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Angel In Online  作者: 一狼
第6章 特殊職
28/84

26.特殊職と転職クエスト

主人公、ヒロインと再会する

主人公、『リザードの王』と対峙する

主人公、舞姫親衛隊のPKに遭う

主人公、弓道士と2人のメンバーを加えて『リザードの王』に再挑戦する

主人公、戦争イベントによりギルド連合会議に出席する

主人公、ギルド『軍』の一部の膿と対峙する

主人公、セントラル王の部下を撃破する

主人公、セントラル王『王の中の王』を撃破する

                       ・・・now loading


9月5日 ――36日目――


 あの戦争イベントから1週間が経った。


 王都セントラルでは元プレミアム王国との戦争の最中、突然の国王の交代に国民が驚いていたが、今では、戦争の停戦交渉、その後の元プレミアム王国との友好的交流など、他国との和平に向けて精力的に政治を行うカイ新国王に国民が支持していた。



 そして俺はと言うと、あの時の戦闘で燃え尽き症候群になったのか、又は鳴沢の突然の離脱にショックを受けたのか、それとも7騎士の怠惰のナナケリウスの呪いでも受けたのか、ちっともやる気が起きずアーデリカの宿で1週間もグータラと引きこもって・・・いや怠けていた。


 怠けていたといっても、あくまで戦闘が面倒くさくなっただけで、運よく露店で購入することが出来た複数のレシピと材料でで暇つぶしに生産スキルの薬師でひたすらポーションの調合を行っていた。

 ついでにレシピに必要な錬金術スキル等も覚えてちまちま生産してLvを上げる。

 その結果、見事ハイポーションや上級薬であるエクストラポーションとエクストラマジックポーションの作成に成功していた。

 あとは成功率を上げるため、ひたすらポチポチ作成ボタンを押していった。

 エクストラポーション以外にもキュアポイズンポーション、キュアパラライズポーション、キュアストーンポーションなどを作っていた。

 この前の戦いでは異常状態のBuffが厄介だったのが身に染みていたので、その対策の為用意しておこうと思ったのだ。他の人から見れば「そんなの準備してて当たり前だ」と言われそうだが。

 肝心のステータス呪等の呪いの解除はポーション等アイテムでは存在せず、魔法での解除しかできないみたいだ。残念。


 『王の中の王』の王の証は鳴沢に渡してあるが、あの時はみんなが急にPTを離脱したので『王の中の王』のドロップアイテムがPTリーダーである俺のアイテムストレージに残ってたりする。

 ドロップアイテムは朱雀の長剣のレシピ、青竜の槍のレシピ、白虎の双剣のレシピ、玄武の戦斧のレシピの4つのユニークレシピだ。

 ただし、素材はどのレシピも共通していて素材はどれも1つ分しかない。

 つまり、4つのレシピ中からどれか1つしか作れないということだ。


 俺の戦闘スタイルに合わせるなら白虎の双剣なのだろうが、これはみんなで戦って取ったドロップアイテムだ。

 なので、今度みんなで再会した時の為に寄せておくことにした。


 あとは、初心者広場にある石碑の確認もしに行ったりしていた。

 ・・・外に出て行ってるから引きこもりじゃないんだよ?


