最前線にて その3 ファースト・コンタクト、なんだろうか?
体調が変になりまして、厄介な肩こりに悩まされておりました。
何とか元に戻りつつあるため、執筆も再開します。
さて、ようやくテレパシーコンタクトだ。
〈やあ、こんにちは。お初にお目にかかる。この船はフロンティアという、お隣の銀河系からやってきた船だ。貴方がたへの友好と、ちょっとした提案を予定しているのだが、そちらの受け入れ体制は、どうかな?〉
一応、テレパシー能力の低い生命体へも届くように強さは俺の放出可能な限りの強さで放った。
結果、俺達のすぐ近くでフロンティア(隕石だと思われてた)解析に従事してた生命体達は、いきなりのテレパシー波動に気絶した、半数くらいが。
後は、こういうテレパシーコンタクトに慣れない生命体達の普通の状況……
パニックに陥り、現場が手の着けられない状況になってしまった。
さすがに当事者の俺としても、この状況は不本意なので今度は穏やかな波長のテレパシーコンタクトを試みる。
〈すまない、貴方達がテレパシーコンタクトに慣れていないことに気を使うべきだった……このくらいなら大丈夫か?〉
段々とパニック状態が落ち着いてきたので、俺達も一安心。
しかし、どうも、この小銀河の住人たちは、テレパシーコンタクトに慣れていない人たちがほとんどらしく、返ってくるテレパシーが無い。
「どうする?プロフェッサー」
これからのコミュニケーション手段を聞いてみる。
「テレパシーの受信能力はあるみたいですが送信能力はほとんど持たないようですね、彼らは。こちらとしては音声コミュニケーションに頼る他無いのが現状なのでは?幸い、こちらの翻訳装置は既に充分な語彙を収集してますから、コミュニケーションに支障はないと思われます」
「ふむ。それじゃ、小マゼラン雲平和の園作戦、開始と行くか!」
俺達の行動開始となった。
何だ?!
何なんだ、この状況は。
せっかく、この銀河宇宙が平和へ向かって動き出したその時に、これはないだろう。
三勢力の代表が勢揃いして、統一発表としての長期停戦と、謎の隕石調査への参加声明が放送されてすぐに、当の謎の隕石から、超強力な、ありえない強度でのテレパシー送信がなされて、調査関係者の半数が、その時のショックで気絶して、残りの半数は、あまりの精神衝撃でパニックを起こして、もう調査どころの話じゃない。
おまけに、隕石内部にいる生命体(驚くべきことに、この巨大隕石が異銀河からやってきた宇宙船だと分かった。こんなものを銀河間で自由に飛ばせるなどという科学力・技術力とは、どんなものなのだろうか?あまりの科学力・技術力の差に目が眩むようだ)は、今度は優しく、強度を下げたテレパシー送信を行ってきた。
まあ、それでパニックが収まったのだから感謝しなければならないが。
しかし、どうしたものかな?
今、この状況で、異銀河からのお客さんを迎えてしまい、また、この超技術の争奪戦にならないだろうか?
もう、誰もが戦争状態には戻りたくはない。
しかし、この異銀河からの客からは、このエネルギーの慢性枯渇状態を解消できるチャンスがあるかも知れないのだから。
現状、どの勢力も我先にと異銀河からのお客様には手を出そうとはしない、妙な牽制状態が続いていくのだった。
それも隕石宇宙船からの音声コンタクトが始まるまでの話だったのだが。




