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勇者がパーティから外されたそうです  作者: めーる
第1章 勇者がパーティから外されたそうです
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第20話 [世界樹に行こう!!]

「精霊?」と慶一はユリシアに困惑しながら聞くと、精霊について教えてくれた。


「 “精霊” とは、神と昔に “ある契約” を交わして任された土地のお宝を護る者かしら? でも、その土地が消滅してしまったり、護っているお宝が無くなったらその時、神との契約は終了になるの。 で、運が良ければ私のように自分を護ってくれるものとして契約を交わすことが出来るのよ。」


話を聞き終わり、慶一は疑問に思ったことを質問した。


「ある契約ってなんですか?」


その質問にユリシアは慶一にこう答えた。


「言い伝えだと、神から永遠の命を与えられる代償にこの世界を護るという契約らしいわよ。 まぁ、言い伝えだから本当かどうか分からないけどね。その前に 神という存在があるのかも危ういし…。」


そう言うと、ユリシアは肩にいる兎のような姿をした精霊の頭を指の先でそっとやさしく撫でると右手を“グー”の形にし、青い空に向かって上げてこう叫んだ。


「それじゃあ、世界樹に行くか!!!」


慶一は「オォオオオ〜〜!!!!!」とユリシアと同じポーズをとった。



世界樹までの道はこんなに長いのか…。


慶一はそんことを思いながら歩いていると、森が見えてきた。


それを見て慶一が「あ、アレが “誘惑の森” ですか!」と言うと、ユリシアは「そう、アレが “誘惑の森” だよ。」と頷いた。


慶一はそう聞くと嬉しそうに森の中に入っていった。


なんたって、“誘惑の森” といえば慶一が好きな物語の舞台だからな! 伝説のパーティーの物語の舞台……。



森の中は思ったほど明るく、獣道だけではなくちゃんとした道もあった。


しかし、歩きやすくは無かった……。


理由は世界樹に近付くほど、モンスターが強力になっていくからだ。


慶一はユリシアとチカラを合わせてそんな道を進んでいった。


そしてようやく、世界樹の目の前までたどり着いた。


入り口はすぐにわかった。


なんたって、世界樹に大きな穴が空いているのだからな。


しかし、その穴を見たユリシアはこう小さく呟いた。


「こんな穴、前に来た時は無かったはずだが……」


ユリシアが「なんだこの穴は? 」 と考えていると慶一は先に世界樹に入ってしまった。


ユリシアは「おい待て、私を置いて行くな。」と言い慶一に走ってついて行った。



慶一は中に入ると思っていた以上に広かったのか「広い……」とその一言が最初に口から出て来た。


そして「 こんなに広い世界樹で、一輪の赤薔薇を探すのか……」と慶一が途方に暮れているとユリシアがこう言った。


「赤薔薇は最上階に咲いているんだぞ」


そう聞くと慶一は“伝説のパーティーの物語”の内容を思い出して、「そうだった」と手を叩いた。



最上階までの階段を一段ずつ登る。


「疲れた……」と慶一が愚痴を垂らす中、ユリシアがこう問いただした。


「慶一、おかしいと思わないか? 」


慶一はその言葉に「え?」と困惑し、「何がおかしいんですか?」と質問を質問で返した。


ユリシアは「分からないか」と言うとこう言った。


「モンスターが少な過ぎないか? しかもどのモンスターも弱っている。 それに世界樹に空いているあの大きな穴はなんなんだ!!?」


慶一はいきなりのこと過ぎて、どう答えたら良いのか分からなかく、ただ「落ち着いて下さい!」と伝えた。


ユリシアは「すまない」と言い、またさっきの様に階段を登り始めた。



ーーーしばらく登っていると二人は目を丸くした。


なんと目の前に、誰かに殺されたのであろうモンスターの死骸が沢山転がっていたのだ。


そしてユリシアはその光景をしばらく見るとこう言った。


「こんなに強いモンスター達でも、こんな風に殺されるのか……慶一、この先には多分このモンスター達を殺した奴らがいるだろうから油断するなよ」


そう言われ慶一は身を引き締めた。



慶一達は最上階に着いたが、ここまで来る途中に人は誰一人居なかったので、慶一はよく近所にいる奥さんの様に手を前に出しフリフリしながらこう言う。


「も〜う、さっき見た死骸はモンスター同士喧嘩して死んだりしたものだったんじゃないんですかぁ〜? はははは〜……」


ーーユリシアの目が恐い……。


慶一が固まる中、ユリシアは「そうかもな」と言うとどこかに向かって指をさした。


慶一は「ん?」とユリシアの指差す方を見る。


なんとそこには、赤薔薇があった。


慶一は急いでその赤薔薇を取りに行き、「 これで、シスが……」と感動していると誰かが来る足音が聞こえて来た。


『カツン……カツン……カツン……』


誰かが最上階まで上がって来ているのだろうか…?


慶一とユリシアはその場で呆然としてその足音に耳をすます…。


ユリシアが階段に目をやると男の頭が見えてきた。


「誰だ! 貴様!!!」と言うユリシアを無視して男はこう言った。


「道に迷ってた……」



慶一はユリシアの言葉を指摘した。


「ユリシアさん、ただの普通の人かもしれませんよ。 そんな言葉遣いダメですよ……」


ユリシアはその言葉に「普通の人がこんな所まで来るか?!」と返した。


慶一は「確かに……」と思い、男のことをじっくりと見た。


男の体付きは細身ながら、どこかしっかりとしている。


次の瞬間、男は慶一の前まで来ていた。


「おお!! これが王の言っていた赤薔薇かぁ〜!」


そう言うと男は無理矢理慶一から “赤薔薇” を取ると世界樹に穴を開け、外に飛び出して行った。


ユリシアはその光景を見て、「やはり、人の仕業だったのか……! しかし、一人でアレをやっていたとしたら彼奴は相当厄介だな……」と呟くと、慶一にこう言った。


「彼奴は誘惑の森の方に行った! すぐに行くぞ!!」


慶一達は世界樹の出口を目指して走る。

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