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勇者がパーティから外されたそうです  作者: めーる
第2章 勇者が船を手に入れるそうです
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2章 第2話 [条件]

「条件って何ですか…?」


慶一は恐る恐るビルカに条件の内容を尋ねた。


「ん〜〜〜? そうねぇ〜〜〜……。 どっちにしようかしらぁぁ〜〜……山か海…。」


そう言いながら、ビルカは人差し指を唇に当てながら悩んでいる。


そして、どっちにするか決まったのだろう。

“ポンッ!” と両手を合わせながらこう言ってきた。


「それじゃぁ〜〜、お山でぇ〜〜〜!!!」


ビルカはどこか遠くに向かって指をさした。


その先には “お山” では済まされないほど巨大な山があった。


「え、もしかしてあの山に登るの…?」


シスがそうボソッと呟くと、ビルカは当たり前のように「そうよ」と言ってきた。


「慶一、私この港からまた船が出るのを待つ方が良いと思う。」


「そうだな、シス… 断るか。 あの、ビルカさんやっぱーーー」


「待ってぇぇぇ〜〜〜!!!!!」


慶一の言葉がビルカの声によってかき消された。


「船をあなた達にあげるノョォ〜〜〜! 旅が相当楽になると思うわよぉ〜〜!!!」


「船をあげる…」 慶一がその言葉にときめきを感じていると、シスはビルカに向かって何か文句を言い始めた。


「その分、条件を達成するのが大変ってことよね? そんな、高価な船と同等な条件って…死んだっておかしくないんじゃないの?」


「死」… 慶一はそう思うと、身体中から冷や汗がじわじわと出てきたきて、勢い余って言い放った。


「え、死ぬの!?」


「もしかしたらねぇ〜〜〜」


ビルカさん…今シスが「死ぬ」とか言わなかったら教えてくれなかったんですか?

そんなに危険な条件だってことを…。


慶一はそう思うとゾッとした。


「んじゃぁ〜〜〜、引き受けてくれないノォォ〜〜〜??」


モアイ像のような顔をしたビルカが女の目で慶一にお色気を使い始めた。


「慶一、惑わされないで!」


シスがそう言ってきたので突っ込もうとしたが、声に出すのはビルカに失礼だと思った慶一は声には出さずにこう叫んだ。


「いや、惑わされないわ!」


ビルカは慶一には効果がないと分かるとため息をつきこう言ってきた。


「んじゃぁ〜〜、これでどうぅ〜〜?? 船一隻と、もう一つ報酬にダンジョンの場所が記されている地図ぅ〜〜〜???」


いや、あんま変わらないだろう…慶一がそう思っているとシスが「ノッタァァーー!!!!!」と叫びだした。


「いや、シス!? どうした!? いくら報酬が良いからってこの条件には “死” の危険があるんだぞ!」


そんな慶一に向かってシスはこう言った。


「それでも本当に勇者なの?」


「うっ…」


シスに嫌なところを突かれた…


「え、勇者ァァァ〜〜〜?! 勇者様なのォォォ〜〜〜!?」


「え、あ、はい…勇者ですが…」


慶一は自信なさげにビルカの質問に答えた。


「え〜〜〜! マジィィィ!?!?!?!?」


そんな驚くか…?


「え〜〜〜、貧弱そうなもやし(• • •)みたいな白い身体だったから、てっきりものすごく弱い旅人さんかと思ってたわぁぁ〜〜〜!!!!」


ビルカさん…俺のことをそんな風に思ってたのに死ぬかもしれないってくらいの危険な条件を……

てか、もやし(• • •)言うな!!!


「まぁ、良いわぁ〜〜〜。 勇者さん頼むわねぇ〜〜〜。 ちゅ!」


イヤ、良くない良くない! 全然俺は良くないです! 勝手に条件を達成するためにあの “如何にもヤバイ山” に行くことになってしまってますけど、俺に拒否権はないんですか?

てか、最後の投げキッスは何?!


慶一が心中でこう思う中、シスとビルカが勝手に話をどんどん進めていく。


「それで、その山で何をすれば良いの?」


「う〜んとぉ〜ねぇ〜、あいつを倒すのよぉ〜〜〜! あいつをぉ〜〜!!!」


「あいつって何よ!」


シスがまた怒鳴る!


気性荒くなりすぎじゃない? 慶一はそう考える中、シスに向かってこう言った。


「いや、普通にこの港で船を待とうよ」


するとシスは腹黒い顔を慶一に近づけて、右手を口にあてながら何かコソコソと喋りだした。


「慶一、よく聞いて! 船なんて、高価なものそうそう手に入らないわよ! それに、ダンジョンよ! ダンジョン!! もしかしたら、スキルの紙切れがあるかもしれないのよ!」


今の話を聞いてシスが条件に前向きになった理由がようやく分かった。

つまりアレだ…。 “スキルの紙切れ” …。


実際のところ俺も “新たなスキルの紙切れ” が手に入ると思うと少し乗り気になっていた。


「そういえば、あいつって何よ!」


シスがビルカに強気な口調で “あいつの正体” を聞いた。


「不死鳥 フェニックスぅ〜〜〜!!!」


その言葉に慶一達はその場に凍りついた…。


「 え、フェニックスって!?…。 あの三大怪物の!?!?!?!?!?!?」


「そうよぉ〜〜〜〜!!! んじゃ、先に行ってるわねぇ〜〜〜!!!」


ビルカは「それじゃぁ〜〜〜、またねぇ〜〜〜!!!」と山の方に向かって行った。


慶一は目を凝らしてフェニックスがいるという山を見る。


頂上には太陽のように燃え輝く何かが居るのが見えた…。

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