第77話 パンがなければ、何も食べなければイイジャナ~イ♪
前回までのあらすじ!!
持ち前の口先によって、どうにか首ちょんぱされるのを回避することに成功した。だが、まだ本来の目的である資金不足が解決しないままだった……
「うーん!! あー生きてるって素晴らしいかな!!」
「アナタ様どうさなったのですか?」
相変わらず静音さんは空気読めるのに、あえて読まない道をまっしぐらだよな。ま、そんな些細な苦言も言わず物語を進めようぜ!
生命の危機を回避できたオレは生と言うモノを改めて実感することができ、今ならどんな問題でも解決できる気がしていた。
「……で、お兄さん達ボクの店には何の用だったの?」
「あー……」
すっかりそのことを忘れていた。そうだった!
「オレ達はこの剣の動力源とやらが切れてるから、その素材? 魔法石? だかをキミの店に探しにきたんだ」
「へぇ~そうだったんだ~。お兄さん達……無一文なのにぃ~?」
グサリッ! またしてもオレの精神ポイントが減ろうとしていた。
「き、キミ。見た目可愛い娘のわりに結構平気で毒吐くよね」
「ま、そうじゃなきゃお店なんかできないしね♪ あとボクのことは『キミ』じゃなくて、『ジャスミン』でいいよ♪ お兄さんとはまさに生死を分かち合った仲だしね(笑)」
「……そ、そうか。じゃあそう呼ばせてもらうおかな」
オレは「誰のせいでこうなったんだよ!!」っとツッコミたい気持ちを抑え、笑顔を引き攣らせながらどうにかそう答えた。
そして話題を逸らすため、今度はアリッサに話を振った。
「そ、そういえばアリッサは何しにこの店に来たんだ?」
「アンタ何しにってのはちょっと酷いんじゃないかい? アンタら無一文なのに、剣の動力源探しに道具屋に行っちまったろ? だからあたいがその分くらいは貸してやろうと思ったんだよ! それを言うに事欠いて『何しに来た』ってのはあんまりじゃないかい? ええっ!!」
ギラリッ。オレの首にサーベルの刃を当て、アリッサは憤慨していた。
さすがにこのままでは、前の話の繰り返しになることを察して即座に謝る。
「あ、アリッサごめんな! オマエがオレ達のこと気遣ってくれたのに、邪険にするような真似しちまってさ! ほんとすまんっ、このとおりだっ!!」
アリッサに対して、頭を下げ謝る。
「ふ、ふん! ま、まぁいいさね。別にあたいは気にしちゃいないよ(照)」
アリッサは少し照れながらも許してくれた。
「……で、アリッサ。動力補給にかかるお金を貸してくれるのですか?」
「さっきもそういったさね。動力源だけならモノにもよるけど、そんなに高くはないさね。ま、そこらあたりは『前金』だとでも思いな!!」
「その分は利息として追加させてもらうけどね!」っとアリッサは付け加えた。
どうやらお店を経営してるだけあって、その辺りはしっかりしているみたいである。
<置いてないものは無い!! すべてが揃う死の商人の館『道具屋:マリー』>
「さぁお兄さん! お姉さん達!! ボクの店の中を自由に見てってよ♪」
ようやくオレ達は本来の目的の道筋へと戻ってきたのだ。
「とりあえず、中見させてもらうなジャスミン」
「もちろんだよー♪ あっ、でもボクのお店では値下げとかはできないからね♪」
そこら辺りはドアに張ってあった文言と一緒のようだ。
オレは張り紙の一文が気になり、ジャスミンに聞いてみた。
「ところでジャスミン。店先にあった張り紙なんだけど……オマエが書いたのか?」
「あーあれのこと? もちろんボクだよ♪」
「この店にはボクしかいないしね。おかしなことを聞くんだねお兄さんは(笑)」っと何故か笑われてしまった。
「で、張り紙がどうかしたのお兄さん?」
「あ、いや気になるってゆうか……最後名前の所に『道具屋:マリー』ってあったろ? ジャスミン・マリーなのか? それともマリー・ジャスミン? なのか気になっちまってな」
店の名前なんか普段気にしないのだが、『マリー』っと女性の名前が付けられ、しかもこの店にはジャスミンしかいないらしい。ならば……っと思って聞いてみたのだ。
「ボクの名前? ボクの名前は『ジャスミン・ライラック』だよ」
「はっ? え、え~っと……お店の名前の『マリーさん』てのは???」
ジャスミンの正式な名前を聞いて、オレの疑問は更に深くなってしまう。
「へっ? あ~お店の由来ね! このマリーってのは『パンがなければ、何も食べなければイイジャナ~イ♪』で有名な人から貰った名前なんだよ」
「オマエそれって、民衆の怒りをかって首ちょんぱされた王族じゃねぇかよ!? まま、まさかこのギロチンが伏線になってるんじゃ……」
オレは口にするのも恐ろしくなり、つむぐことにした。
パンもお菓子も食べられず空腹になりつつ、お話は第78話へとつづく




