第75話 ななな、何でそんなものが店の中にあるんだよ!?
前回までのあらすじ!
店の娘に所持金がないことがバレてしまい、「何しに来たのお兄さん達?」っと正論攻撃されてしまった。そのショックからオレは膝をつき床とお友達になれる格好をしたのだったが、あろうことか静音さんは「疲れたから……」っと言う理由でオレの背中に乗りやがった……
「静音さん。そろそろどいてくんないかな?」
「へっ? でもアナタ様、ワタシのおしりの感触……楽しんでますよね?」
「そそそ、そんなことないよ!!」
(何故バレた! コイツ、エスパーか何かなのか!? ……まぁ女の子に乗られてちょっとだけ興奮してたは事実なんだけどね)
「ニヤソ♪」
「…………(シズネさんの笑顔がすっげぇ怖いんですけど……)」
『主人公に変態性癖属性が付与されました♪ …………うわっキモッ(笑)。乗られて喜ぶとかどんなだよ(笑)』
「…………何か今オレの精神ポイントがだだ減りしたんだけど、気のせいか?」
ま、まぁいいさ。どうせいつものことだろう。気を取り直して、物語を進めることにしよう。
「で、お兄さん、どうすんの?」
「ぶっ!!」
(そういやすっかり忘れてたけど、所持金0なのに天音が店の物全部寄越せとか言ってんだよな。どうすりゃいいだよ)
静音さんを背中に乗せ思い悩んでいると、カランカラン♪突如としてドアが開き、誰かが入ってきた。
「おっ! いたねアンタら…………って何してんの?」
「あ、いやこれはその……」
入って来たのは隣で武器屋と防具屋を営むアリッサだった。
しかも……オレは女の子を背中に乗せ喜び興奮真っ最中のところを見られてしまった。アリッサはオレの姿を見るや否や眉をひそめ怪訝そうな表情をする。
「(まぁ店のドアを開いたら、いきなり床に四つんばいで背中にメイド服を着た女の子が乗ってりゃ、そんな顔したくもなるわな)」
「こ、この人が四つんばいになるから背中に乗ってくれって……そう強要されまして……よよよよ」
「ぶっ!? 静音さん何言ってるのさ!? しかも嘘泣き感半端ねぇし!! そんなんで誰が騙されるって……」
「アンタ何してんのさ! こんな女の子にそんなこと頼んだりしてさ!! どうやら何が何でもその首を落とされたいようだね!!」
アリッサはオレが言い終える前にサーベルをギラリッと見せつけ、調度良い按配に差し出してるオレの首を落とそうとする。
「速攻騙されるヤツいるしっ!? アリッサ、オマエちょろすぎだろうが!!」
「あんだい! あたいが『ちょろい』ってどうゆう意味なのさね!」
オレのツッコミは火にマグネシウムを投下してしまったようだ。激しくバチバチと火花が飛んできている。
「うん? アリッサこのお兄さん達と知り合いなの?」
どうやら女の子とアリッサは面識があるようだ。ま、お隣さんだしね。むしろ知らない方がおかしい。
「ああ、さっきあたいの店に来てさ。金がないってんでCPRで金を貸してやろうと思ったんだけど、担保になるようなもん何にも持ってなくてさ、そんでこの赤いのが携えて剣を預かろうと思ったんだけど、どうやら動力切れを起こしてるようでね。それでアンタの店なら置いてるだろうと思って紹介したのさね。でもね……」
そう言いながら、ちらっとオレを見るアリッサ。
「ふぅ~。まさか変態だったとは夢にも思わなかったよ。正直がっかりさね」
アリッサはぁ~っとため息をつき、呆れている。
「……どうします? やっぱり首刎ねときますか?」
「おい! そこのクソメイド!! てめぇが原因なのに、何しれっと犯罪に加担しようとしてんだよ!!」
「おっいいね~、嬢ちゃん乗り気だね♪ あたいそうゆう乗りが良い娘大好きだよ♪ 景気良くスパッとやっちまうかい?」
「アリッサてめぇも待ちやがれ!! 何で首刎ねるのがデフォになってんだよ!? だ、誰かコイツらを止めてくれ!!」
オレは首ちょんぱされる恐怖から、周りの人間に助けを求めたが誰も助けてくれなかった。
「ま、マジかよコイツら……」
人というのはピンチの時にこそ、人の価値が正しく判るものだ。今まさにオレの頭と体がパンでできたアイツのように、分離しようとしていた。
「ちょっとアリッサ、待ってよ!」
「んっ? なんだいジャスミン。文句でもあるってのかい?」
どうやらこの店の娘の名は『ジャスミン』と言うらしい。……もしやこれが冥土の土産じゃないだろうな?
だが、ジャスミンはアリッサを止めてくれたのだ。きっと助けてくれるに違い……
「サーベルよりもさ、こっちの方が切れ味いいんじゃないの?」
「ぶっ!! ななな、何でそんなものが店の中にあるんだよ!?」
ジャスミンがこっちと言ったのは……なんとギロチンだったのだ。
どこかで使われたことがあるのか、首を引っ掛ける穴の真下には血やらなんやらがこびりついていたのだった。
ギロギロチンチンしつつ、お話は第76話へとつづく




