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Angel In Online  作者: 一狼
第12章 Ocean
54/84

50.再集結と青龍

10月31日 ――92日目――


「真桜ちゃん、紺碧さん、久しぶり」


 俺達の座ってる席に、真桜ちゃんと紺碧さんが近づいてくる。


「フェンリルさん、お久しぶりです。ヴァイさんもヴィオさんもお久しぶりですね」


「よう、フェンリル、久しぶり。ヴァイもヴィオも相変わらずバカップルしてるのか?」


「おい、紺碧さん、バカップルは酷くないか?」


「真桜ちゃん久しぶり。紺碧さん聞いてよ、ヴァイの馬鹿さ加減は前よりひどくなってるのよ」


 俺と一緒にテーブルの席に座っていたヴァイとヴィオもそれぞれ挨拶をする。

 そこへ扉を開けてユニ君が現れる。


「皆さんお久しぶりです」


 ユニ君の挨拶にみんながそれぞれ応える。


「皆さんお元気そうで何よりです。特にフェンリルさんはあれから随分と活躍してるみたいですね」


「そうなんだよなぁ。

 数々の王の撃破。AI-On(アイオン)一のトッププレイヤー。最強ギルドの設立。フェンリルの噂を聞かない方が少ないよな」


「だね。紺碧さんなんか未だにフェンリルさんをスカウト出来なかったのを悔やんでいるよ」


 紺碧さん話盛り過ぎ。王の撃破は俺1人でやったわけじゃないし、AI-On(アイオン)一は大げさだよ。そして何時うちのギルドが最強ギルドになったんだよ。

 まぁ、真桜ちゃんの言う通りそれだけ俺をスカウト出来なかったことを大きく見せているのだろうけど。

 逃がした魚は大きいってね。


 俺達は久しぶりに再会した仲間たちと『水龍の王』を倒した後のお互いの近況を報告し合う。


「ところで、俺達を呼び出した張本人はまだ来てないのかよ」


 紺碧さんは俺達を見渡して、肝心の人物が来てないのを確認する。


「まだみたいね」


 俺が紺碧さんに相づちを打つと同時に扉が開いて最後の人物が現れる。


「皆さんお待たせして申し訳ありませんですわ。船の手続きをしていて遅れてしまいましたわ」


「船の手続き? この後海に出るのかよ?」


「ええ、船に乗って隣の大陸のジパン帝国に行きますわ」


 ヴァイの疑問に俺達を呼び出した張本人――ローズマリーはこの後の俺達の行き先を告げる。




◇ ◆ ◇ ◆ ◇


 26の王の攻略は順調に進んでいる。



 あの戦争イベントでうやむやになっていた『希望の女王』は俺達も向かおうとしていたが、アッシュ達のギルド『桜花伝』が先に向かっていて攻略していた。


 アッシュ達は元プレミアム王国首都ミレニアムに向かったところ、そこは王国ではなくプレミアム共和国となっていたとか。

 アッシュ達がパティアに面会するのにいろいろ面倒な手続きがあったらしいが、何とか会うことが出来たらしい。


 そこであの戦争イベントの後の経緯を聞いたところ、最後の王族であるパティアと元プレミアム王国の重臣、元プレミアム王国住民の代表数人、王の証奪還軍の代表数人達と話し合いをした結果、この国は王国としてではなく共和国として再出発することになったらしい。

 パティア1人に負担が掛かるようなことは少なるので喜ばしいことだが、そうなると疑問も出てくる。

 共和国として建国するのであれば、王族を柱とするための王の証はいらないのであの戦争イベントは起こす必要は無かったのではないかと。そして何故共和国としての建国なのかと。


 アッシュ達はそのことを尋ねると、当時国民は王国の住民であることの意識が強すぎたため最後の王族として王国の終わりを宣言する必要があったらしい。

 そのために最後の王族としての正統性を持たせるために王の証が必要だったのだ。

 そして何故共和国なのかと言えば、幼いパティアに強いられる負担、パティアを頭とした傀儡政治をしようとする輩、腐敗した貴族などなど王国を再建しようとすれば色々問題が付いて回るためこの機会に共和国としての再出発を決定したのだとか。