王の刻印   王名      王の証所持者

 A

 B

 C    Crescent     フェンリル〈ソロ〉

 D    Death

 E    Engage

 F    Forest      月牙美刃〈ギルド〉

 G    Gold       GG〈ギルド〉

 H    Hell

 I    Invisible

 J    Junk

 K    Kingdom     ベルザ〈PT〉

 L    Lovers

 M    Mirage

 N    Night

 O    Ocean

 P    Pandora

 Q    Queen      カンザキ〈PT〉

 R    Round

 S    Start       フェンリル〈ソロ〉

 T    Tororo       ヴァイオレット〈PT〉

 U    Undead

 V    Vortex       ローズマリー〈PT〉

 W    World

 X    X

 Y    Yell

 Z    Zodiac


 ぼちぼち俺の関わり以外の王の攻略者が出てきたなぁ。

 『オークの女王・Queen』と『深緑の王・Forest』の攻略ギルドは優秀なギルドと聞いている。今後の活躍に期待できそうだ。

 『黄金の王・Gold』は2日前に、戦争イベントでのギルド連合にも参加していたギルド『GGG(スリージー)』が攻略した。

 ギルマスのGGも豪鬼の二つ名を持つ程の人物だ。彼らのギルドが王を攻略するのは必然だろう。

 ちなみに、『黄金の王』のドロップ品は王の証と換金用の金の延べ棒のみだそうだ。

 ただ数が尋常じゃないらしく、ギルドの資産は桁外れになったそうだ。


 GG達のように、どんどん優秀なギルドが出来てきているので26の王の攻略もだいぶ進むだろう。

 今は『十二星座の王・Zodiac』・『恋愛の女王・Lovers』・『幻影の王・Mirage』等が攻略の真っ最中だ。

『廃棄の王・Junk』は・・・経験値稼ぎの為しばらく攻略されることはなさそうだが。

 ちなみに『リザードの王・Invisible』は未だに攻略されてない。あの透明化が厄介みたいだ。あと俺の予想では『リザードの王』のAIの進化も攻略の難しさを物語ってると思う。


 そんな訳で、1週間も怠けて飽きてきたのでそろそろ再び26の王の攻略に向かおうとしますか。




◇ ◆ ◇ ◆ ◇


 とは言っても、1週間も怠けてれば体は硬くなってるだろうし、戦闘の感も錆びついてる事だろう。

 俺はリハビリを兼ねて魔の荒野に来ている。


「アイシクルランス!」


 俺の放った氷の槍は、3匹のキマイラの内の1匹に突き刺さり光となって消滅する。

 残りの2匹は俺を左右から挟み込むように突進してくる。

 俺はそれをステップで躱すが、どうも完全には躱しきれなかったみたいでHPがいくばくか削れる。

 俺はダメージを無視し強引に右側のキマイラに剣舞(ソードダンス)をお見舞いする。

 キマイラを瀕死に追い込んだところで、魔法剣を叩き込む。


「サンダーブラスト!」


 雷属性の空間一点発動型魔法を帯びた剣は、攻撃すると同時に弾けキマイラは消滅する。

 HPを見ると大分削られていた。さっきの剣舞(ソードダンス)でも躱しきれていなかった部分が多くダメージを受けていたみたいだ。


「ベル! 回復をおね・・が・・ぃ・・」


 って、鳴沢はもういないじゃん!

 つい今までの癖で思わず居もしない鳴沢に回復を頼んでしまう。

 慌ててショートカットポーチからハイポーションを取出し回復する。


 どうもこの1週間の怠けていた影響は大きかったようだ。

 1週間グータラしていたせいで体は思うように動かないし、多少ダメージを受けても鳴沢が回復すると思い無謀に突っ込んでいく癖が抜けていない。


 俺の思考を余所に、キマイラはお構いなく左右の爪を揮う。

 俺は勘を取り戻すため、感覚を研ぎ澄ませキマイラの攻撃に集中する。

 まずはステップの感覚を取り戻す。

 ついでに『王の中の王』で身に着けた流水剣舞ラーニングソードダンスも練習しておこう。




 半日ほど時間をかけて戦闘の感覚を取り戻し、一度アーデリカの宿に戻る。


 うーむ、どうやら今後は回復魔法が必要みたいだ。

 戦闘の感は取り戻したものの、今まで通りポーション等で要所要所回復をしていたが、魔法での回復に慣れてしまっていたみたいだ。

 ショートカットポーチがあるとはいえ、アイテムを取り出して回復するという行為にわずらわしさを感じてしまうのだ。


 今後のスタイルとしては、今まで通り魔法と剣舞(ソードダンス)と魔法剣で攻撃しつつ、魔法とアイテムで回復と言う形になるだろう。

 そうなると治癒魔法スキルが必要なのだが、あのスキルはべらぼうに高い。

 NPC店でもそうだが、露店でも高い。

 まぁ、回復の要であり自分たちの命綱でもあるスキルなのだ。高くて当たり前だ。


 とはいえ、回復魔法スキルは必須なので次善の策を取る。

 今の累計Lvは50ちょうど。『王の中の王』等との戦闘でいつの間にかLvが上がっていたらしい。

 なので、次の『転職』条件のLv50に達しているの、で回復魔法スキルのある職業に転職することにした。


 上級職の上の職業の『特殊職』。

 これは文字通り特殊で、上級職のどの職業からでも特殊職に『転職』出来てしまうのだ。

 例えば、俺は今魔術剣士(マジックソード)だが、普通に転職するのであれば王都の魔術師協会の転職NPCのミリアムさんに竜術剣士(ドラゴンソード)魔術戦士(マジックウォーリア)にお願いをする。

 だが、他の転職NPCにお願いをし、特殊クエストをクリアすると魔術師(ソーサラー)系ではなく、全く別の戦士(ファイター)系や僧侶(プリースト)系に転職することが出来るのだ。


