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錬金術使いの異世界美容師  作者: 伽藍 瑠為
2章「過去編」
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「キリオvsガダイ」

「キリオvsガダイ」







ガダイは冒険者の中でも逸れ者だった。

鼻が凄く効き、感が働き、本能が危機を回避する。

間違いなく優秀な冒険者のはずだった。

しかし、冒険者としての行動はルールにった行動をいられる。

勝手な行動が仲間を危険に晒し、仲間の為に行動しても理解されない。

いつしか、チームを組んでくれる者達も居なくなっていた。

だからガダイはソロ冒険者となった。

そして、ソロと言う危険で過酷な状況だからこそ備わり、生まれたガダイのスキル「野生乃感ストリートフィーリング」。

それは危険察知能力だった。





「……チッ! そういうことかよ!」

『アインの時も、対抗できたのはそのスキルか!』


「どうした? 万策つきたか? 錬金術師!!」




ガダイは力技で連撃を打ち込み、キリオはガダイのパワーを考え、防戦をするのに意識が取られる。



『く!? そんなに簡単にいかねぇか……なんとかしないと……』



その時、ガダイはキリオの隙を見つけ、大剣を地面に振り下ろし、火薬を使い爆発を起こし、煙幕と土埃で何も見えなくする。



『やばい!? ガダイを見失った!?』



しかし、ガダイは野生の感でキリオをしっかりと捉え、きだらけのキリオの脇腹に蹴りを見舞う。




「……うぐっ!?」




キリオは防御も取れずに吹き飛び、転がりさらにガダイは追撃に出る。




「おらおら! どした! クソ錬金術師!!」


「く……」

『早く体勢を整えないと!?』



キリオは無理な体勢でガダイの追撃に応じる。



『距離を……距離を取ればアレが使えるのに……ここだ! このタイミングだ!』



そして、キリオはなんとかガダイの連撃の終わりを見極め、ガダイの力を利用して後方へと距離を取る。



「なんだよ! 逃げんなよ! 弱虫が! 負けそうだからって距離取ってんじゃねぇ!!」

『ち……ここまで距離を取られちゃ俺に追撃出来るスピードはねぇ……ここは挑発に限るな』




キリオはその場で先程錬成した鋏剣を分解し始める。



「お!? 降参かクソ錬金術師!! 俺様に勝てないってようやくわかったか?」

『いったい何を考えてやがる……』


「……ふー……」

『ずっと練習してきた……2個同時も出来る様になった……そして、さらに2個同時それに応用を加えて……練習してきたんだ……』



キリオは目を閉じ、集中し、右手に左手を添える。

体に張り巡らされた錬金術式を一つ一つ戒明かいめいし、魔力を送り、準備を整えた。

その時、ガダイは気づく。

これは時間を与えてはいけなかった事に。



「くそ!?」

『この間は何かの大技だ!? 読み間違えた!!』




ガダイは焦り、直ぐにキリオに攻め寄る。




「残念……もう遅い!! 広範囲錬成ワイドリジョン!!」




キリオが右手を地面へと叩きつけたその瞬間、フィールド全体に雷光が走り、地面が形状変え、無数の手の形をした岩がガダイを襲う。



「な?! なんだと!? 広範囲錬成術だと!?」



ガダイはスキル野生乃感ストリートフィーリングを駆使し、回避し、避けきれない物には大剣の火薬を使って壊し、間一髪でキリオの攻撃を防ぐ。



「くそ!?」

『なんて奴だよ!? これほどの広範囲をたった一人で錬成してるって言うのかよ!? 聞いたこともねぇぞ!!』



その時、死角からキリオは鋏剣を錬成し直し、ガダイを狙って攻撃に出ていた。



『……取れる!!』




キリオは勝利を確証し、力一杯に踏み込む。




「そう来ると思ってたよ」



しかし、ガダイはキリオがこのタイミングでくるように誘っていた。




「なに!?」



ガダイは向かってくるキリオの顔面目掛けて準備していた砂をかける。




「くそ!? 視界がぁ……」



キリオは視界を奪われた為、そのまま鋏剣を振り抜く。

しかし、そこにはもうガダイの姿はなかった。



「悪いなぁ! 錬金術師!卑怯ひきょうだと思ってるなら御門違おかどちがいだぜぇ!! 猛獣相手の冒険者業で卑怯など存在しない!!」



気づけばガダイはキリオの背後へと回り込み、大剣を振り上げていた。



「俺の勝ちだぁ!!」


「……まさか……これを使わされるとは思わなかったよ」



その時、キリオは笑っていた。



「なに?!」

『コイツ!? まだ何か隠してやがったのかよ!?』



ガダイは急ぎ、問答無用で大剣を振り切った。

しかし、その瞬間のキリオが見せた余りの高速移動にガダイの剣は空を斬る。



「な、なんだと!?」

『は、速すぎて何も見えなかった……だと?』



ガダイが振り返った時、キリオは何事もなかった様に軽々しく立っていた。



「何しやがったてめぇ!!?」


「武装錬金術……戒級強化フルエンハァンスメント



「ぶ、武装錬金術だと!? そ、そんなの卑怯だろ!?」


「卑怯など存在しないんだろ?」



キリオは最速の速さを出す為に、それに必要な体勢を取る。

地面すれすれまでに顎を落とし、鋏剣を構え、そして言った。



「悪い……これで終わる」



そして、力一杯に踏み込んだ。




「な!?」



ガダイのスキル野生乃感ストリートフィーリングが危険を知らせた時にはもう既にキリオがガダイの喉元にに剣を添えていた。



「……え……」

『な……何が起こった……?』



その数秒後、ガダイの大剣が中元から折れ、床に落ち、ガダイは切り口から両断された事を理解した。



「……あ、あの一瞬で……た、大剣を両断した……だと? はは……」



余りの驚きでガダイは尻餅をついて言った。



「……こ、降参だ……俺の負けだ……くはぁ!! これは完敗だわ!」



そして、寝転がりガダイは笑った。



「ありがとう……」



「勝者! 錬金術師キリオ・アルタイル!!」



レフェリーの勝利宣言と共に会場が湧き立つ。

罵声も歓声も両方聞こえる中、キリオの試合をずっと食い入るように見ていたゼドが笑って言った。




「……キリオ……めっちゃ強いじゃん……俺も燃えてきた!」







ここまで読んで頂き、本当に嬉しく思います!


「錬金術使いの異世界美容師」は毎週金曜日、夜22時の更新です!



是非またのお越しをお待ちしております!!

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