2章 第10話 [新しい仲間]
「近くで見るとなんかすごい…」
船が港の停船場に止まると慶一はそう言った。
凄すぎて、何にも言えない…。
慶一とシスは口をポカーンと開けて固まっていた。
「どうしたノォ〜??? 二人ともぉ〜〜〜???」
「いや、この船が自分達のものになると思ったら…なんか感動してしまって…」
「そぉ〜う、言われると嬉しいわぁ〜〜〜!!!」
ビルカはそう言って、慶一とシス以上に喜んだ。
その時だ!!
「おう! この船、 “オーシャンスニーカー号” の持ち主になるのは其処の兄ちゃんかい!!? それにビルカ様、何故私が…??」
船の上をから声若い女性の声が聞こえた。
そして、誰かが船の上から飛び降り、トンッ! と軽やかに着地した。
その姿は、慶一と同じ歳ぐらいの若い女性だった。
ーーーこの船の名前ダサくね??
慶一はそう心中で呟いた。
「え、誰??」
シスがそう言うと、ビルカがこう言った。
「この船の操船者よぉ〜〜!! 凄いのよぉ〜〜〜!!!」
「え、この女の子が!??」
“ピンク色のツヤのある長い髪” “膨らむところは膨らみ、引っ込むところは引っ込んでいる体型” “整っている綺麗な顔” “白くて綺麗な肌” その姿からはこんな大きな船を操縦出来るとは到底思えない。
慶一がジッと見ているとその女の子と目が合った。
「なんだよ、兄ちゃん!! 私の顔になんかついているのかい!??」
「あ、スミマセン…」
慶一は荒い言葉遣いに瞬発的に謝ってしまった…。
「別に怒っちゃいねぇよ!」
「あ、はい…」
「そういや、まだ私の名前を名乗っていなかったね! 私の名前は “ロゼ” っていうよ! 以後よろしく…」
「よ、よろしーーーーっん!? 以後よろしく?? え、ビルカさん…この女の子…」
慶一が慌ててビルカに「この女の子が俺たちの船の操船者なんですか?」 とそう聞こうとして、言葉を告げ終わる前にビルカが「うん〜、そうだよぉ〜〜〜!!」と言葉が返って来た。
「え、本当に操縦出来るんですか??」
「失礼だなぁ! ちゃんと出来るわよ!!!」
慶一はビルカに聞いたはずなのにロゼが切れた様子で答えた。
「ところでビルカ様、何故私がこの様な者に使えなければ…」
「急に呼び出してごめんねぇ〜! そのうち分かるわよぉ!」
「連絡があった時はびっくりしましたよ…そうですか…」
慶一達に聞こえない声で二人はそう会話し終わるとビルカが笑顔でこう言った。
「今日からこの船と、ロゼちゃんは貴方達の仲間よぉ〜〜〜!!!!! ちゃんと大事にしてあげてね!!!! それじゃあ私、山に戻るわねぇ〜〜〜!! フェニックが居なくなったことだし!!! うふふっ、またねぇ〜〜〜」
そう言い残してビルカはスキップをしながら山のある方にノリノリで向かって言った。
いつ置いたのか知らないが、ちゃかりと地面にダンジョンの地図が置いてあった。
「なぁ、ビルカさんって一体何者だったんだ…??」
誰に聞いた訳でもない慶一の独り言にロゼが答えた。
「ビルカ様は孤独だった私を助けてくれた人だ…」
「そっか…」
ビルカが居なくなってから、ロゼの表情が急に暗くなったので慶一が元気付けようと何かを話そうとしたがその必要はなさそうだった。
「ねぇねぇ、ロゼちゃん!! 髪綺麗だね! どうやったらそんなに綺麗な髪の毛になるの??」
「そうか? それにロゼで良いぞ!!」
ーーーおいシスよ、俺とロゼさんの扱い違いすぎない??
慶一がそんなことを考えてため息をついて俯いているとロゼの声が聞こえた。
「何突っ立ている。 早くしないと置いてくぞ!!」
「あ、はい!!」
慶一は元気よく返事をすると二人がいるところまで勢いよく走っていった。




