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南方作戦 ~マレー作戦~

1週間のご無沙汰です。何とか書きあげました。

今更ですが、主役なはずの99式襲撃機の活躍シーンが中々無い……

今週のビックリドッキリメカ的なものが出るのは、次々回になると思います。

 1941年12月8日、タイランド湾上空


「絶好調、真冬のオレ。スピードに乗ってえ。急上昇、熱いオレ。溶けるほど墜としたいい!」


「おい! 誰か、樫出を黙らせろ! 死なない程度、1連射までなら許す」


「何いってんすかあっ! マウザーの20mmに換装してるんですから、1連射で撃墜ですよ!」


 12月2日、フコク島に百式輸送機にて、ある物資が急遽輸送されてきた。

 それは、九州に覇を唱える別府造船グループ総帥、来島義男社長がドイツで買い付けた物資であった。



 それは、1929年に遡る。

 1929年10月24日のウォール街における株価の大暴落、そして暴落から続くおおよそ一週間に空売りと買戻しを繰り返し、その結果アホみたいな利益を上げることに成功した日本人が居た。

「( ´_ゝ`)クックック・・ ( ´∀`)フハハ・・ ( ゜∀゜)ハァーハッハッハッハ!! 」

 えっ?誰かって。そう、九州に覇を唱える別府造船グループ総帥、来島義男社長その人である。


 1929年12月20日 別府造船、会議室において莫大な金額の使い道に頭を悩ましていた。義男たちが日本に帰国したのは、つい3日ほど前のことであった。ニューヨークでぼろもうけした後義男たちはその金を急いで処理すると、その足で客船ブレーメン号に乗船して一路ドイツへと向かい、ちょっとした買い物をした後、今度はシベリア鉄道を使って日本に帰国したのだった。で、帰国後、すぐに会議と相成ったわけである。


 ドイツでちょっとした買い物をした……

 そう、この時に義男は、ドイツ国内でも紙屑同然となったドイツ企業の株を買っていた。

 また、会議後は改めて数社のドイツ企業に投資もしていた。

 そして、それは時に製品や技術として、投資の回収をここ10年程していた。


 1941年6月の独ソ開戦により、シベリア鉄道経由の同盟国日本からドイツへの陸上連絡路が途絶し、日本と英米などとの開戦によって、海上船舶による連絡も困難となると予測した義男は、一気に投資を現物で回収することにした。


 それは、非常に多岐に渡るものであった。特筆すべきものだけで、FW109A-2戦闘機を3機、DB601Nエンジンを60基。マウザーMG151 20mm機関砲1600挺と800万発の弾薬。MG34が500挺と弾丸1000万発。Flak36 88mm高射砲20基。ウルツブルグレーダー4基などであった。

 MG34が500挺なのは、義男が買ったり投資していたのがマウザー社であり、マウザー社での生産数が他社に比して少ないためである。

 世界恐慌後の株購入と投資が、10年で小国の軍隊以上の武力に化けた訳である。


 通称、お買い物船団(義男が名付けた)は、10月にドイツを出発し無事に11月末に日本に到着していた。

 そして、その一部、マウザーMG151 20mm機関砲100挺が、専門の技術員と共に百式輸送機で急遽フコク島に届けられた。

 100挺のマウザーMG151 20mm機関砲は、階級を問わず部隊のエースパイロット達に優先的に割り当てられた。



 フコク島に進駐していた飛行第11戦隊、第59戦隊、第64戦隊は、陸軍航空隊のエリートを集めた精鋭部隊であったので、もっとも重要な1941年12月8日開戦劈頭、コタバル海岸敵前上陸作戦の航空支援を担当した。


 第3飛行集団団長、菅原中将は「上陸部隊が飛行場を占領次第そこに着陸せよ!」という大胆な作戦を計画し、フコク島に進駐していた飛行第11戦隊、第59戦隊、第64戦隊に実行を命じた。各戦隊より1個中隊を抽出し、全体指揮は自ら一式戦闘機に乗り込んだ加藤建夫少佐が行った。船団護衛任務終え、地上部隊から「敵飛行占領す」との報告がなかったにも関わらず、自ら先頭に立ってシンゴラ飛行場に強行着陸した。飛行場はすでに日本軍地上部隊が占領しており、味方の戦闘機が滑り込んできたのを見た日本軍将兵は、歓声をあげて喜んだという。


