表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あな嫁~あなたの目の前に野生のお嫁さん候補(お嬢様)が現れた!!入力コマンドは!?……だがしかし、コントローラーにシカトされてしまったようだ。~  作者: 立花ユウキ/scarlet
第5章本編『終わる世界』

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

200/224

第198話 体の異変

「オレの正体!? ぐっ……あ、頭が割れるようにい、痛っ……おえぇぇぇっ」


 キーン。

 突如として甲高い耳鳴り音が頭の中を駆け巡り、頭が割れんばかりに痛みを発していた。


 視界もぐるぐるぐるっと回ってしまい三半規管が揺さぶられてる間隔に陥っていた。

 そしていきなり吐き気をもよおしてしまい、前屈みになるとそのまま胃の中のものを吐き出してしまう。


 当然そのような状況に陥ってしまえば、立つこともままならない。

 自分の嘔吐物(おうとぶつ)でズボンや服を汚れを気にする間もなく、膝をつき痛みから両手で頭を押さえてしまう。


「兄さん!? どないしたんでっか!」

「主様!? 頭が痛いのか! 大丈夫なのか!!」

「がっはっ……ごほっごっ……ごほっごほっ!」


 二人が何か言っていたがオレは自分のことで精一杯であり、まったく耳に入っていなかったのだ。


「~~~~っ(誰かがオレの近くで叫んでいやがる……しかもすっげぇそれが頭に響やがって、余計気分が悪くなっちまうよ……ほんとオレの体はどうなっちまったんだ? このまま死んじまうのかなぁ~)」


 未だ視界は回り、何故だか傍で騒ぐ雑音は大きな音を立て頭に響き、頭の痛みから意識を保つこともままならない気持ち悪さであった。

 頭も首が据わっていない赤子のようにグラングランっと揺れ動き、更に気持ちの悪さを助長していた。


「(あーっ。マジで吐き気が酷すぎる。なんだよこれ。そういや、前にもこんなことあったよな? あれと同じ事が起こっていたがるのか?)」


 既に意識も朦朧(もうろう)としており、過去の記憶がオレの目の前で鮮明にフラッシュバックしていたのだ。

 その記憶は何故だか知らないが第三者視点で映し出されている。


 門の前で刺され、オレが地面に倒れていたのだ。

 それはちょうどオレが初めてこの世界に来た時の光景である。


 あのときは門番のおっさん二人に刺し殺され、そして静音さんにトドメを刺され殺された。

 今は状況は違えど、頭の痛さと気分の悪さでは引けを取らない。


「もきゅもきゅ!」

「も……きゅ……子……か?」


 オレは頭を撫でられてる感覚を得ると未だ定まらない視線で、その赤い生き物を捉える。

 それはもきゅ子のようなそうではないような……だが、鳴き声だけはもきゅ子だと思われる。


 再び視界が回り、そして気分の悪さから何も考えることができなくなってしまう。

 ただ何故だか頭を撫でられると頭の痛みが和らぐような気がした。


「もきゅ? …………もきゅもきゅ!」


 パチパチ、ブッ、パチ、ブッ、パチ……。


「……なんだ……それ? ぐ……っ……んん」


 当然頭を撫でられている感覚が無くなったかと思ったら、ズボンのポケット付近を誰かに触られてる感覚があった。

 そうかと思っていると間を置かず、すぐさま再び鳴き声が聞こえ無理矢理口の中に何かを入れられてると反射的にゴクリッと喉を鳴らし飲み込んでしまう。


 それはツルツルした小さな2粒であった。


「もきゅもきゅ♪」

「(もしかして……くすりか? もきゅ子が薬を飲ませてくれたのか?)」


 そして再び鳴き声と共に優しく頭を撫でられる。

 きっと先程の飲んだ2粒は以前、現実世界で頭が痛いと言った際に静音さんからもらった『頭痛薬』なのかもしれない。


 あのときは何だか分からない塩素を測る錠剤だったと思うのだが、既に口に入れられ飲んでしまってからそれ(・・)に気づいてしまっても、もはや手遅れである。


「(すごく優しくて温かな手だ……何だか懐かしい感覚だな。頭を撫でられたのなんて何年ぶりだろう? 子供の時以来だよな)」


 優しく何度も何度も頭を撫でられ、序々に気持ちが落ち着くように感じていた。

 一旦そう感じてしまうと何故だか先程までは頭が割れそうな痛みも少しずつ和らいでゆく。


 ようやく薬が効いてきたのか、次第に痛みも和らぎ視界と思考がクリアになっていった。


「もきゅ子?」

「もきゅ!」


 オレが名前を呼ぶともきゅ子も応えるように鳴いてくれた。

 やはり薬を飲ませてくれたのも、頭を撫で気持ちを落ち着かせてくれたのももきゅ子のようだ。


「もきゅ子、オマエ……記憶が戻ったのか?」

「もきゅぅ~?」


 もきゅ子はその問いかけに首を傾げながら「何のこと?」っと不思議そうな顔でオレの顔を見ていた。

 それだけでは、もきゅ子が記憶を取り戻したのかどうか判断がつかない。


「っ!? んんーっ! んっ……ふぅ~~っ」


 ようやく体の感覚が戻ると、不思議と頭痛も気分の悪さも引いていた。

 そしてより意識をはっきりさせるため、両手で顔を覆い洗うように何度も擦りながらそのまま上へと移動させ、額から前髪後ろ髪へと、まとめるように手で撫でてゆく。更に息を大きく吸い込むと、ゆっくりと吐き出し深呼吸をする。


 ここまで来てようやく普段の自分に戻ったような気がした。

 そして前に倒れ地面に付けていた頭を上げると、痛覚を確認するように首を左右に傾けゴキッゴキッっとクラッキングさせ、交互に肩へと手を当て張り具合を確認する。頭痛の原因が肩こりの場合もあるからだ。


「(ほんとは逆に傷めるから間接の音とか鳴らすのは、良くないことなんだけどね)」


 オレは目に力を入れ見開き、周りを見渡し自分の置かれた状況を再確認する。 



 第199話へつづく

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