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あな嫁~あなたの目の前に野生のお嫁さん候補(お嬢様)が現れた!!入力コマンドは!?……だがしかし、コントローラーにシカトされてしまったようだ。~  作者: 立花ユウキ/scarlet
第4章本編『そして旅支度の果てに……』

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第111話 アリッサの親切と、その裏に潜《ひそ》む思惑その2

 前回までのあらすじ!!

 アリッサの親切の裏側には何かの『思惑』があるようだ。だがオレ達に選択肢なんぞ存在していなかった。何故なら……


「もうもきゅ子たらぁ~、逃げたら『めっ!』なんですわよ~♪ (カジカジ)」

「もきゅ~っ! もきゅもきゅもきゅ~っ!!」

 

 葵ちゃんはオレ達が見ているのもお構いなしに、前話から空腹に耐えかねてもきゅ子を頭から齧っていたからだ。もうこのままだといつR15を軽く飛び越えて、65歳未満禁止(R65)と年金制度のように年齢制限を引き上げらたとしても、何ら不思議じゃなかった。それに……正直今の葵ちゃんを見ていると、何かのホラー映画を見ているようで、とても怖い感じがしていた。


 そんな映画『イートニング・デッド(葵ちゃん)(お食事中の死人(葵ちゃん))』を目の前に、アリッサはオレ達に自分の心の内を語るようにこう切り出した。


「まだ知り合ったばかりのアンタらに、正直こんな事を頼むのはお門違いだとあたいは思うんだけど……」

「…………」


 オレはアリッサの言葉を邪魔してはいけないと、無言でいる。


「「…………」」

「(カジカジ)」

「(もきゅ~っ)」


 他のヒロインズ(お食事中の葵ちゃん・食べられてるもきゅ子を除く)も無言のままだった。何気に本編(オレ達)の邪魔をしてはいけないと、もきゅ子が短い手で悲鳴()を抑え配慮している姿が余計泣けてくる。

 そんな事はお構いなしなアリッサは、鬼気迫る感じでオレ達に詰め寄ってきた。


「こんなこと……まだ旅を始めたばかりのアンタらに頼むのもおかしいんだけどさ、アンタらに……アンタらには『魔王』を討伐してもらいたいさね!!」

「オレ達が魔王討伐するのか!?」

「私達に魔王を討てというのか!?」

「ふむ……魔王討伐……なのですか?」


 いきなりのアリッサの言葉にオレと同じく天音も驚いている様子。ただ一人、静音さんだけは何故か含みがある言い方をしていた。あとまったく話を聞いていない葵ちゃんともきゅ子は、もうこの際だから捨て置くことにする。


「ああそうさね! あたいがアンタらに、いきなり無茶な注文言ってるのはちゃんと理解しているさ!! けどね、あたい達にゃ……時間がないんだよ。このままだとまた魔王軍が攻めてくるだろうし、そしたらまた……ぐすっ」


 最後は消え去りそうな声で、涙ぐんでしまうアリッサ。今まで強気一辺倒だったアリッサだったが、どうやらまだ事情があるのかもしれない。


「(もしかするとアリッサは、魔王軍に家族を……)」


 オレはそんなアリッサの為にも、こう強気で宣言した。


「分かったよアリッサ。魔王を討伐するよ。元々オレ達もその予定だったしな!」

「アンタ……。アンタって好いヤツなんだね!」


 アリッサは涙を指で拭うと、少しだけいつもの調子を取り戻した。


「いや、そんなことねぇさ。それにオレにもその……事情があるしな……」


 そうオレは元の世界に戻るためにも、魔王を倒さなければならなかったのだ。


「あっ……か、勝手に決めちまったけど、天音達もそれでいいよな?」

「ああ、もちろんさ!! 本来ならそれは『勇者』であるこの私が言うべきセリフだったんだが、キミに先に言われてしまったな……」


 っと天音は「キミにばかり、良い格好をつけさせるわけにもいかないしな!!」っと付け加え、魔王討伐に賛成してくれたのだった。


「ワタクシも……ご飯が食べられれば何でもいいわですわ! 魔王を倒した暁には、ご馳走が出ますわよね?」

「あ、ああもちろんさね!! そりゃもう、アンタらが食べきれないほどのご馳走を街をあげて振舞ってやるさね!! 街のみんなも魔王軍には苦しめられてるからね!」


 葵ちゃんの動機はやや不純だったが、アリッサの言葉を聞いて「ならワタクシも頑張りますわね♪」っと一応賛成してくれた。


「もきゅもきゅ!!」


 もきゅ子に至っては既に生命の危機なので、「(食べられる前に)このまますぐでも倒しに行こうよ!!」っと言った感じで頷いていた。


「そうですか。……やはり(・・・)そうなりますよね」

「えっ?」


 静音さんのその言い方が引っ掛かり訪ねようとしたが、


「それじゃあ……このくらいの資金でどうだい?」


 ドンッ! アリッサはカウンターの上に重量感ある麻袋を乗せた。そのせいで静音さんに聞きそびれてしまう。

挿絵(By みてみん)

「お、おいアリッサ! ほ、ほんとに私達にこれほどの金貨を貸してくれるのか!?」

「ああもちろんさね! 担保の剣も頂いているし、それに『無償』であげるわけじゃないからね。あくまで『貸す』だけだよ。それにこれから魔王を討伐しようってんだ! これくらいの資金は必要になるだろ?」


 天音は目の前の金貨の山に驚いていたが、アリッサは「当然さね!」と言った感じだった。


「ねぇねぇ静音さん、金貨ってシルバーよりも当然価値は上なんだよな? 一体どれくらいの……」


 この世界の金銭感覚がないとはいえ、シルバーつまり『銀』より目の前にある『金貨』の方が価値が上なことくらいオレでも理解できていた。


「そうですね。金貨1枚をシルバーに換算すると……100シルバーになります」

「金貨1枚でひゃ、100シルバーって……」


 目の前に積まれた金貨は軽く100枚あるように見える。つまり……1万シルバー以上をアリッサは貸してくれるということになる。


 この世界のモノの価値は、宿屋で1人泊まるのに5シルバー。回復草も5シルバーなのである。武器や防具の値段は知らないけど、それでもアリッサは相当な資金を貸し付けてくれたことになる。まぁもちろんあそれも一時的に借りるだけで、当然返さなければならないわけなのだが。


「(それにしても剣を担保に差し出したとはいえ、せいぜい1000シルバーくらいが関の山だとばかり思ってたら、1万シルバー以上貸してくれるとか……。それだけアリッサにとっては真剣(マジ)なことなんだよな)」

 

 そんなアリッサの真剣な思いに応えるよう「魔王を倒す!!っと、オレは改めて心に刻んだ。



第112話へつづく

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