夜の始まり
思っていたより……文字数が少なくて申し訳ありません
サクッと今日も楽しんでもらえれば幸いです
授業が終わるとすぐにシスターがこちらを向いているので今から追いかけてこいという事だとわかったので、ボクが追いかけるとそれを更に追いかけるように朝からボクをいじってきたケンシンも付いてきます。
通された先の部屋は職員室の隣。
「さて、確認したいことがあるので嘘偽りなく答えるように」
シスターがそう言うと、質問をケンシンにします。
「価値無しの話を誰から聞きましたか?」
「ウィート叔父さんから」
「ああ、ぶら下がり坊やね。成る程」
そう言うとシスターはふぅと一つ息を吐きます。
「あまり触れ回る話ではないのだけれど、その話をし過ぎると別のところから目を付けられるから気を付けなさい?」
「別のところですか?」
思わずボクが確認すると、
「ええ。別のところよ」
その別のところというのが逆に気になっていたのはボクだけじゃなかったみたいで、
「なんですか?別の所って」
ケンシンも同じようにシスターに質問をします。
「知らないほうがいい場所というのが大人の世界にはあるのですよ。そういう場所なのだから察しなさい?」
シスターの目は本気で。目が笑っていないけど笑顔で、これ以上聞ける空気はない感じ。
「ウィートには私の方からお話をしっかりしておくので、なにを言われたのかはわからないけれど、あまりちょっかいを掛けるのはよしなさい?」
ケンシンは心当たりがあるみたいで、何も言えないみたいでいると、
「じゃあ、クリスは少し残って。ケンシンは頭をしっかり冷やしなさい?」
シスターにそんなことを言われて、ケンシンは部屋を出る事に。
「あなたまで価値無しと言われるようになるとは思っていなかったの。ごめんなさいね?」
「いえ、ボクは気にしていないのでいいのですが……」
「ふふ。価値無しの理由でも知りたいの?」
「え、あ、はい」
シスターは笑って、キーファが学生時代に一度も公式戦に出ていないことを笑いながら話します。
「公式戦に一度も出てないって、そんなことできるんですか?」
「まあ、今みたいに色々と規制もなく緩かったというのもあるけれど、あの時代は本当に色々とあったのよ」
「えーっと、価値無しじゃなくて勝ち無しなんですね?」
「そう。まあ、分かっていない人の為の話だからクリスが気にする必要はないわよ?」
「そうなんですねー」
キーファが昔凄かった話をこっそりとシスターから聞いて、思わず笑っていたのですが、
「少し色々とタイミングが良すぎるのが気になるから、クリスも気を付けなさいよ?」
「ボクがですか?」
「ええ。ケンシンにも言ったように察してとしか言えないような所が動いている可能性があるの。そうなって来るとまた色々と大変な事になるのよ」
ため息をついているシスターは結構本当につらそうで。
「大変な事?」
「そう。思いもよらないことが起るものなのよ」
それがどういうことなのか分かるはずもなく。
「さ、教室に戻って?」
「はーい」
後はいつも通りの一日……に、なると思っていたのですが、今日はそう言う感じでもなくて。
「キーファが言っていた、トラブルな日って今日みたいな事なのかな?」
朝の一件があって、その後はいつも通りの空気で授業を受けられたのですが、お昼を仲のいい友達と食べるときになって、いつも通りの学食で食事をしようとしたのですが、何故か今日はご飯の数が少なくて、数人溢れるという事になってシスターに呼ばれて教会でランチを食べる事に。
それも友達は間に合ってしまったのでボク一人だけ。
まあ、シスターと一緒に食べるだけなのでなにもおかしなところは無いのですが、ちょっとだけ寂しい気持ちはあって。
そんなお昼が終わったら午後の授業になるのですが、今日はスキルの勉強。
スキルは各自ある程度同じ傾向にある人達が集められるのですが、ボクと同じ付与術の子は何人かいるので一緒にやることになったのですが、みんな予習をしっかりとしていて、ボクだけ一人足を引っ張る形に。
「努力が足りないんじゃない?」
そう言われてしまっても何も返せる言葉は無くて。
ただ、他の人の付与術は見ているだけでもかなり勉強になったので、毎日の練習以外にもやれることが増えそう。
そんなことを考えているうちに付与術が暴発。
椅子に風魔法がなぜか付与されて、空飛ぶ椅子が出来上がったとおもったらその椅子がボクを乗せて飛び回ることに。
後になって謝られたのですが、付与術で空を飛ぶと結構怖い事を知ることが出来たので、当分これはやりたくないという経験を得る事に。
そして授業が終わったら後は寮に帰るだけ。
でも、友達と一緒に帰っているところに声を掛けられて…………。
「恨みを晴らす。だが、いきなり上に行ったところで無理、……であれば簡単な所へ手ごろに行くべきだな」
怒りが爆発したと思ったら頭がスッキリして。
この怒りの大元は別の人間だというのは分かっても、そいつにいきなり何かを仕掛けたところで実力がある事は分かるわけで。
そんな中で出せる結論は、自分よりも弱い相手から狙えばいい。
「俺を騙していたあいつ等もムカつくが、それを分かっていて馬鹿にしていたヤツの方が罪は重いよな……どうしてやろう」
男や女という取捨選択よりも大人か子供、そして老人とそう言う選択の中で一番手軽に手が出せると選んだのは子供。
さらに言えば、家にいない事は分かっていて学校の寮にいるはずなので場所も地区的に数か所。
寮に入られると面倒だが、その前の通学路であればおかしなことにもならないはず。
「馬鹿にした目で見やがって、赦さねぇ」
男は間違った怒りで間違ったことを起こそうと動き始めます。
「はぁ、客来ねぇ」
その頃のキーファは一人で店番。
いつも通りに客は来ず。
「そろそろ夕飯……、作るのも面倒だし、何食べに行くかなぁ」
グダグダと夕飯の事を考え始めようとしています。
そしていつも通り本人の知らないタイミングで、厄介事が起こるわけで。
まあ、グダグダしている本人がこのタイミングでいつものような項目をチェックするはずもなく。
いつの間にか、キーファの「トラブル」の項目はオンになって。
ちょっと厄介な夜が始まります。
何となく……何となく先が読めた人は沢山の本や小説を読んでいるはず。
お約束って書いてみると楽しい。
あ、やっぱりこうなのねって。
そこまでハラハラしないのは作者の実力不足。
それでもしっかりと楽しんでもらえるようにがんばりまーす




