27.呪われし落ち武者と呪われし刀
「剣の舞姫フェンリル、助太刀するよ!」
そう言って俺は侍の男に切りかかろうとしていた落ち武者に、二刀流スキル戦技・三連撃を叩き込む。
そして続けざまに落ち武者に剣を突きつけ、ゼロ距離射程で火炎球を放つ。
「ファイヤーボール・ダブルブースト!」
ゼロ距離で火炎球をぶつけられた落ち武者は、10mほど吹っ飛ぶ。
「今のうちに態勢を整えて」
PTの構成は前衛が侍の男と、素手で戦ってるところを見ると武闘士系の女。多分回復魔法を唱えないところを見ると武僧ではなく、破壊士だろう。
後衛は弓を持ってるところからすると弓道士の女、剣を持ってはいるが後方で攻撃魔法を唱えてる魔術剣士の男、竪琴で呪歌を唱えてる吟遊詩人の女の5人PTだ。
やなりPT構成からもいって転職用の臨時PTなのだろう。
「すまない、助かるよ。
ターナー、今のうちに回復を頼む」
侍の男がお礼を言い、後方に指示を出す。
指示を受けた吟遊詩人の女はすぐさま回復用の呪歌を謳う。
吟遊詩人の優れた点は、全ての呪歌が範囲用に設定されているという事と、歌い続ける限り効果があることだろう。
全快とまではいかないが、回復の歌でPTメンバーのHPは少しずつ回復しているみたいだ。
『ぐおおおおお! お主も邪魔をするか! 死ね死ね死ね死ねっーーーーー!!!』
起き上がってきた落ち武者は、ターゲットを俺に定めて突進してくる。
おいおい、この落ち武者いっちゃってるんじゃないのか?
何か雰囲気が尋常じゃないんだが。
「わたしが落ち武者を引き付けるから、援護をお願い!」
「分かった!」
俺が落ち武者と対峙して、左右を侍の男と破壊士の女が取り囲む。
雪の所為で少し足場は悪いが、連続ステップで落ち武者の攻撃を躱していく。
その隙に侍の男が刀スキル戦技を、破壊士の女が拳スキル戦技を放つ。
「桜花一閃!」
「爆拳!」
戦技である以上言葉は必要ないのだが、気合を入れるためなのか、タイミングを合わせるためなのか戦技を声に出して放つ。
戦技を声に出すの流行ってるのかな?
そんな場違いな事を思いながら俺も二刀流スキル戦技を放つ。
「流星連牙!」
侍の男の桜の花びらのエフェクトを纏いながらの一撃が。
破壊士の女が放つ爆発するほどの拳が。
俺の二連撃の上位版ともいえる光の軌跡を描きながらの左右の剣が。
それぞれが落ち武者に叩き込まれる。
だが、落ち武者は意にも返さずすぐさま反撃に出る。
落ち武者のHPバーを見ると1割ほどしか削れてなかった。
おいおい、魔術剣士である俺の攻撃はともかく、侍や破壊士の一撃でも1割しか削れないのかよ。どんだけ堅いんだよ、この落ち武者。
ステップで躱しつつ落ち武者から距離を取ると、後衛から矢と炎の槍の援護が飛んでくる。
だが、落ち武者は攻撃を食らったにもかかわらず、ダメージ無視で再び俺に突っ込んでくる。
いや、そんなにダメージが無いから突っ込んでくるのかもしれないが。
『五月雨!』
落ち武者の刀スキル戦技が俺に降りかかる。
五月雨は刀を縦斬りに振り下すのと同時に、左右の範囲に4つの斬撃が振り下され合計5つの斬撃が雨のように繰り出される、いわば剣スキル戦技・トライエッジの上位版ともいえる戦技だ。
再びバックステップで躱そうとするが、連続でのバックステップと雪での足場が悪いこともあって、後ろに下がることは出来なかった。
仕方なしに落ち武者の振り下される刀に併せて二刀流戦技スキル・十字受けを発動する。
受けたダメージを見て俺は愕然とする。
今の一撃で六芒星の盾やミスリル銀糸の服とドラゴンレザーの防具を着ているにも拘らず、HPの4割が削られていた。
ちょっ! なんだよこのユニークボス。硬いし攻撃力も段違いだし、下手すればそこら辺の26の王より強いんじゃないか?
