第79話 薬草について:その1『当たり前だけど、現実はゲームとはびみょ~うに違う……』
前回までのあらすじ!!
いやに取り扱っている商品数が多いと思ったが、まさか精力剤まで置いてあるとは思いも寄らなかった。しかも『夜の性剣:せっくすかうぱー』っとネーミングセンスも抜群ときたもんだ!!
「マジかーっ(……ってかコレ飲むのかよ)」
オレはピンク色の精力剤を手にして固まってしまった。そんなオレに店の主であるジャスミンが声をかけてきた。
「うん? お兄さん……その年でもう精力剤が必要なの? そっかー……でも大丈夫だよ!! ウチの商品を飲めば勃ちどころに、2本も3本も生えたような感覚になるからね♪ (o>ω<o)」
なんだか可哀想なモノを見るようにジャスミンに同情され、商品を勧められた。
「(に、2本も3本もって……そんな生えてきたら、それはもう人間じゃねぇよ)」
オレは顔を引き攣らせ「き、機会があったらな……」っと乾いた笑みを浮かべ、隣の棚にある別の商品を見ることにした。
「これは……草だよな? なんで草がこんな棚に並べられてるんだ???」
何故か棚には色とりどりの草が綺麗に色分けされて陳列してあった。
「あ~それ? それは色によって効能が違う薬草なんだよ」
草を見ながら疑問を呟いたオレに、尽かさずジャスミンが補足説明をしてくれる。
「この緑色をしたのが有名な『かいふく草』だよ。旅の道中に魔物からダメージを受けた時には1番重宝するアイテムなんだよ! 旅をするなら欠かすことの出来ないアイテムの1つだね! あと何よりも1つ5シルバーと安いのも魅力的だよね♪」
「あ~これが噂に聞く『かいふく草』ってやつだったのか!! パッと見ただの葉っぱにしか見なかったぜ!!」
よくよく見れば見慣れた形・色をしていた。これはRPGでは定番中の定番のアイテムと言えよう。
ジャスミンも言っていたが、序盤では1番役に立つアイテムになるだろう。
「ちなみにだけどジャスミン、これってどうやって使うんだ?」
よくゲームなどでは「つかう」と表記としてはあるが、実際に使ってるところを見たこと(描写など)が無かった。だから疑問に思いジャスミンに聞いてみたのだ。
「あっこれ? うーんそのまま食べてもいいけど……」
だが何故かジャスミンは言葉を濁してしまう。
「うん? そのまま食べられるんだよな? なんか問題でもあるってのか?」
オレは理由が解からずそのまま聞いてみた。
「あっいや、問題はないよ。ただ……すっごく苦いんだよねコレ。それに食べたからと言ってすぐに回復するわけじゃないんだ」
「ああ……苦いのか」
食べたことがあるのか、ジャスミン苦虫を噛み潰したような顔をしていた。
「(そ、相当苦いんだろうなぁ)」
それはジャスミンの顔を見れば一目瞭然だった。
「すぐに回復するわけじゃない……って言ったけど、そんな時間かかるものなのか?」
「うんそうだね。効果が現われるまでには……消化する時間が欲しいかもしれないね」
ジャスミンはバツが悪いのか、少し目を逸らしながらそう言った。
「消化するまでの時間って!? おいおいそんなんで大丈夫なのかよ!? だって敵からダメージを受けてから使うわけなんだろ? それじゃあ使ってから間に合うわけねぇじゃねぇかよ!?」
オレは驚き、ジャスミンに問いただす。それもそうだろ。消化する時間ってのがどれほどか判らないが、数分ってことはないだろう。下手すりゃ数時間とかかかるかもしれない。そんなんではとても役に立つアイテムとは言えないだろう。
「あっごめん。説明不足だったね。『かいふく草』にはいくつかの用途があるんだよ」
「用途ぉ~???」
オレは理解できず、ジャスミンが説明するのを待つことにした。
「うん! かいふく草には3つの用途があるのさ。まず1つ目は葉っぱのまま直接食べること。これはさっき説明したよね?」
「ああ」
オレは短く返事をし、続きを促す。
「で、2つ目はかいふく草を葉っぱのままダメージを受けた傷口に直接貼ること。その際には綺麗な包帯か布でズレないように、固定してちゃんと巻かなきゃダメだよ」
「ふんふん」
まぁこれも当たり前といえば当たり前の事だよな。戦闘中なんかは激しく動くことになるだろうしな。
「で、3つ目は石なんかで葉っぱをすり潰してから傷口を塞ぐようにすり込んでから綺麗な包帯かガーゼを当てて、綺麗な包帯か布でズレないように固定して巻くこと。……って感じかな、お兄さん理解できた?」
「へぇ~そうだったのかぁ~」
オレはジャスミンの説明を納得するフリをした。聞いといて何だけど、正直言って何が違うのかわからんもん。そしてそんなオレの分かってるフリを見抜いたのか、ジャスミンは眉をひそめながらにこう言った。
「お兄さん……絶対理解してないでしょ?」
「ぐっ!? …………そそそ、そんなことないぞー」
速攻で見抜かれてしまい、オレは同様から語尾アゲアゲで否定する。
「じゃあ、ボクが言った3つの用途の意味を教えてよ」
「あっ? よよよ、用途だと!?」
「そだよ。理解してるなら3つの違いが判るはずだよね? 違う?」
「…………」
何でこうこの物語に出てくる女連中どもは、こうも揃ってドSなヤツばかりなんだよ!
絶対オレが理解してないの分かってて、敢えて聞いてきてるもんな!!
第80話へとつづく