 もちろん、俺の次の転職は回復魔法スキルのある僧侶(プリースト)系だ。

 僧侶(プリースト)系には、司祭(クレリック)からの派生の大司教(アークビショップ)武装法師(アーマービショップ)神主(カンヌシ)巫女(ミコ)からの派生として刀神主(カタナカンヌシ)戦巫女(イクサミコ)大宮司(ダイグウジ)神楽巫女(カグラミコ)の4つがある。


 大司教(アークビショップ)は回復のスペシャリスト。

 武装法師(アーマービショップ)は接近戦もこなせる回復職。

 刀神主(カタナカンヌシ)戦巫女(イクサミコ)は接近戦・攻撃魔法・回復魔法を全てこなせるオールラウンダー。

 大宮司(ダイグウジ)神楽巫女(カグラミコ)は回復力を強化しつつ攻撃魔法も使える回復職。

 ちなみに神主・巫女系は男女で職の呼び方が変わってくる。


 こうして見比べると、俺が選ぶのは戦巫女(イクサミコ)一択だ。

 なんか俺のために用意した職業ではないかと思ってしまう。


 上級職の時と同じように特殊職に転職するとLv1になる。もちろんレベル補正は+50となっているので累計Lvは51からと言うことになる。


 そうと決まれば、早速転職の為に東和都市に向かう準備をする。

 西のウエストシティが西洋系の都市とすれば、東の東和都市は和風の造りをしている都市だ。

 なので、和風である神主・巫女系の転職NPCも東和都市にいるのだ。


 東和都市は王都から徒歩で1日の距離だ。騎獣では約半日。

 俺はまだ東和都市に行ったことが無いため、転移門からの移動方法が使えない。

 仕方ないのでここは地道に道を切り開くとし、自騎獣のドラグルー(スノウ)を呼び出しロック平原のモンスターを無視して東和都市を目指して突き進む。




◇ ◆ ◇ ◆ ◇


 先ほども言ったが東和都市の造りは和風、つまり江戸風なのだ。

 なので、建物も木製の宿や店が立ち並んでいる。

 もちろんNPCも着物を着た人だらけだ。


 町並みとしては王都セントラルを模したような造りとなっていた。

 中央には城を思わせる大きな建物に、北の通りはNPC店が、東の通りは職人の店が、西の通りは宿屋が、南の通りは大きな広場が。

 王都では神殿があったと思われる場所に東和都市では神社があった。


 東和都市に着いたのは夕暮れ時だったが、俺は早速神社に向かい転職NPCを探す。


「すみませーん、戦巫女(イクサミコ)に転職したいんですけど」


 対応したのは黒髪の巫女服を着た女性だった。


「あら、戦巫女(イクサミコ)に転職なんて変わったお方ですね」


「え? 巫女職って人気あるんじゃないんですか?」


 そう、どのゲームでもそうだが侍、忍者、巫女等は人気があったりする。

 当然AI-On(アイオン)でも人気が高い。


「ええ、巫女は人気があるけど、その上の特殊職となると戦巫女(イクサミコ)より神楽巫女(カグラミコ)の方が人気あるわね」


 巫女職で接近戦をする方が特殊なのだと、付け加える。


「まぁ、言われてみればそうですね。巫女職は薙刀を持ってるイメージが強いですけど、実際は後衛職ですからね。今まで後衛で魔法を唱えていて、いきなり前に出て戦う女子ってそういないですからね」


「ふふ、そういうこと。貴女のように勇ましい女性と言うのはなかなか居ないからね」


 いや、でもゲームなのだからもっと勇ましい女性が居てもいいと思うのだが。

 それとも戦巫女(イクサミコ)職そのものに何か欠点でもあるのだろうか?