 このあたりの国民の意識とか共和国としての経緯はゲーム独自の設定みたいに感じるがな。


 そんな訳でパティアは共和国としての最初の大統領として国が安定するまでの2・3年勤めた後、後進にその地位を譲る形となったため王族ではなくなった。

 なので、今では王の証は必要なくなった訳だが、だからと言っておいそれと渡せるものでもないのでアッシュ達はいろいろ難問を突き付けられたとか。

 そこでルーベットが機転を利かせてパティアと縁のある俺に連絡を取り、俺はパティアにアッシュへの王の証の必要性を説いたのだ。

 パティアはそれならばと俺達の役立てるために快く譲ってくれた。

 これでアッシュも王の証が3つ揃った。あとは累計Lvを80まで持っていくだけだ。


 ちなみにパティアは大統領であると同時に太陽神の巫女であるため、その人気はとどまることを知らないらしい。

 彼女は大統領の任期後は太陽神の巫女に集中したいらしいが、下手をすれば任期を2・3年で終わらずに長期任期になりそうだとか。



 GG達『GGG(スリージー)』は俺の提供した情報をもとにエレガント王国へと向かった。


 移動ルートは水の砂漠越えではなく、プレミアム共和国経由での移動となっている。

 流石に飛行騎獣もないので砂漠越えは難しく、遠回りとは言え安全なルートを選んだ。

 とは言え、片道10日も掛かるらしく移動時間だけでかなりのロスが出ている。


 俺の時は碌に調べることも出来なかったため誰が26の王なのか分からなかったが、GG達がエレガント王国にたどり着くとアーサー・ラウンド・エレガントなる人物が王位についていたとか。

 後で聞いた話によると、エレガント王国の国王、ヨシュア・エレクシア・ミア・エレガントⅢ世は騎士団の団長アーサー・ラウンドに王位簒奪されてしまい討たれてしまったらしい。

 そして騎士団長アーサー・ラウンドはヨシュア王の王妹ヨハンナを娶り、エレガント国王の座に就いたのだ。


 即ち新国王アーサー・ラウンド・エレガントが26の王『円卓の王・Round』と言うことになる。


 アーサー・ラウンドは元々Rの王の証を持っていて、騎士団長でありながら26の王でもあったのだ。

 そして王妹ヨハンナとの恋仲の相手がアーサー・ラウンドだったのだ。

 ヨシュア王がヨハンナとの仲を認めなかったのも、相手が26の王でもあったためだったと思われる。


 元々アーサー・ラウンドは26の王には興味が無かったらしく、ヨハンナとの仲さえ認めてくれば良かったのだが、いつまでたっても認めてもらえず業を煮やし王位簒奪をしてまでヨハンナと結ばれたかったらしい。

 と言うか、普通はそう簡単に王族との婚姻を認められるわけがないと思うんだが。


 そう、つまり俺がエレガント王国を訪れていた時、上手く立ち回れば何の争いもなく王の証を手に入れられたのかもしれなかったのだ。


 だが、アーサー・ラウンド・エレガントは国王となった為おいそれと王の証を手放すことは出来ず、アーサー国王を倒すか、己の力を認めてもらうしかでしか王の証を手に入れることが出来なくなっている。