俺は一旦距離を取ってからショートカットポーチからハイポーションを取り出し、HPを回復する。
「ありえないでしょ、この攻撃力に防御力」
「流石の剣の舞姫でもやばいのかな?」
同じく距離を取った破壊士の女が聞いてくる。
どういう訳か、落ち武者は追撃してくる様子はない。
「倒せないとは思わないけど、26の王並の強さね。そこら辺のPTで倒せるほど簡単じゃないわ」
「うへぇ、マジかよ。こりゃあ、とんでもないのに当たったな」
侍の男がうんざりした様子を見せる。
その時、後ろから聞こえていた回復の歌を歌っていた呪歌が途切れた。
「ごめん、もうMPが空っぽ。呪歌はこれで打ち止めよ」
ターナーと呼ばれていた吟遊詩人の女から声が上がる。
「他に回復できる人は居ないの?」
「ああ、回復手段はターナーの呪歌だけだ」
「・・・せめて回復職の1人でも入れるべきだったんじゃないのかな?」
「耳が痛いな。簡単な転職クエストだと思ったから、彼女だけで十分だと思ってたんだが・・・
こりゃあ、ちょっと見通しが甘かったかな」
ああ、やっぱり転職用の臨時PTなのか。
よく考えれば回復職から転職するような人はそういない。
必然的に転職用の臨時PTには回復職が加わる理由が無い。
俺はショートカットポーチからマジックエクストラポーションを5・6個取出しターナーに放り投げる。
「これ使って。それでしばらく持つはずよ」
「・・・! これ、マジックエクストラポーション!? こんなに!?」
「さすが剣の舞姫。気前がいいな」
「最高級品のマジックエクストラポーションをこんなにも・・・」
ターナー、魔術剣士の男、弓道士の女からそれぞれ声が上がる。
え? マジックエクストラポーションって高級品なのか? 暇つぶしで作っていたから結構な量を持っているんだが・・・
他の生産職の人と比べたことが無いから分からないが、もしかして俺の薬師スキル結構高いのか?
と、こんなやり取りをする時間があったりするのだが・・・
「・・・おかしいわね。何で追撃してこないのかな? 攻撃するチャンスはいくらでもあったと思うんだけど」
「ああ、攻撃力防御力は桁違いだけど、さっきから攻撃の合間合間に空白が出来るんだ。
それで何とかここまで耐えられたんだが・・・」
俺の呟きに、侍の男が答える。
なるほどね、何かしらの弱点も備えてるって訳か。
「ちょっといいかな?
多分だけど戦技を放った後に動きが止まるのよ。戦技の後の硬直時間が長いんじゃないかしら?」
弓道士の女から声が上がる。
そう言えば、さっきの五月雨の戦技から動きが無い。
よし、この隙を上手く使えば落ち武者の撃破は難しくないな。
「なるほどね。普通ならあり得ないけど、この落ち武者特有の『呪い』なのかもね」
破壊士の女の言葉に何のことかと思い、落ち武者のHPバーの上の名前を見てみると、『呪われし落ち武者』と表示されていた。
ああ、ただの落ち武者じゃなくて呪いが掛かっているのか。
強さの呪いと引き換えに技後硬直の呪いを受けているんだろうか。
「落ち武者の攻撃力は厄介だけど、戦技後の隙をついて一気に大ダメージを与えるわよ。
それまで出来るだけ防御に専念して頂戴」
「了解」
「分かったわ」
前衛の2人は俺の作戦に同意する。
というか、いつの間にかPTのリーダーっぽいことをしてるけど良いんだろうか?