「私は転職担当の綾女よ。

 貴方は見たところ魔術師(ソーサラー)職のようだけど、戦巫女(イクサミコ)に転職するなら転職クエストを受ける必要があるわよ」


「あ、はい。転職クエストって白霊山の白竜を倒してくるんですよね」


「あら、転職クエストのことが分かってるなら話が早いわね。

 ただ、白竜を倒してくるのではなく、白竜の鱗を手に入れてくるのが転職クエストね。

 白竜は別名転生竜と呼ばれてて、その鱗は転職の系統を変えるのに役に立つのよ」


 なるほどね、白竜の鱗が『転職』に必要なアイテムか。

 道理でどの職を選んでも転職クエストはみんな一緒なわけだ。

 メニューを開いてみると特殊クエストとして『白竜の鱗を入手せよ』と表示されていた。


 俺は綾女さんと別れて、今日の止まる宿を探す。

 東和都市での転移門の登録は住んでいるので、王都のアーデリカの宿に戻ってもいいが、折角来た和風都市なので今日はここで宿を取ることにする。




◇ ◆ ◇ ◆ ◇



 俺が取った宿の名前は『白竜の宿木亭』だ。

 転職クエストの討伐目標が白竜と言うことで、それにちなんだ名前の宿をチョイスしたのだ。

 というか、名前にいちゃもんをつけてもしょうがないが、竜が止まる宿木ってどんな木だと突っ込みたい。


「すいませーん、1泊したいんですけど」


「はい、いらっしゃい。1泊ですね。200ゴルドになります」


 対応してきたのは、長い黒髪の二十歳くらいの美人のお姉さんだった。

 俺は200ゴルドを払い、部屋の鍵を受け取る。


「早速お食事になさいますか?」


「あ、はい、そうですね。こんな時間ですし、お腹がすいたのでお願いします」


 転職クエストを受けに行ったり、移動に時間を取られたりしていて、夕食の時間はとっくに過ぎてたりする。

 俺の他にも複数のお客が居て夕食を取っていて、俺の方をチラチラ見たりしていた。

 ここら近辺を狩場としているプレイヤー達だろう。侍や巫女や忍者が大多数で、この町に自然と溶け込んでいる。

 むしろ魔法少女の格好をしている俺の方がこの場に合っていないので、おかしく見えるのだろう。


「お客さん、変わった格好をしていますね。そんな恰好この辺ではあまり見かけませんよ?」


 美人のお姉さんは俺の前に夕食を持ってきて、俺の格好に興味を示す。


「あはは、わたしの格好はちょっと特殊なんですよ。まぁ、この後巫女職に転職するんでこの恰好とはおさらばですけど」


 そう、回復職への転職は魔法少女の格好を変える目的の1つでもある。

 今現在魔術師(ソーサラー)系の職に就いてる影響で、萌えスキルで魔法少女になっている。

 だったら、戦巫女(イクサミコ)に転職すれば、見た目も巫女さんになるはず。


「あら、お客さん転職するんですか? でしたら転職クエストを受けたのではありませんか?」


「はい、白竜の鱗を持ち帰るクエストを受けましたね。

 まぁ、その白竜関係でこの宿を選んだのですけど」


「あら、ありがとうございます。

 白竜討伐の転職クエストを受けたのなら、白竜の肉も取ってきてくださいませんか? もし取ってきてくださるのでしたら、白竜の肉を用いて文字通り生まれ変わるような料理を差し上げますわ」


