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夏祭り その2

 「おおー………これが夏祭りなんですか………すごいです………」


 夏祭りの会場に着くと茜ちゃんが感嘆の声をあげていた。

 

 「夏祭りは初めてなの?」


 「初めてです。今までは一緒に行く相手が1人もいなかったので1人で行くのもなんだかなって行かなかったのですが今年は皆さんがいるので来たんです。こんな感じだったんですね。」


 「ねえ翔吾。なんだか目から汗が止まらないんだけどハンカチ持ってない?」


 「ゴメン、僕もさっきから目から汗が止まらなくて現在進行形で使ってるんだ。」


 「茜ちゃん!今日はいっぱい楽しむのよ!ウウッ………」


 「な、何で皆さん泣いてるんですか?」


 「ああ、気にしなくていいのよ。ズビーーッ!!」


 そしてみんなの目から汗が止まった後、僕らは中に入って行った。








 「あっ冷やしパインだ!あたし夏祭りに来る時は絶対コレを食べるのよ。」


 「私も私も」


 「じゃ買おうか。すみません、冷やしパイン2つ。」


 「ムムッ、ベビーカステラですか。これは買わないといけませんね。」


 「すみませーんベビーカステラ1つ。」


 「いやー夏祭りの焼きそばってなんか美味しく感じるのよねー♪」


 「あー、それめっちゃ分かります。あ、このたませんってやつむっちゃ美味い♪」


 「あ、チョコバナナだ。翔吾にぃ、チョコバナナ食べたい。」


 「杏奈ちゃんて夏祭りの時はいつもチョコバナナ買うよね。なんで?」


 「何でって決まってるじゃん。将来、翔吾にぃのチョコバナナを口に入れるときのれんしゅ………」


 「杏奈ちゃん。それ以上は黙ってようね。」


 「ん!翔吾さん!このたこ焼きっていうの美味しいですね!それにさっき食べたわたあめやりんご飴やお好み焼きっていうのも美味しいです!」


 会場に入ってから30分が経過した。僕らは屋台のものを食べまくっていた。


 特に茜ちゃんは普段から食べないようなものばかりだからか雪美さん並みに食べまくっている。


 「次は何する?」


 「あ、あそこで射的やってる。久しぶりに射的したいな。」


 「射的かあ。確かに私も大きくなったら全然やらなくなったなあ……久しぶりにやりたくなってきたわ。」

 


 そんなわけで僕らは射的の屋台へと向かった。

 射的をするのは真里ねえさん、咲希ちゃん、明日菜、茜ちゃんだ。


 「あのー、どうやって遊ぶんですか?」

 

 「そこのコルクを銃口に詰めて、そしてコルクを飛ばして対象物に当てて落とす って感じで遊ぶんだよ。」


 「ふっふっふっ。小学生時代、夏祭りのゴルゴと呼ばれた私の実力を見せてあげるわ………」


 「真里姉さん……一体いくつのあだ名を持ってるんですか?」


 「ふっ、見てなさいよ。私の実力を……そおい!」


 そして真里姉さんは的に全発当てて、しかも当てたお菓子を全てゲットしていた。


 「よし、あたしも当たった!」


 「よし、私も当てた!」


 「ううっ、全然当たりません………」


 「じゃあ一緒にやろうか。」


 そう言って僕は茜ちゃんの背後にまわって射的のサポートをした。


 「ひ、ヒャアッ!」


 「な、なにっ!?翔吾が背後から抱き締めているかのように密着している、だと!?」


 「ああっ!どうして私は射的が上手だったんだ!下手くそなふりをしとけばよかった!」


 「あんなの実質立ちバ………」


 「おっとストップ。そういうストレートなのはやめようね。」


 「いいなあ……私もああされたい……耳に息吹きかけてほしい……」


 「小学生にアレはちょっとキツイんじゃない?」


 「そんなことないよ。もし私が翔吾にぃにあーゆーことされたらその辺の茂みに連れて行くからだいじょぶだよ。」


 「それ全然大丈夫じゃないでしょ。」


 さっきから外野がうるさいなあ……


 「いいかい茜ちゃん。的に当てるときはこうやってしっかり狙いを定めて……こう。分かった?」


 「ひゃ、ひゃい………」


 因みにあの後茜ちゃんは1つも落とせなかった。まあ結構ムズいし、しゃーないよね。

 でも茜ちゃんは落とせなかったことは特に気にしてないように見えたがその代わり、終始顔を真っ赤にしてボーッとしていた。

作者は女心をあまり理解してないので変なところがあったらいつでも指摘してください。

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