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
『桜花乱舞!』
落ち武者の乱撃が俺達を襲う。
侍の男と破壊士の女は防御を固め、俺は左右の剣で出来るだけ斬撃を弾きながら躱していく。
前衛の2人は吟遊詩人の回復の呪歌でダメージを受けながらも少しずつ回復をしていく。
俺は彼らのPTではないので、呪歌の恩恵が受けれない。なので、一旦下がってショートカットポーチからエクストラポーションを取出しHPを全快する。
戦技直後の硬直を狙って前衛2人がすかさず攻撃をする。
「桜花乱舞!」
「螺旋拳!」
侍の男はお返しとばかりに落ち武者と同じ桜花乱舞を。
破壊士の女は貫通力のある拳撃を。
「スパイラルアロー!」
「ストーンジャベリン!」
後衛からも援護が飛び、落ち武者のHPを削っていく。
当然俺も落ち武者の動けない隙を狙って魔法剣を叩き込む。
放つのはオリジナルスキルの炎と雷の二天六爪閃。
「ファイヤージャベリン・トリプルブースト!
サンダージャベリン・トリプルブースト!
――二天六爪閃!!」
ズガァァァアァアァァアァアン!
動けない態勢で直撃を食らった落ち武者は10mも後方へ吹き飛ばされる。
俺は輪唱呪文の連発で呪文詠唱の速度もだいぶ上がったなぁ~と場違いな事を考えながらも残心の構えで落ち武者を見据える。
だがその心配もなく、残り2割ほど残っていたHPは0になっていた。
『おおおお・・・拙者は・・・死ぬのか・・・そうか、戦から解放されるのか・・・だが、拙者の呪いは消えぬ・・・我が恨みは永遠に残るのだ・・・』
なにやら意味深な言葉を残しながら、落ち武者は光の粒子となって消えていく。
「ぷはぁー! やっと勝ったー!」
「はぁ~、ああいうMOBは二度とごめんだね」
前衛2人はやっと一息つけたとばかりに座り込む。
「ありがと。剣の舞姫が来てくれなかったら全滅してたかも。おまけに貴重なPOTまで分けてくれて。助かったわ」
破壊士の女はお礼を言ってくる。
「いいわよ、MMO-RPGでは助け合いが基本でしょ?
ポーションも気にしなくていいわよ。自前で作ったアイテムだし。」
「それでもお礼は言わせてもらうよ。普通そう簡単には助けに入る奴なんていないからな。
ところで相談なんだが、俺達の臨時PTに入ってくれないか?
俺は前衛が足りない転職のためのPTの助っ人として入ったんだが、もう出てこないとは思うけど、ああいうのが相手だと流石にな」
「わたしも転職の為にこの山に来たからPTの誘いはありがたいわ。
でもそうすると、貴方は他の系統に転職するためにPTに入ってるんじゃないんだ」
どうやら、侍の男は転職のためPTを組んだのではなく、前衛を補うための助っ人だったようだ。
「ああ、と言うか、既に剣豪に転職済みだ。それでギルメンに頼まれて前衛を受けたんだが、流石に落ち武者は予想外だったな」
おお、既に特殊職に転職済みか。
剣豪は侍からの派生職でさらに攻撃力に特化した職業だ。ちなみに侍からのもう1つの派生職は武将で四属性魔法が使えるようになる職業だ。
「ちょ!? なんだこれ!? うおおい、ものすげぇ物がドロップしてるんですけど!?」
「うそ!? LEGENDARY ITEM!?」
「さすがLEGENDARY ITEMというか・・・あり得ない数字なんだけど」
どうやら後衛の3人は早速ドロップアイテムの検分を行っていたみたいだ。
「おい、お前ら。普通は助けてもらったお礼が先だろ。ドロップアイテムの配分は後にしろよ」
「あ、いえ、如月。言いたいことは分かるんだけど・・・さすがにこのアイテムを目にすると・・・」
如月と呼ばれた剣豪は、やれやれと言ってメニューを開きPT用のアイテムストレージを確認する。
モンスターの経験値やドロップアイテムはファーストアタックをしたプレイヤー又はPTに入るようになっている。