 生まれ変わる料理ってなんだよ。それほどうまい料理ってことだろうけど。

 まぁ、クエスト目標は同じだから構わないんだけどね。


「ええ、いいですよ」


「ふふ、それじゃあ白竜の肉、楽しみに待ってますね」


 メニューを開いてみればクエスト欄に『白竜の肉を入手せよ』と表示されえていた。

 美人のお姉さんが他のお客の対応に向かい、俺は目の前の夕食を早速いただく。

 うむ、旨い。

 アーデリカの料理と比べると味は落ちるが、彼女の料理方法は特殊なので比べる方が間違っているのだが。

 それを差し引いてもここの料理は旨かった。これはクエスト報酬の生まれ変わる料理は期待できそうだ。




9月6日 ――37日目――


 俺は転移門から王都に移動し、北門からスノウに乗って白霊山に向かう。

 白霊山は雪山だ。

 ゲーム的ペナルティは無いが、VRであるため体感的に寒さを感じるようになっている。

 当然、普段の装備のままだと体の反応が鈍くなり、戦闘にも影響が出てくる。

 寒さの対応としては服装備を耐寒のアビリティを付いた服を着るか、アクセサリー装備としてマントを羽織るか、体を温めるホットポーションを飲むかだ。


 俺はホットポーションを飲んで寒さを凌ぐことにする。

 ホットポーションの効果は30分毎なので結構出費がデカかったりするのだが、耐寒用の服装備や、マントは用意できなかったので仕方がない。

 しかし、このホットポーション、まんまモ○ハンだな。


 白竜は頂上付近に群れで巣を作っており、複数の竜が活動しているという。

 俺は頂上を目指してスノウを駆るが、辺り一面吹雪の為自分がどこにいるのかが分からなくなっていた。


 ・・・そう、遭難してしまっていた。


 大体6合目付近にまで来た感覚はあるのだが、何分(なにぶん)この山は広かったりする上、白霊山に上るのは冒険者くらいなので、登山ルートとかは存在しない。


「まずいなぁ~。このままだとホットポーションの経費が跳ね上がるな。

 一旦下山するか? と言うか、何で俺は1人で山に登ってるんだろうか? 普通山登りってのは複数の人数で上るものじゃなかったっけ?」


 このままだとらちが明かず、一度下山しようかと考えた時、遠くで剣戟の音が聞こえてきた。

 スノウを近くまで走らせると、5人のPTが落ち武者に襲われていた。

 5対1なので、さほど苦労はなさそうに思ったが、よく見ると落ち武者に一方的にやられていた。


「ぐぁ! くそっ! こいつかてぇ!」


「攻撃力もハンパないよ!」


「ちょっと! このままじゃMPが持たないわよ!」


『ぐおおおおおおおお! 拙者は死なぬ! 必ず生き延びて見せる! 邪魔するものは容赦せんぞ!!』


 そう言えばここに来る前に掲示板等で転職の情報を調べたら、白霊山には桁外れの強さを持つ落ち武者のユニークボスが居るって言ってたっけ。

 今襲われてるPTも白霊山にいるということは、多分転職関係なのだろう。

 つまり累計Lv50PTをも軽く凌ぐほどのユニークボスと言うわけだ。


 俺はスノウから降りてフィールドに帰し、助っ人の準備に入る。

 ここは王と対峙するつもりで六芒星の盾(ヘキサシールド)四重加体強化(フォルスブースト)を唱えてから乱入する。


剣の舞姫(ソードダンサー)フェンリル、助太刀するよ!」




◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


スキルに関するスレ9


634:DOGS

 おい! 生き返りの魔法スキルが発見されたぞ!


635:XYZ

 >>634 mjd!?


636:アイドルリマスター

 >>634 kwsk!


637:究極の遊び人

 あー水を差すようで悪いが、それってデスゲーム前の設定の蘇生魔法じゃね?


638:DOGS

 ふふふ、ところがどっこい

 このデスゲームでも通用する蘇生魔法スキルなのだ!( ・`ω・´)


639:ヴァルハラ

 おおw 期待age


640:究極の遊び人

 それがマジだったら革命的スキルだな


641:DOGS

 蘇生魔法スキルには取りあえず2つの魔法が使える

 1つはプリザベイション

 これはHPが0になっても即死亡扱いではなく、HP0の幽霊状態に留めておく魔法

 効果は24時間のBuffが付く

 2つ目はリザレクション

 プリザベイションのHP0状態から蘇生する魔法


642:独眼竜

 マジか!? すげー!! その魔法があれば死者がだいぶ減るぜ!


643:朝比奈さん

 凄いね。その魔法スキルがあれば攻略の幅も広がるね


644:究極の遊び人

 あー何度も水を差すようで悪いが、それってマジに効果があるの?

 実はやってみたけどHPが0になった途端死んじゃいました

 リザレクションを掛けてもHPが回復しただけで意識が戻りませんでしたってことにならないかな?


645:DOGS

 No Problem!!

 それはもう実際試しました!!!

 プリザベイションもリザレクションもどっちもばっちり効果あり!!><b


646:はぐれてないメタル

 おおおおおおおおおおおおおお!!!!!


647:ヴァルハラ

 勇者だ! 勇者がおる!!


648:究極の遊び人

 おおお、実際の成功例があるのなら信憑性もばっちりだな


649:DOGS

 うちのPTに大司教に転職した奴がいて、蘇生魔法スキルを覚えたんだ

 いくら生き返るからと言って実際に試すのは怖くてね

 取りあえずプリザベイションを掛けながら戦闘をしていたんだが、昨日死んでしまってね(俺死亡)

 で、慌ててリザレクションを掛けてもらって、見事 復☆活☆


650:XYZ

 ふむ、大司教の職スキルなのか


651:DOGS

 あ、ちなみに蘇生魔法スキルを持っているのは大司教と死霊術師だけみたいだね


652:朝比奈さん

 死霊術師ってどの職の派生だっけ?


653:究極の遊び人

 確か従魔師からの派生だよ


654:はぐれてないメタル

 テイマーからの派生か

 死霊術師なんて敬遠されがちの職業だけど、これって人気出るんじゃね?


655:DOGS

 だね。特殊職はレアスキル持ちが結構あるから大司教と死霊術師はそのうちの1つだね


656:究極の遊び人

 あー、俺が覚えてるのでは海賊とか魔動機術師に銃スキルなんてのがあったな


657:アイドルリマスター

 他にも探せば結構色んなレアスキル持ちの職業がありそうだな




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