 日本軍は、占領したてのシンゴラ飛行場に飛行第6戦隊を進出させて、コタバル飛行場のイギリス空軍航空部隊を攻撃させた。コタバルのイギリス軍機は日本軍が上陸した12月8日に、ハドソン爆撃機の合計3回述べ十数機が日本軍輸送船団を襲撃したが、海洋運航多目的船(超大発)によって、シンゴラに運び込まれた超短波警戒機乙によって早期に襲撃を発見され、迎撃を受けて篠原達の撃墜数を増やすだけに終わった。


 マウザー砲の評価としては、「ハドソン爆撃機の左翼がバタンとへし折れた(内翼部に命中時)」「貫通砲弾の出口に直径1m程の大きな風穴が空いていた(撃墜し海岸に不時着した敵機を見て)」といった、従来の日本陸軍機装備の航空機関砲を凌駕する強力な破壊力、初速も高く、狙ったところに一直線に飛ぶ弾道性能や命中率の良さ、装填不良や二重装填も計器のボタンを押すだけで回復し、油圧式でなく電気式による信頼性の高さから、全操縦士達から異口同音に絶賛され、この後も防備も固いアメリカ軍戦闘機や爆撃機相手に遺憾なく力を発揮した。


 この頃、陸軍戦闘機の主力機関銃のホ103も、マ弾と称する特殊弾を従来の機械式信管に代わる空気式信管が、小倉陸軍造兵廠のもとで新開発された。この信管は、弾頭内部に空洞を設け、空洞の先端は金属の薄板でふさがれているだけの単純な構造であり、目標に弾丸が命中すると薄板が変形し、空洞内部を圧縮した。この断熱圧縮によって信管内部の火薬が発火するという仕組みであった。

 小倉陸軍造兵廠は、別府造船からアイデア貰ったといい。別府造船は東南アジアのファイアーピストンをヒントにしたといい。誰が、ファイヤーピストンから空気信管を思いついたのかは謎とされた。


 空気式信管で信頼性と威力を高めたホ103と、大穴があくほどの威力のマウザー砲を2門づつ装備した、一式戦闘機鍾馗に一連射喰らった英軍機は全て未帰還機となった。

 ロッテの一番機が、一連射で敵機を撃墜していくので、2番機から不満が出るほどであったという。


 第11戦隊と第64戦隊が主に撃墜数を伸ばし、第59戦隊の樫出の

「オレの獲物わい!」という叫び声がコタバル上空に響いたという。


 日本軍の爆撃により損害を被って、12月13日にはコタバル飛行場から撤退している。


 引き続き第3飛行団は、制空権確保に全力を投入し、全般の制空権を確保した第3飛行集団の地上協力により、イギリス軍地上部隊は各地で第25軍に撃破され、シンガポールに向けて退却していった。英軍がマレー半島に用意した空軍機約200機は、その半数以上が撃墜されて篠原達の撃墜マークを増やしていた。


 友軍もこの頃には、シンガポール上空まで偵察機を飛ばしていた。

 もちろん、我が軍が誇る百式司令部偵察機でだ。

 クワトロ大尉の百式司令部偵察機は、英軍の迎撃を物ともせず連日の様に偵察を敢行していた。

 百式司令部偵察機が偵察した後は、数日中に日本軍の爆撃機が飛んでくるため、第10戦隊を示す10の数字を意匠した尾翼のマークは、いつしか死のナンバーと言われるようになった。


 クワトロ大尉に「なぜ、軍人になったのか?」聞いたことがあった。

 暗に、「いいところの出なのに」という下衆な考えもあったことは否定できない。


「なぜ、軍人?」

「他に食べる方法を知らんからさ。だから未だに嫁さんも貰えん」

「今の私は、『クワトロ大尉だ』それ以上でも、それ以下でも無い」


 映画のセリフの様な言葉が返ってきて、一同感心してしまった。

 篠原大尉なぞは、メモしていつか使おうという始末。いや、栃木の田舎者がそんな事言ったら、「そうだね。かんぴょう作るしか仕事も無いもんね」としか言われませんよう。

 それと、あなた可愛い奥さんいるでしょ!


 そのシンガポールを偵察したクワトロ大尉の百式司令部偵察機がもたらした情報が、やがて乾達を不幸のどん底に陥れる事になることをまだ知らない……

本家のとなりの山田様の「進め!別府造船所(仮)」の第56話「投資」に繋げてみました。

来島義男が、ドイツでちょっとした買い物をした…… これを有効活用させて頂きました。

可能性は、かなりあったと思います。

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― 新着の感想 ―
輸入されたMG-151機関砲は砲自体も20mm機関砲弾も当然日本では製造は不可能。アメリカでさえマウザー20mm機関砲弾はコピーを断念したほどの精密さでしたからね弾薬もつの?
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