いくらの価格を付けるつもりだい?この画期的商品に」
「いやー、きまぐれで試行錯誤してたら出来ちゃったんですね、これが。ところで、ワタシ、この町へ来て間がないんだけど、この町の貨幣基準って、どうなってます?一応、最低貨幣の百枚分くらいで売るつもりなんですけど」
「ふむ、貨幣だと最低が石貨、これが10枚で鉄貨、鉄貨10枚で青銅貨、またこれ10枚で銅貨、10枚づつで銀貨、金貨と上がってくよ。これ以上だと大金貨とか白金貨とかあるけど、でかい取引で使われるだけ。通常は金貨までだよ」
「そうすると青銅貨一枚ってところかな?価格付けだと。ご主人、どう思う?」
「ウチの店としちゃ、安かったら大量に売りさばけるんで有難いけれど。ダイジョブかい?そんな激安価格で」
「あ、やっぱり安いと思いますよね、ハハハ。でも、あまり高くて貴族様以上の人しか買えないものより、普通の人たちに使ってもらいたいじゃないですか。青銅貨一枚でお願いします」
「よござんす。あちきも商売人です。大儲けになりそうな話を自分で潰してでも使いやすいものを皆に使ってもらうって考え、あちきも乗ります!でも大量に売れるよ、こりゃ。毎日の卸、大変だよ?」
「はははは、それは大丈夫!じゃ、明日から1000個単位で持ってくるからね。待ってて」
で、それからはフロンティアに製造ラインを急遽作ってもらって、ライターの大量生産!
原料タダだし(惑星の大気中のゴミから原料採取してます。大気は幾分かキレイになったかもね)造るのはロボットラインだから品質は一定化してます。
これで売れないほうがおかしい。
翌日持ってった1000個は、またたく間に売れ、その情報を聞いた近辺の雑貨屋や卸問屋が店にやって来た。
口コミで、またたく間に広がったライターは、いまだに雑貨屋の主力商品となっている。
現在、上記の商売から3ヶ月目。
いまだにライターの品質は俺にしか保てないため(構造は簡単だが、壊れやすすぎて、他のやつが作った偽商品は100回の使用に耐えないのだ)注文は尽きること無し。
おかげで、こちらの懐も潤い、にわか貴族に変装して調査旅行してるわけだ。
しかしなぁ、この変な、歪な文明と文化の解明には、まだ手がかりすら無い。
どうして、こんな変な文明ができたんだろう?




