表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

67/331

65 大☆発☆光

「きゃああっ?!」

「ぬうっ……?!」

 

 白一色で埋め尽くされた広場、フェリエン先生の一際高い悲鳴、呻くオルテンシア様の声、悲鳴をあげざわめくクラスの生徒逹。

 

 そして、めちゃくちゃテンパる私。

 

「 っ……!(まぶぶぶぶ、まぶっ、眩しいっ!!なんでバ○スってんの?!なんで?!どひー!!!!) 」

 

 驚きすぎて声も出ない。目を覆いたいが、このアサメイから両手を離すわけにもいかない。なんか小刻みに震えてて今にもどこかへすっ飛んでいきそうなのだ。

 顔を背けて目をぎゅっと瞑っているが、瞼を通り抜けて光が突き刺さってくる。ひぇぇー!

 

「アリスよ、これを使えっ!」

 

 長い髪を翻し、オルテンシア様が素早く駆け寄ってきた。片腕で目を守りつつ、なにかの石を素材袋から取り出すと私のアサメイにコツリと当てる。

 

「力よ、石に宿れ!」

 

 すると、光は半分ほどになった。だが消えない。

 

 驚いたオルテンシア様の顔が光の中に見える。しかし間髪を入れず、更にいくつかの石を取り出して当て、呪文を繰り返す。

 すると完全に光は収まり、手のひらの熱も冷めた。危ない振動も治まっている。

 

 放心状態で周囲を見回すと、生徒達は何が起こったのかと目を白黒させていた。

 遠くの方ではフェリエン先生が泡を吹いて目を回し、倒れている。だ、大丈夫かな?!

 

「むう、これほどとは……。アリスよ、これを見よ」

 

 促されて見ると、学園長の手の中にはほのかに光る大小の石が四つあった。

 

「これは魔石ランプにも使われるユーダ石というものじゃ。先程の呪文でこの石に魔力を込めたものが、我々の生活で使われておる。……じゃが……」

 

 うむぅ、という顔でオルテンシア様は一度区切ってから、私にぐっと顔を近づけて小声で囁いた。

 

「この石をひとつでも魔力で満たす力を得るには、大人でも5年は厳しい修行に耐えねばならぬ。じゃからランプは高価なのじゃ。……常に魔力を使い続けたりせねばこうはならぬ……何か心当たりはあるかの?」

 

 !!

 

 私はピンと来た。

 

「……あります。しかし、ここではお話出来ません」

 

 すると、学園長はにやりと邪悪に笑った。

 

「ふむ……訳がありそうじゃの。放課後、学園長室に来なさい」

「ぅ……。はい。分かりました」

 

 邪悪な笑みにビビりながらそう返事をすると、学園長は近づけていた顔を離し、くるりとクラスの皆の方を向いた。

 

「なにやら加減を間違え、全力でやってしまったようじゃ。もうそれほど魔力は残っておらんから、次はこうならないじゃろ。……な?」

 

 再びこちらを振り返って鋭い眼光で念押ししてくるので、慌ててカクカクと首を縦に振り肯定した。

 魔力は残ってないとか言われたけど……ぶっちゃけそんなに疲れてない。しかしそう言える雰囲気じゃなかった。

 

 ちなみに。

 

 倒れたフェリエン先生は臆病でハプニングに弱く、割とよく失神するらしい。

 そんなフェリエン先生は手慣れた様子の学園長によって助け起こされ、最終的には教師二人の尽力によりクラスは落ち着きを取り戻し、全員がほのかに刀身を光らせたところで授業は終わった。

 

 ……うん。


二回目以降はね、手のひらがちょっとポカポカするかな?位のところで止めたから大丈夫でした。

コメント欄の荒ぶりにニヤニヤ笑いながら仕上げました。皆様お好きですねw

さてさて、なんとか発光は治まりましたが、いよいよ学園長に呼び出されました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