2章 第9話 [お礼の品]
「ふう〜っ、やっと港に着いたか…」
慶一は目の前に広がる海原を見ながら額の汗を手の甲で拭きそう言った。
シスがいちいち疲れたなどとわがままを言って、途中途中で休憩の時間を入れなければ一時間着くのが早かっただろう…と言ってもまだ明るい日差しが大地を照らしているお昼だが…。
「あぁ〜、疲れタァー!!! 慶一、喉乾いた!!!」
「海水でも飲んでろ!!!」
ーーー畜生、疲れたのは俺だっつーの!
慶一はモッフンの名前改名しない代わりにシスにおんぶしろっと言われて、此処まで背負ってきたのだ…それなのに暑いから疲れたとか言って休んでたしな…。
慶一はここに着くまで何があったかを思い返すと腹が煮え繰り返りそうになった…。
そうとも知らずシスはまだわがままを口から吐いていた。
「ウルセェ、唾でも飲んでろ!!」
「け、慶一…私を守ってくれるって言ってたのに…」
「いや、シス…俺完全にお前のパシリだよな…」
「そ、そんなことないよぉ〜!! 助け合いだよ、助け合い!!」
「まぁ、そうだな…助け合いだな…」
ーーー俺も結構シスに助けてもらってるしな…。
そう思い慶一はシスの為に水を…としたが、海水以外の何も無かった。
「海水でも飲んでろ…」
「え、なんで!? さっき助け合いで納得してたじゃん!!」
「え? だって周り見てみろよ…飲み水どこにも無いだろ…」
「え〜〜、喉乾いたぁーーー!!!!」
「そういや、シス水筒持ち歩いてなかった?」
「そんなものあったら、こんな駄々捏ねてないわよ!!」
「ちょっとぉ〜、良いかしらぁ〜〜!!?」
二人の会話に申し訳なさそうにビルカが入ってきた。
「あ、すみません…どうしたんですか?」
慶一はビルカの存在を一瞬でも忘れていたことに謝ったがビルカは何故慶一が謝罪したのかが分からなかったので、謝罪を受け流してこう言った。
「いうのが遅れたわねぇ〜〜、条件達成おめでとうぅ〜〜〜!!!!!」
「あ、そうだった! すっかり忘れてた!! ダンジョンの地図早く下さい!!」
「おい、シス…図々しいぞ!!」
そんな二人の会話にビルカが微笑ましく笑顔を見せた。
「まぁまぁ〜、落ち着いてぇ〜〜、ちゃんとあげるわよぉ〜〜〜!!!」
そう言うとビルカはズボンのポケットから小汚い紙をだした。
「オォ!! それはもしや!?」
シスが目をキラリと輝かせた。
「そう、ダンジョンの地図よぉ〜〜〜」
その言葉を聞いたシスの興奮度はもう誰にも止められなくなった。
「ウヒャー!!! 本物のダンジョンの地図!! 本物のダンジョンの地図!!!」
「おい、シス…」
慶一は今のシスを見て仲間だと思うとどこか恥ずかしい気持ちになった。
「まぁ、メインのお礼の品はコレだけどねぇ〜〜〜!!!!!」
叫ぶようにビルカは海がある方に手を指す。
その先には、金や無数の宝石で覆い尽くされている船体の高さ約三十メートルはあるだろう、物凄い立派な木製のガレオン船が海原を渡りこの港まで来るのが見えた。
「で、でかぁ〜〜〜〜!!!!!!!??」




