家に帰る
祭りを楽しんだ後、僕らはホテルへと戻って来た。
「おかえりなさいま……おや?茜様、そんなに顔を真っ赤にしてどうなさいましたか?もしかして翔吾様になんかされちゃいましたか?」
「何ですか、いきなり人聞きの悪いことを。何もしてませんよ。」
「と、犯人は申しておりますが実際には?」
「実はね、ボショボショボショ………」
真里ねえさんが天子さんに耳打ちしている。てか犯人ってなんじゃい。
「ほほーう、なるほどなるほど。そりゃ茜様もこうなりますわな。」
「超羨ましかったですよ。何故私は射的が得意だったんだって子供の頃の自分に怒ってやりたくなりましたもん。」
「まあ大丈夫ですよ。その内もっとスゴいことをする予定でしょう?」
「………まあそうなんですけど。」
「因みに初体験はどんな感じが理想ですか?」
「2人きりで温泉旅行に行って一緒にお風呂入りながらお酒を飲んでムードが上がってきたところで………」
「さ、さー皆!早く帰る準備をしようかー!」
「えー!も少し聞こうよー。」
「いけません!茜ちゃんの顔から湯気が噴き出してるからもうダメ!」
「ブーブー」
「そんな可愛い顔してブーイングしてもダメなものはダメ!」
そんな恥ずかしいことを聞いてられないので僕は皆に早く帰る準備をするように促した。
「翔吾ー、みんな準備できたわよー。」
「よーし、じゃあそろそろ帰ろうか。」
「楽しかったよねー。」
「招待してくれてありがとうね。」
「わ、私はまだ認めたわけじゃないんだからね!」
「はいはいツンデレ乙。」
「私も皆と遊べて楽しかったです!」
「皆さん、下に車を止めてあるので行きましょうか。」
「はーい。」
そして下に着くと行きのときとはまた違うリムジンがあった。
「うわー、これまた高そうな……」
「私、いちばーん!」
「あ、ちょっと杏奈!傷つけたりしちゃダメよ!」
「行きのリムジンも素敵だったけどこっちのも素敵ね……」
「どちらも重蔵様お気に入りのリムジンですからね」
「杏奈ちゃーん!それ絶対傷つけちゃだめよーーーーー!!!!!!!!」
「へー、帰りのリムジンの中はこんな感じなんだ……」
「あ、行きのリムジンにもあったジュースとフルーツだ!」
「でもなんだか量が多くない?」
「帰りは皆様の家まで直接お送りするので行きのときよりも長時間リムジンの中にいることになります。ですので行きよりも多めに入ってますよ。」
だから行きのときよりも量が多かったのか。
「このイチゴとこの赤ワインが合うんだよなあ〜……。」
「この白ワインとパイナップルも合いますよ。」
「どれどれ……あ、美味っ!」
「あ、ちょっと真里ねえさんと真魚さん!飲み過ぎちゃダメだよ?吐いたりしたらマジでシャレにならないからね!」
「うー……お酒臭ーい。翔吾にぃー、ちょっと匂い嗅がせてー。」
杏奈ちゃんがそう言って僕の胸に顔を埋めてきた。
「クンカクンカ……あ゛ー翔吾にぃの匂い、極上アロマが霞むくらいいい匂いがするー。」
「おー、じゃ私も……」
「翔吾にぃに酒の匂いが移るからダメ!」
「むー、ケチンボ杏奈めー。生意気な子供はこうしちゃる!そりゃそりゃ!」
「あ、ちょっとこしょぐらないで……あははははは!わ、脇は弱いかららめえ……ひゃははははは!も、もうらめてぇ……」
少し酔った真里ねえさんが杏奈ちゃんをこしょぐっている。
まあ杏奈ちゃんも涙目にはなってるけど熱っぽい目で真里ねえさんを見てるからまあ止めはしないのだが。
そしてしばらく経つと天子さんが席を立ってマイクを手に取った。
「もうすぐ雪美様のお家に到着しますので準備をお願いします。」
「お、私の家までもうすぐか。」
そしてリムジンは雪美さんが住んでるアパートの前に停まった。
「みんなーまたねー。」
そして次は燐火、明日菜の家へと行き、とうとう僕の家の前まで来た。
「送ってくれてありがとうございます運転手さん。」
僕はまずここまで運転してくれた運転手さんにお礼を言った。
「天子さん、また会いましょうね。」
「あ、私、茜様の専属メイドになったのでいつでも会えますよ。」
「え?そうなんですか?」
「昨日重蔵様から茜様の専属メイドにならないかと連絡が来たので喜んでその話を飲み込んだんです。」
「そうだったんですか……じゃこれからもよろしくお願いしますね。」
「はい、こちらこそ。」
またまたお隣さんが増えたなあ。
「茜ちゃん、すっごく楽しかったよ。」
「は、はい!また行きましょうね!」
「うん。みんなでまた行こうね。」
「それじゃあおやすみなさい!」
「「「「おやすみー」」」」
楽しい旅行だったなあ。またみんなで行こうっと。
文化祭やら大学説明会やらですっかり遅くなっちゃいました。
作者は女心をあまり理解してないので変なところがあったらいつでも指摘してください。