なので、途中から戦闘に参加した俺には経験値もアイテムも手に入れくことは出来ない。
如月もそう簡単に助っ人に入る人はいないと言っていたのは、自分にメリットが無いからだ。
彼らの言葉を聞くところによると、LEGENDARY級のアイテムを手に入れたみたいだが、PTでない俺にはどんなアイテムを手に入れたのかまでは分からない。
「すまんな、剣の舞姫。どうもこいつらマナーというものがなってなくて・・・って、妖刀村正ぁ!!?」
どうやら手に入れたLEGENDARY ITEMは、大抵のRPGで最強の一角を担うとされている妖刀村正だったみたいだ。
26の王並に強かったユニークボスだ。LEGENDARY ITEMのドロップも頷けるが、呪われた落ち武者と言うだけにドロップアイテムまでもが妖刀とは恐れ入った。
「よかったじゃない。おめでとう」
正直に言えばLEGENDARY ITEMを手に入れた彼らが羨ましくもある。
しかも俺も戦闘に手を貸したにもかかわらず一切のメリットが無ければ尚更だ。
だが、俺の賛辞の言葉にも反応がイマイチだった。
みんなは嬉しいような哀しいような微妙の表情をしていた。
「どうしたの? 伝説級の武器を手に入れたんだからもっと喜んでもいいじゃない」
「あー、確かに伝説級の武器を手に入れたのは嬉しいんだが・・・アビリティがなぁ・・・」
「なんか拙いアビリティなの?」
「アビリティの名前は『将軍家への呪い』。要は呪い3――カウンター呪の呪いが掛かった武器なんだよ」
呪い3――カウンター呪とは相手に与えたダメージの1割が自分に返ってくる異常状態だ。
それが只でさえ高い攻撃力の妖刀村正に付いているということは、使いこなせるプレイヤーは居ないということだ。
十振りもすればほとんど自分のHPが削れてしまうため常に回復が必要となり、下手をすればクリティカルが出ればHPの全損まであり得る。
そう言えば落ち武者の最後のセリフ『拙者の呪いは消えぬ』ってこの事かよ。
「それは確かにLEGENDARY ITEMでも使いづらいわね・・・でもまるっきり使えないわけじゃないんだし、要は使い方次第でしょ?」
「まぁ、それはそうなんだがなぁ」
「ねぇ、如月、ちょっといいかしら。
剣の舞姫は申し訳ないんだけどちょっと待っててもらえるかしら。」
弓道士の女が如月や他のメンバーを連れて何やら相談事を始める。
話し合いの最中に「いや、それは」「確かに」「勿体ないけど・・・」など声が聞こえるけど何を話しているんだろう?
話し合いが終わったのか、如月が代表して俺に話しかける。
「あー、剣の舞姫に助けてもらったお礼をしようってことになってな。
剣の舞姫が居たから勝てたようなものだし、一番ダメージを与えていたのもあんただしな。
それでこれはあんたが受け取るべきじゃないかって思ってな」
如月はそう言ってトレード申請をしてきて、そこに妖刀村正を載せる。
「は!?」
俺は思わず目を点にする。
いやいやいやいや、ありえないでしょ。たかが助っ人のお礼にLEGENDARY ITEMって。
確かに曲者アイテムだけどLEGENDARY ITEMだよ? そう簡単に手に入らないアイテムだよ?
「ちょっとまってよ。確かにお礼をしてくれるのは嬉しいけど、LEGENDARY ITEMだよ? いいの? そう簡単に手放して」
「ああ、さっきも言ったけど、あんたが手に入れたようなものだし、俺達にはこれは使いこなせないからな。あんたならうまく使ってくれるんだろう? 剣の舞姫」
おいおい、剣の舞姫だからって何でも問題が解決するわけじゃないんだけど。
「使いこなせなくても、売りに出してそのお金をみんなで分けるって方法もあるけど」
「おいおい、そんな勿体なことできるかよ。武器は使ってこそ花だろ?
