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ThorPhantomOnline~防御力には自信があるネクロマンサーです~  作者: 存在感皆無な人
〜ThorPhantomOnline〜
71/72

必要経費

えー、大変お待たせしました。おじいさんはちょっと、いや、かなりモチベを失いましてしばらく投稿出来ていませんでした。

恐らく、次の投稿も月を跨ぎそうですが。こんな鈍足作品で良ければ見てやってください。

顔を合わせて笑っていたアキとミザリィは目配せをすると、アキ弾かれるように魔物の軍勢へと走り出し、ミザリィはその場で大技を放つ為のエネルギーを溜め始めた。


「おらボケ共こっち向けや!『タウント』!」


軍勢の目の前に立ったアキは、タウントで魔物達からのヘイトを稼ぐとアイテムボックスから盟友の盾━アキが勝手に名付けた━

を取り出した。


「そんで米国何某の如くシュート!」


ミザリィの剣があれだけ強いんだ、それと一緒に出てきたこれも強いはず!


━━カーン


アキのそんな期待を易々と裏切った盾は魔物に弾かれると、ミザリィの足元へと転がって行った。


「うっそじゃん。」


期待していた斜め下の結果にアキが固まっていると、盾を投げつけられた巨人型魔物が振りかぶった棍棒をアキ目掛けて振り下ろした。


それを大盾で受け流したアキは、脇を抜けようとした魔物に向け『タウント』を放った。


「イ"イ"イ"イ"!!」


『タウント』により強制的にアキに向けられたゴブリンは、石槍を前に構えながら甲高い声を上げながらアキへ突進した。


「盾に槍は不利だろ、ほいそらよ」


ヘラヘラと笑いながらゴブリンの槍を軽く弾くと、体勢を崩したゴブリンに大盾を前にしてタックルをかます。

それによって、ゴブリンの身体の所々から骨の折れる音が鳴る。


「これは貰ってくぜ、使えるかわからんが。」


そう言うとアキは、ゴブリンの槍を奪い取り大盾と槍を構える。


「重装歩兵!なんてね、槍なら俺でも扱えるだろ。」


そう呟くと大盾から顔をのぞかせながら槍を巨人型魔物に突き立てようと突き出すが━━



━━その槍は魔物にかすり傷しか残すことは出来なかった。


「やっぱり盾以外駄目だな。ジョブとかなくてもPSで何とかなるとか聞いたんだが、俺にはPSが無いみたいだな。」


乾いた笑いと共に槍を捨てたアキは、大盾を握り締め接近していた巨人の拳に合わせて振り抜いた。


その瞬間、アキの胴体と同等の大きさを誇る拳が弾かれ、アキの真横を通り過ぎた。


通り過ぎた拳はその勢いを緩めることは無く、そこにいた魔物達をなぎ払った。


「ひゅぅ、流石の巨体、軽く突っ込んだだけでこれか。」


予想以上の威力に内心冷や汗をかきながら軽口を叩いたアキは、巨人の脇をぬけもう一度タウントを使い、周りを取り囲む魔物達のヘイトを一身に集めた。


「ミザリィ、後どのくらいだ!」

「ううん、後もう少しだけ待って!連続してやってるから集まりが悪いかなぁ……」

「大丈夫、時間ならいくらでも稼げる!」


申し訳なさそうにとんでもないエネルギーを剣に集めるミザリィに、アキは敵の攻撃を捌きながら自信満々に答えた。


……と、自信満々に答えたはいいが、如何せん攻撃力が足りないから倒せないんよねぇ。


『ちょーっと待ったァ!』


アキの心の声に何者かが割り込んで来る。


その聞き覚えのある声━と言うより念━に、アキは焦りを覚えた。


『このほね太郎、我が主の危機に参上致しました!』

「馬鹿野郎!」


━━ガン!


呼び出してもいないゲートからほね太郎が意気揚々と出てくると、アキはそのほね太郎の頭蓋骨に拳を振り下ろした。


「こちとら魔力切れかなんかのせいで倒れないようにしてたのに何勝手に消費して出てきてんだ!」

『えぇぇ……』

「まぁいいや、結果的に倒れなかったから良い。出てきたからにはそれなりの仕事してもらうぞ?」

『ええ!』


ほね太郎の威勢の良い返事に、アキは先行して魔物達に突っ込んで行く。


「攻撃は全部任せた!」

『お任せを!』


アキの前に並んだ魔物達が次々と攻撃を繰り出し、それをアキは大盾で逸らし、弾き、蹴りを入れ無理矢理全ての攻撃を防ぐ。


そして攻撃を防がれバランスを崩した魔物達に、ほね太郎の的確に急所を狙った一撃が次々と入れられていく。


腹や、肺、アキレス腱等を負傷した魔物達は、戦闘力が格段に落ち、先程よりも余裕を持って時間を稼ぐことが出来ていた。


「溜まったよ!アキちゃん危ないからどいて!」

「よし来た!行くぞほね太郎!」

『はっ!』


ミザリィの合図に、アキとほね太郎はミザリィの元へと走り出す。


「うん、遅いわ。セキトバ、頼む。」

『はっ。』

『えっ、我が主さっき召喚の時━━』

「━━必要経費だ。」


アキはポカンとするほね太郎にそう告げると、セキトバに乗りいち早くミザリィの背後に着く。


「ごめん、そろそろ耐えられない!」

「ミザリィ、やっちゃっていいよ。」

『わっ、我が主ぃ?!』


そしてその次の瞬間、剣ビームが振り下ろされた。

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