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98 金色のリボン


 は……、

 

 はわ…………。

 

 はぁぁぁん!!!!

 

 

「「「かっっっ、こいい!!!!」」」

 

 歓喜の絶叫をしそうになったところ、まさかの自分以外の叫びで正気に帰る。

 

 見れば、側近ズ、ローリエ様&レティシア様、そしてケモっ子達……つまりこの場の全員が打ち震えていた。

 

「まず、セリフがかっこいい」

 

 こらヨハン、セリフじゃない。呪文な、呪文。

 

「顔がかっこいい……」

 

 マチルダ、それ魔術と関係ない。

 

「全部しゅき……」

 

 ヴィル兄様?!

 

 それぞれの反応に素早く脳内ツッコミを入れつつオルリス兄様を見やると、照れたようにえへへと頬をかいていた。あっ可愛い。

 

「え、と……。今のは、僕流でやったから、みんなにやってもらうのとは少し違うんだけど……。魔術を行使、する時は、その……あんな感じで……」

 

 説明しようと頑張っていたのだが、集中しすぎる全員の熱視線に耐えきれなくなってきたのか。

 

 私の後ろにしゅっと隠れて「アリスぅぅ……」と顔を真っ赤にしてもじもじし始めた。

 

 オルリス兄様、身長差考えて身長差。全然隠れてない。ただ可愛いだけだよそれ!!

 

 ン゛ンッとなりつつ、説明を引き継ぐ。

 

「ええと。獣人の皆は魔術が少し苦手だと思うけど……極めればああいう感じにカッコイイことになるので、ここはひとつガッとやってグッと頑張ってみましょう!!」

「説明になってないよアリスゥ?!」

 

 ……私も興奮してたので、全然説明出来なかった。

 

 ◇

 

 ひとまず落ち着いて、オルリス兄様と私から詳しいやり方の説明をしたり、呪文のカンペを配ったりした。

 ちなみに呪文は、初心者である我々にはオルリス兄様の倍ぐらい必要である。あんな詩的で短い呪文&少ない道具&短い時間で済むのは、チート的能力を持つオルリス兄様ならではだ。

 魔術にもっと興味を持ってもらうためのデモンストレーション的な部分があったのでね。

 

 儀式の流れを間違えたり、魔力が多すぎたり少なすぎたり、長い呪文に噛み噛みなちびっ子達だったが、手取り足取りしてなんとか全員が魔術付与を終えた。

 

 そんなこんなで完成したのは、スタングレネード。

 

 ………………間違えた。お守りである。

 

「このお守りは一定の魔力をこめると、強い光と風を発して相手の目をくらませることが出来る魔道具でもあります。魔術の実技試験では魔道具の持ち込みは禁止ですけど、それ以外では是非身につけていて下さいね」

 

 そう言いながら、私の手で仕上げにみんなのポプリにリボンを結んで回る。

 このリボンの色は、金色だ。

 一応、黄金の夜明け団名乗ってるからね。

 

 ふう、やりきったぜ……。と、周囲を見回すと。

 

 ……なんとも言えず嬉しそうな、噛み締めるような表情でお守りを抱きしめたり、頬に擦り寄せたりしている姿が見えて。

 

 最近の忙しさは極まってたけど、頑張ってよかったなぁと。

 

 私はむふふんと鼻を鳴らし、充足感に浸るのだった。

ちょっと短めですが、団員証つくりの話のオチでした。


青年と幼女のほのぼのいちゃいちゃが好きなので、ついオルリス兄様をアリスに添えてしまう……。

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