外伝 4
ふと気づくと寝落ちしていたらしい。
スリープ状態に入ったPCを起動させると寝落ち前の画面が現れた。
そこには貧相な日本ツリー・・・・・・が?
「は?」
そこには随分と豪勢になった日本ツリーが存在している。
これまであった中戦車、重戦車に加えて自走砲や軽戦車まで存在する。
ただ、重戦車は架空戦車なのでどうでも良いとして、中戦車がオカシイ。
戦後戦車が61式戦車なのはまあ、当然だが、61式とその改良型、74式が消えて87式とかいう戦車に置き換わっている。どういう事?
軽戦車を見ると、夢を見ているとしか思えない。
「これ、夢に出てきた奴じゃないか」
そう、夢で見たT92モドキやHSTV-L風だ。T92モドキは試作車らしくSKS1という名称だ。HSTV-L風は74式機動戦闘車と名付けられている。
さらに、その次も存在しており10式重機動戦闘車というらしい。
解説を読んでみると、T92モドキや74式はちょうど夢で開発に関わったソレだった。
戦車の名称が付いていないのは、機甲科における偵察車両としてだけでなく歩兵科の対戦車、火力支援車両としても配備されるからとの事。
74式は姿勢制御の無い油気圧式サスペンションが採用され、主砲に50口径90ミリ砲。装甲にはグラスファイバーやゴムの積層材が追加装甲として用いられている。
重量はちゃんと25トンに抑えている様だ。
さて、10式って?と見てみると、鉄道輸送を前提にした74式では防御力や火力強化が限界だったらしく、新しい時代の装甲車両ファミリーの一つとして作られたらしい。
車体が大型化して主砲には61式と同じ60口径90ミリ砲が搭載され、主力戦車ほどではないがセラミック装甲や改良型積層装甲によって防御力も高いという。
そして、サーマルサイトや全周監視サイトの採用で砲塔乗員の搭乗位置が低く抑えられた結果、こちらの方がT92のような形になっている。それでも90ミリ砲であることから、砲だけが車体に背負われたMGSほど特異な形にはなっていない。
中戦車についてみてみると、やはり105ミリ砲が採用されることは無かったらしい。61式を改良して、機動戦闘車と同じ積層装甲を追加装備し、サーマルサイトなどの改良を施したモノが冷戦末期まで使われ、87式戦車というモノが制式化されている。
87式戦車は90式より重く56トンある。装甲も主装甲の外装に中空、積層装甲を取り付けた元の世界の10式戦車を大型化したような戦車だ。
採用されている主砲は国産の54口径120ミリ砲。ようやく西側世界の戦車砲と同じ砲弾が使えるようになった。
自走砲はと言うと、夢の通りに射程24kmを実現するために当時としては長砲身な38口径155ミリ砲が採用されたが、生産が始まるとソ連の130ミリカノン砲が28km近い射程を持つことからすぐさま射程延長のために長砲身型が開発され45口径となっている。
南樺太で直接対峙するだけに、この世界の日本は神経質だ。戦車が重量化しているのもそのためだろう。
45口径砲ならそのまま21世紀でも使えると思うのだが、誘導砲弾への対処に限界がある事から余裕のある10式重機動戦闘車の車体を用いて11式自走榴弾砲が開発されている。何を気が狂ったのか60口径砲を採用している。モガミン砲か?
ただし、牽引砲に関してはFH70が採用されず、国産38口径砲が運用されている様だ。そして、昨今、米国に倣って軽量型牽引砲が開発されて、16式榴弾砲となっている。重量はM777同様に5トン程度しかない。
ツリーにはさらに装輪式装甲車もあり、12式機動戦闘車というらしい。基本的に10式と同じシステムを積んだ車両で、違いは戦車に準じた重装甲の10式とは違い、機動性を重視している事だろう。
10式は全備重量40トンと前の世界の10式戦車並みだし、11式自走榴弾砲は55トンもある。
対して装輪型では26トンに抑えて、74式並の運用性を確保しているらしい。
と云うのも、10式は87式戦車が重すぎる事から本州における61式戦車の代替として配備され、12式は装輪装甲車ファミリーとしてストライカー部隊のような緊急展開部隊として沖縄や千島への配備がされているらしい。
諸々調べたついでにゲームしてみたが、草木による偽装が施せる仕様らしく、戦場次第では楽しく使えるようになった。砂漠では横並びなのは仕方がない。
SKS1や74式は同時代の主力戦車を撃破可能な主砲なのでとても面白い。偽装を施して目前まで進出して偵察。いざとなれば狙撃して味方の掩護も容易だ。
10式はさすがに主力戦車とガチで撃ち合える防御力は無かったが、擬装能力と主砲威力、主力戦車以外の砲弾に対する防御力は万全という、単に軽いだけの主力戦車だった。
「どうじゃ?なかなか面白くなったじゃろ」
一通りゲームに満足したところで爺様が画面に現れた。
確かに満足だな。
「それは良かった」
しかし、全く別世界に来てしまっていないか?大丈夫なんだろうな本当に。
「問題ない。その様に調整しておいた。要望通りにな」
夢を見たはずが現実になったという異常事態になぜこうも自分が冷静なのか謎だが、まあ、爺様がそう言うならそうなんだろう。
「友也、いつまで遊んでるんだ?さっさと仕事しろ」
部屋のドアが開いたかと思うと美女がそこに居た。すっげー格好いい人が。
「ほら、ボケっとするな」
美女が俺を立たせた部屋から連れ出そうとする。
信じられるか?今知った記憶だと、この美女が俺の嫁らしい。扱いが夫というより弟や息子なんだが、それも仕方が無いだろう、5人姉弟の長女で4人の妹弟を育てたオカンだもの。
ここは彼女の実家であり、キノコ農家。正月であってもどうやら仕事はあるらしく、これから戦車ではないが、クローラ式のショベルで苗床になる木くずを運ばなきゃいけないらしい。
初夢なので短時間で一気にかっ飛ばしています。




