第19話 [手紙]
慶一は訳がわからず戸惑う。
「え? 何? 不良の親玉!? いや、違いますから!!」と慶一が言っていると女性は「言い訳するな!!」と突っ込んで来た。
速い! 何なんだこの人!? このスピード、あの時のミノタウルスにも負けてないかも!!
そう考えて居たら、もう目の前に居た。
さっきまで慶一と女性は五十メートル以上の距離があった。
それがたった一回、目を瞬きしたらもう目の前だ!
慶一は「ラムズ!」と言い女性に魔法を使ったが、あっさりと避けられた。
そして女性は慶一に剣を振りかざした。
その時、慶一はあたり全体がスローモーションになったかのように見えた。
慶一はシスを助ける為に此処で死んではいけないと一か八かで地面に高圧電気のラムズを打った。
地面一帯に電気で出来た膜が広がる。
その姿を見た女性は鼻で笑ってこう言った。
「何がしたいんだ?」と…。
その瞬間! 慶一が目に捉えられないほどの速さで後ろに移動した。
「!?」
女性はその光景に驚いた。
何故、今慶一が高速移動したか簡単に説明すると地面の中の磁力と電気の力を利用して反発させたからだ。
女性はすぐにさっき慶一が高速移動した技の仕組みを把握し、こう言った。
「少しはやるようだな…。 しかし、本気を出した私のスピードについて来られるかな?」
次の瞬間、女性は残像も残らないくらいの速さで慶一の背後に移動した。
慶一も雷魔法を応用し、高速移動した時だった…。
エドワンから預かった手紙があまりの速さで飛ばされ、地面に落ちた。
女性はその手紙を拾い、唖然とした。
「……あ、私…勘違いをしていたのか………?」
慶一は敵ながら、どうした? と心配した。
女性は剣を鞘にしまい、慶一に近づき手紙を渡すとひとつ質問した。
「あなた、不良じゃないの?」
慶一は「さっきから、不良じゃないとあなたに訴えてましたよ!」と質問に即答した。
その言葉を聞き、女性は自分の失敗を笑って誤魔化した。
さっき殺されかけた慶一はその光景を見て怒りが湧いてきた。
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慶一と女性は和解し、お互いに自己紹介をした。
それで分かったことだが、なんと女性はエドワンの言っていた王宮魔道士らしい。 …道理で強いわけだ…。
んでもって、名前は “ユリシア” というらしい。
ユリシアはエドワンの手紙を詳しく見ると、「少し待っててくれ」と言い残し王宮に旅の準備をしに行った。
しかし、そう言われてから数十分も待っているのだが、なかなか来る気配が無い…。
なんで来ないんだと思い、落ち込んでいると、「お〜い!」と手を振りながらこっちに向かって来るユリシアの姿が見えた。
その光景を見た慶一は嬉しくなり、ユリシアの所に駆け寄って行く。
近付くにつれて、ユリシアの肩に何かが見えてきた。
なんだと目を凝らして見てみると、それが動いていることが確認出来た。
手と手が触れ合うぐらいの距離になるとそれが生き物だと分かった。
慶一がその生き物について質問するとユリシアはこう教えてくれた。
「これは世界樹ヘブンの力を宿す “精霊” よ」と…。