 その倒すのはもちろん認めてもらうのも大変らしく、アーサー国王お抱えの精鋭・円卓の騎士12名を相手取らなければならないらしい。


 余程『円卓の王』攻略が難航しているらしく、GGからの携帯念話(テレボイス)で「何で前来た時に上手く立ち回らなかったんだ!」と愚痴を聞かされた。

 俺としては「強引な男とは結婚は嫌だったんだ!」と言うしかなかったのだが。


 まぁGGには何とか頑張ってもらうしかない。

 『円卓の王』を攻略すればGGもこれで王の証が3つ手に入ることになる。



 そして王の証所持者でもあるローズマリーも情報を集め、『海洋の王・Ocean』の居場所を探しだした。


 『海洋の王』と言う名である以上水中戦は必須の為、かつての『水龍の王』討伐した臨時PTが再び集結することとなったのだ。




◇ ◆ ◇ ◆ ◇


「いや待て。船でジパン帝国に行くと言ったが、確か今はジパン帝国に行くのは困難になっているはずだ」


 マリーが船の手続きをしてくれたみたいだが、紺碧さんが待ったをかける。

 そう言えばクリスが今は港町からジパン帝国の海路に何かしらのトラブルが起きているって言ってたっけ。


 今俺達がいる町は東和都市から馬で1日くらいの距離にある港町ボートポートだ。

 そしてそこから海を渡って隣の大陸のジパン帝国へ行く定期便が出ているのだが、その航路に巨大なモンスターが出現し船を襲っているという。

 定期便だけではなく、漁業にも影響が出てきているらしい。


「ええ、その通りですわ。

 今は大型モンスターが航路を塞いでいますので船が1隻も出せないみたいなのです。少し前までは定期便が数便出ていましたが。

 何とか交渉した結果、ジパン帝国まで乗せていく代わりにその大型モンスターを退治してほしいと言われたのですが・・・」


「その大型モンスターってどんなのか分かっているのか?」


「航路を妨害しているのはユニークボスの青龍だよ。タイプとしては『水龍の王』みたいに蛇型の龍だな」


 ヴァイの質問に紺碧さんが答える。

 ふむ、四神と呼ばれる聖獣の1匹か。なかなか厄介そうなユニークボスだな。


「ってことは、その青龍を倒さなければジパン帝国には行けないのか。

 あれ? まてよ? 『海洋の王』は海の中に居るんだよな? なら何でジパン帝国に行かなきゃならないんだ?」


「それは『海洋の王』の情報源がジパン帝国の帝王からもたらされたものだからですわ。

 ついでに言えば『海洋の王』絡みのクエストを受けていますの」


 なんだかんだで26の王って各国の王族と関わり合いが多いな。

 砂漠の王国みたいな厄介なことにならなければいいけど。


「詳細はジパン帝国についてからお話しいたしますわ。

 それで青龍の退治なんですけど、お受けしてもよろしいですか?」


「向こうに行く条件が青龍退治なら受けるしかないわね」


「だな。『海洋の王』を倒す景気付けに青龍の1匹や2匹さくっと倒していこうぜ」


「あのね、仮にも四神と呼ばれる1匹よ。あまり簡単に考えないでね。ただでさえ最近のヴァイは頭使ってないんだから」


「俺も反対はしないさ。ジパン帝国との交通網は早いうちに回復しておいた方がいいしな」


「そうだね。それに港町の漁業にも影響が出ているらしいから、その人たちの為にも何とかしてあげたいしね」


「僕も反対はしませんよ。『海洋の王』攻略の時に邪魔をされる可能性もあるので、ここで倒しておくに越したことは無いですからね」


 俺、ヴァイ、ヴィオ、紺碧さん、真桜ちゃん、ユニ君の順で答えていく。


「皆様ありがとうございます。それでは後で船を出してくれる方に伝えておきますわ」


「そうなると、青龍の攻略方法を考えないといけないわね。ただでさえ船での戦闘になるから」


 俺の言葉にみんなは「そう言えばそうだ」と頭を抱える。


「あー、そうか。船での戦闘になるのか」


「でも僕たちは泳ぎスキルを持っていますから、甲板からの攻撃と水中からの攻撃の2種類の方法が取れますね」


「その場合だと甲板チームは遠距離の出来る人だけになっちゃうね」


「それじゃ俺やヴァイみたいに接近攻撃がメインの奴は水中戦ってことか?」


「水中戦も必要ですが、何より船を壊されないようにすることが最優先ですわよ」


 ああ、そうか。船も守る必要も出て来るのか。

 うーん、これって結構難易度高くね?