俺達はあんたにこれを使ってもらいたいんだよ」
「何でみんなわたしに期待を寄せるのかなぁ。
まぁ、そこまで言うのならこれはありがたく頂きます」
妖刀村正
カテゴリー 剣、刀
攻撃力 1300
魔法攻撃力 1000
※LEGENDARY ITEM
※譲渡可能/売却不可/破棄不可
※アビリティ:将軍家への呪い(呪い3の状態になる)
流石はLEGENDARY ITEM。攻撃力、魔法攻撃力ともにはんぱねぇな。
俺はトレード画面の妖刀村正を選択して自分のアイテムストレージに移す。
その時アイテムストレージの奥に仕舞ってある、あのアイテムを思い出す。
「あ、もしかして村正を使いこなせる・・・?」
「「「「「は?」」」」」
俺の何気ない呟きに如月たちは呆気にとられる。
それはそうだろう。俺なら使いこなせるだろうと思い渡したら、いきなり出来ると言い出したら普通はびっくりする。
俺は始源竜の剣と飛翔竜の剣を外して、まずは妖刀村正を右の腰に装備する。
すると呪3のBuffが表示される。
このままでは攻撃をするたびに俺のHPも削れてしまう。
だが、もう1つのあの武器なら・・・
俺が取り出したのは、奥に仕舞いっぱなしで忘れていた月神様から頂いた、もう1つのLEGENDARY ITEM――月読の太刀だ。
月読の太刀
カテゴリー 剣、刀
攻撃力 1000
魔法攻撃力 1200
※LEGENDARY ITEM
※譲渡可能/売却不可/破棄不可
※アビリティ:月神の祝福(全ての呪いを無効にする)
月読の太刀のアビリティ『月神の祝福』は全ての呪いを無効にする。呪い1から呪い5まである5種類の呪いBuffを無効化する。
もちろん『将軍家への呪い』もだ。
俺は空いている左の腰に月読の太刀を装備する。
すると表示されていた呪い3のBuffが消える。
右には鞘から柄まで全身が赤黒で統一された禍々しい刀の妖刀村正。唯一鍔だけが赤紫だったが。
左には鍔が金色の全身白色の月読の太刀。
どちらもLEGENDARY ITEMの所為か萌えスキルの影響を受けずにそのままの姿で装備されていた。
「剣の舞姫、その刀は・・・?」
みんなが月読の太刀の美しさに目を奪われていたが、如月が辛うじて訪ねてくる。
「ああ、うん。ちょっと前に手に入れていたLEGENDARY ITEMなの。この刀は呪いをすべて無効化するから、これで村正の呪いは無くなったわ」
「ちょ! 何そのチート!!」
「呪いのない村正持ってたら無敵じゃねぇか!」
「LEGENDARY ITEMを2つって・・・」
「剣の舞姫の伝説にさらに拍車をかけるわね、これ」
「羨ましくなんかないぞ、羨ましくなんかないぞ、村正が使えるなんて羨ましくなんかないぞ・・・」
まぁ、普通はそんな反応をするよな。
只でさえLEGENDARY ITEMを2つ持ってる上に、最強武器ともいえる村正に、それに次ぐ攻撃力の月読の太刀。
はっきり言って無敵状態と言っても過言ではない。
ちなみに最後のセリフの「羨ましくなんかないぞ」は如月だ。剣豪であるが故に村正は使ってみたかったんだろう。呪いの為にしぶしぶ諦めたってところか。
「でも、よくよく考えたらこれって剣の舞姫だから装備できたんだよね。
二刀流を持ってるからこそ、村正に呪いを打ち消す刀の2本を装備できたんだし」
「そう言われればそうね。刀を2本もっていてもどちらも装備できなければ意味が無いしね。
そういう意味では村正は剣の舞姫が持つに相応しかったのかもね」
破壊士の女の言葉に弓道士の女が同意する。
「あーと、そう言えば話の途中だったけど、わたしも転職用のPTに入れて欲しいってことだったんだけど」
そう言いながら交渉をしていた如月を見ると、まだ落ち込んでいるのかぶつぶつ言っていた。
代わりに破壊士の女が受け答えてくれる。
「もちろん大歓迎よ! 最強武器を兼ね備えた剣の舞姫、これで断る方がどうかしてるわよ。
あたしは理里香。破壊士から聖騎士になる予定よ」