「そう言えばみんなどの特殊職に就いているんだ?

 まぁ、フェンリルは聞かなくても分かってるからいいとして、俺は暗殺者(アサシン)になっている。

 サブスキルは水属性はみんな共通だからいいとして、火属性魔法と風属性魔法だな。ただ魔法職でないから威力はあまり期待しないでくれ」


 そっか、みんな特殊職になっているから『水龍の王』の時と状況がまた若干違うのか。

 紺碧さんは忍者から暗殺者(アサシン)の転職なので左程変わらないが、他のメンバーはどうなのだろう? まぁ1人ほど思いっきり変わっているのが見て取れるが。


「俺は閃撃士(クリティカルブロウ)だな。ヴィオは大司教(アークビショップ)だ。

 サブスキルは魔獣憑依と幻獣憑依等の肉体強化系を主にしているから、俺も遠距離は駄目だな」


「まぁその代わりあたしが2人でPTを組んでた時は遠距離担当だったんだけどね。

 一応サブスキルには土属性魔法と氷属性魔法があるわ」


「わたくしは盾職を極めたいと思っていましたので聖騎士(パラディン)ですわ。

 ただこの後ユニーク職の戦乙女(ヴァルキリー)に転職予定なので改めてサブスキルに盾スキルを入れて鍛えているところですね」


「僕は大宮司に転職しました。

 流石にこのLvになると付与術師(エンチャンター)だけではキツイものがありましたので、サポートをしつつ自分もある程度戦闘できる大宮司にしましたね。

 後はサブスキルに火・水・風・土の各付与魔法を改めて取りました」


「あたしは見て分かる通り、海賊(パイレーツ)に転職したわ。

 海賊(パイレーツ)は銃スキルも使えるから遠距離も大丈夫だし、水中水上での戦闘は職業特性でかなり有利に働くわね」


 紺碧さんやマリーは上級職で忍者や騎士(ナイト)だったのでそのまま上の特殊職に転職するのはまだ分かる。

 ユニ君の大宮司は、援護に徹するという意味では付与術師(エンチャンター)に通じるものがあるので理解できなくもない。


 ただ真桜ちゃんの海賊(パイレーツ)はどのような経緯でそうなったかはよく分からない。

 キャプテンハットにビスチェを模したブレストメイルと黒のミニスカート。そして黒のロングコートを羽織った剣と銃を携えた姿で現れた時はどう見ても女海賊そのものでビックリした。

 真桜ちゃんに何で海賊(パイレーツ)なのかを聞いても「内緒♪」と言って教えてくれないし。


「ふむ、フェンリル、ヴィオ、マリー、Unicode、真桜の5人は遠距離攻撃が可能で、水中接近攻撃は俺とヴァイだけか」


「フェンリルさんとマリーさんと真桜さんは接近戦も出来ますから水中でも可能ですね」


「マリーは盾職だから甲板チームの防衛に回した方がいいんじゃない?」


 ふむ、船の防御も考えるとマリーを甲板で防御に専念してもらう方がいいか。

 配置としては水中戦がヴァイ、紺碧さん、甲板チームがマリー、ヴィオ、ユニ君、遊撃として俺と真桜ちゃんってところか。


 いや待てよ、良く考えれば何で船の上で迎撃する必要があるんだ?