「俺はギャレオン。剣の舞姫のあんたには悪いが、俺には魔術剣士が合わなくてね。俺も聖騎士になる予定だ」
「あたしはリリーナ。不遇職の弓道士を何とかここまで育てて、やっと古式魔導師に転職する予定よ」
「あたしはターナー。こっちの落ち込んでるのが如月。あたし達はギルド『月夜の挽歌』のメンバーよ。転職の為にギルドから如月に助っ人に来てもらってね。
あたしは吟遊詩人から大司教に転職の予定よ」
PTメンバーはそれぞれ自己紹介をする。
うーん、やっぱり前衛の花形ともいえる騎士系や、回復の要の司祭系は人気だな。
「わたしはフェンリル。知っての通り剣の舞姫よ。
魔術剣士から戦巫女に転職する予定よ」
「「「「え!?」」」」
俺の転職の予定を告げると、みんなにあり得ないという顔をされてしまった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
雑談スレ10
334:アイザック
美刃さん、マジ天使。あの美しさに癒される
335:ジャックランタン
>>334 おお、分かる分かる
寡黙だが、そこがまた良いんだよなo(≧▽≦)o
336:PERSONA
おいおい、妹の鏡牙ちゃんを忘れてもらっちゃ困る
337:リングラット
そうそう、姉の美刃さんは無口だけど、妹の鏡牙ちゃんのあの笑顔は別格だね
338:アイザック
何言ってるんだよ。姉の存在あっての妹だろう
やっぱり美刃さんが1番だよ
339:名無しのごん子
何を言ってるの!? 無口の姉を影からフォローする妹!
その苦労を顔に出さず振りまくあのエンジェルスマイル!
鏡牙ちゃんが一番じゃないですか!!
340:嵐を呼ぶ旋風児
おい待てよ
末っ子の唯ちゃんを忘れちゃいないか?
2人の姉に追いつこうとするあの健気な努力・・・それを感じさせない優しい微笑み
341:ジャックランタン
>>340 唯ちゃんは只のスポーツ娘って感じの子だろ?
まだまだお子様じゃないか
342:嵐を呼ぶ旋風児
>>341 ああ? 何だよ、彼女の魅力が分からないのかよ
あんた見る目が無いな
343:ジャックランタン
>>343 おいおい、それはこっちのセリフだよ
美刃さんの魅力が分からないなんて可哀想だな
344:リングラット
どっちもどっち
鏡牙ちゃんの魅力が1番だろ
345:ジャッジメント
はっはっはっ
みんな何を言ってるんだ? 1番の魅力ある天使は舞姫に決まってるじゃないか
346:愚か者の晩餐
そうそう、あのロリフェイスから繰り出される笑顔
おまけに巨乳のロリボディ! 最高じゃないか!
347:アイザック
なにを! 美刃さんも推定Eカップもある巨乳だぞ!
どこぞの踊ってるだけのロリっ娘になんかに負けるかよ!
348:PERSONA
おいおい、大きければいいってもんじゃないだろ
要はバランスが大事なんだよ、バランスが
その点、鏡牙ちゃんはバランスの取れた抜群のスタイルをしてるぜ
349:嵐を呼ぶ旋風児
残念だな、巨乳ならこちらにもいるぜ
唯ちゃんは実はああ見えて隠れ巨乳だ
なんと、下着装備のさらしで巨乳を押さえているだ!
350:ジャックランタン
>>349 ちょwww 何でそんなことを知っている!?www
351:名無しのごん子
>>349 やだ! 女性の下着装備まで知ってるなんて気持ち悪っ
352:ジャッジメント
>>349 罪を告白するなら今の内だぞー
353:嵐を呼ぶ旋風児
ちょっ、俺は何もやってねぇよ!
さらしの事も唯ちゃんから聞いたんだよ!
354:ジャッジメント
いやでも、それここで言う事じゃないだろ
355:名無しのごん子
実はそれ、無理やりセクハラで聞きだしたんじゃないの?
356:アイザック
うーむ、流石にこれは擁護できないぞ
357:嵐を呼ぶ旋風児
うぉおおい! 俺は無実だ! 弁護士を求!
358:邪気癌
おっぱいと聞いて参上!
359:PERSONA
>>358 あんたは呼んでねぇ!www
これ以上話をややこやしくするな!!www