「一番重要なのは船に被害を出さない事。それを考えればわたし達が水中で青龍を相手して、その間に船を避難させるのがベストね」


「あーそっか、普通のゲームみたいにわざわざ船の上で戦闘する必要は無いんだったな。

 水中戦闘が出来るんであればそっちの方に戦力を集中した方がいいのか」


「確かにそれだと青龍を相手している間に船を遠くへ逃がしておけば何の憂いもなく戦闘に集中できるな」


 青龍との戦闘により俺達は船に置き去りにされる形になるが、戦闘が終わってから連絡して迎えに来てもらえばいいことだ。


「ただ、万が一わたし達の相手をすり抜けた事も考えて船には何人か残しておいた方がいいわね。

 その船の防衛をマリーとヴィオ、ユニ君にお願いするわ。わたしとヴァイ、紺碧さん、真桜ちゃんは水中で青龍を迎撃役ね」


 俺の作戦にみんなは頷く。


 っと、そう言えばサブスキルに泳ぎスキルをセットしておかなければ。

 遅延魔法スキルはほとんど使ってないので泳ぎスキルと交換しておく。

 そこでふと泳ぎスキルのLvを見てみる。


 泳ぎLv35


 うーん、『水龍の王』の時から全然泳いでないのでLvもあの時のままだなぁ。


「ねぇ、みんな泳ぎスキルのLvはあれから上がってる? ちなみにわたしはあの時のままだけど」


 俺の言葉に何を当たり前という顔をしたのが2人、若干気まずそうな顔をしたのが4人。


「またいつか集まる約束をしていたので泳ぎスキルLvを上げておくのは当然ですわ」


「あたしは海賊(パイレーツ)(ジョブ)スキルに泳ぎスキルがあるから、普通に職Lvを上げるだけで泳ぎスキルのLvが上がるから問題は無いよ」


 と、マリーと真桜ちゃん。


「あー、中々泳ぐ機会が無かったからなぁ~」


「同じく。2人PTだったからサブスキルの構成も結構厳しかったからね」


「俺もギルドの諜報も兼ねてるからサブスキルはちと厳しくてな」


「申し訳ないですが僕もですね。大宮司に転職してからはサブスキルに付与魔法をセットしてるからちょっと余裕が無くて外してましたね」


 ヴァイ、ヴィオ、紺碧さん、ユニ君の4人はそれぞれの事情でサブスキルに泳ぎを入れるのは難しかったみたいだ。


「そうなると、ちょっと厳しいかもしれないけど今回の青龍はこのままで攻略して、『海洋の王』に挑むまでに泳ぎスキルを上げておいた方がいいかもね」


 『水龍の王』攻略した時点では泳ぎスキルはそれほど問題は無かったので多少の無理は利くだろう。


「皆様だらしがないですわね。約束を少し軽く見ているのではありませんか?」


 そう言いながらマリーはしょうがないですわねと言った感じで怒っている。


「なぁ、良く考えたらこれって俺達じゃなくてもよくね?

 極端な話、海賊(パイレーツ)が6人とマリーがいれば水中戦は楽勝だと思うんだけど」


 まぁ確かにヴァイの言う通り水中戦だけを見れば(ジョブ)スキルに泳ぎスキルのある海賊(パイレーツ)が6人も居れば事足りるだろう。

 それに王の証を手に入れるためのマリーを加えて青龍や『海洋の王』に挑めば俺達は必要ないように感じる。


 だが、マリーは真っ向からそれを否定する。


「いいえ、それではあまりにも美しくなさすぎます。

 確かに接近攻撃、遠距離攻撃、水中戦とこれだけの能力を擁した海賊(パイレーツ)が6人も居ればかなり効率よく戦闘をこなすことが出来ますわ。

 ですがわたくし達はかつて共に戦ったという繋がりがあります。

 この繋がりこそが「見えない奇跡」を生み、わたくし達を勝利に導くものだと信じておりますの」


 マリーの発言に俺達は思わず拍手をする。

 「見えない奇跡」か。言い得て妙だな。


「確かに人と人との繋がりが奇跡を生むのは物語の定石だからな。そういった意味では「見えない奇跡」と言うのも頷ける」


 紺碧さんの言葉にみんなは頷く。


「あー、わりぃ。いや、別にみんなの事を信じてないわけじゃないぞ? ただそっちの方が効率が良かったのかなぁーって思っただけで・・・」


「そう言えば、ルーナちゃんの時もヴァイは似たようなことを言っていたわね」


「げっ、あんときの事をよく覚えてるな・・・

 あーはいはい、俺は損な役回りですよ。つーか、作戦が決まったんだからとっとと行こうぜ」


 あー、ルーナちゃんの時も『水龍の王』に生贄に捧げて弱った後に倒したらどうだ?って提案したのヴァイだっけ。

 今思えばあの時から結構脳筋のところあったんだ。


 ヴァイが席を立ち我先にと外へ出ていく。

 俺達もそれに続いて外に出て、マリーが用意した船に向かう。

 って、ヴァイが先頭になっているけど船の場所分かるのか・・・?




◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 地下迷宮をマッピング! その2


819:スクランブルエッグ

 この地下迷宮ってどんだけ広いんだよ!? ΣΣ(゜д゜lll)


820:マリエクレール

 確かにとことん広いよね~@@;


821:彩奈美麗

 現在の広さは、深緑の森を中心とするとムシの森・ロック平原中央までの大きさ


822:西村ちなみ

 え?? 地下迷宮って今『月下美人』が攻略してる26の王の迷宮だよね?

 あそこって深緑の森の地下入口にある地下都市からしか行けないんじゃなかったっけ?


823:光の王子

 >>822 うん、そうだね

 しかも地下都市はダークエルフの都市でFの王の証持ちPTしか入れないんだ


824:邪気癌

 ダークエルフ・・・巨乳・・・'`ァ'`ァ (*´Д`*) '`ァ'`ァ


825:華麗なる管理人

 >>822 いや、今は地下都市以外にも地下迷宮に入る入り口がありますよ


826:Dインパクト

 >>824 おっぱい名誉会長キタ━━━━━━(p゜∀゜q)━━━━━━!!

 って舞姫様じゃなくダークエルフに興奮してる!??


827:オーバードラゴン

 そんなっ!? 名誉会長が浮気だなんて!!


828:独眼竜

 >>824 >>826 >>827

 お前らw そう言う話は巨乳スレでやれよwww


829:Dインパクト

 くっ! この憤りを巨乳スレにぶつけてくるぜ!


830:オーバードラゴン

 名誉会長! 巨乳スレで貴方の浮気の審議をさせてもらいます!


831:彩奈美麗

 ・・・変態


832:光の王子

 あー、話を戻すが、地下都市以外にも地下迷宮に入れる入り口は3か所

 ムシの森、ロック平原中央にある大岩付近、夜の国の傍


833:西村ちなみ

 へー、じゃああたし達でも地下迷宮を攻略することは出来るんだ


834:大帝国陸軍大悪児

 出来るっちゃあ出来るけど・・・

 地下迷宮のMOBのLvめちゃくちゃ高いぜ?


835:華麗なる管理人

 それに地下迷宮にいる26の王は月牙美刃さんに倒してもらわなければなりませんよ


836:心音

 >>834 MOBのLvってどれくらい?


837:大帝国陸軍大悪児

 ピンきりだな

 最低でLv50位、最高でLv70位

 ただまだ迷宮は踏破されてないから更に上のMOBが居ると思われる


838:西村ちなみ

 ガガーン!!∑(゜Д゜ll) Lv70ってどんな化け物の巣窟ですか・・・orz


839:スクランブルエッグ

 下手をすれば王都セントラル付近にも出入り口が見つかる可能性がある


840:西村ちなみ

 ちょw それってどんだけな広さなんですか!?w

 あ、でももしそうだとしたら既に見つかってないとおかしいですよね?


841:マリエクレール

 出入り口は地下迷宮側からしか開けること出来ないの


842:光の王子

 そう、地上側から見つけることは出来ないんだ


843:とろろてん

 今地下迷宮を攻略してるギルドって『月下美人』以外いる?


844:スクランブルエッグ

 >>843 攻略って訳じゃないけど、経験値稼ぎで地下迷宮に下りてるギルドとかはいるね

 有名どころだと『神聖十字団』『9人の女魔術師』『黒猫』だね






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