第15話 [守り人]
ーーー昔々、ある所に一人の男の子が居ました。
その子の名は“コーダル”……。
それはそれは、とても家族想いで心優しい勇敢な男の子でした。
しかしある事件がきっかけで“コーダル”の性格は変わってしまいました。
#
「うぎゃ〜ん、うぎゃ〜ん!!!」
産まれたての赤ん坊の泣き声が世界樹の中で響き渡る。
「オォ、やっと産まれたか! 男の子だったら“コーダル” 女の子だったら“マリエル”……性別はどっちだ!!?」
そう言いながら、何処かへと急いで向かうガタイの良い大男の姿ある。
その大男の先には子供を産みたての女性と泣き声をあげる赤ん坊が居る。
大男は赤ん坊の姿を見るとその体格には似合わない泣き方をした。
「ゔぉおおおおおおおおおおおおおおおん!!!!!!!!!!!!! これがわしの子かぁぁあああ!!!!!!!!!!!!!」
その姿を見て女性はにっこりと笑いながら言った。
「あらあら、貴方まで泣いて……」
その言葉を聞いた大男はこう返した。
「だって、わしの子だと考えると感動で涙が止まらんのじゃ!!」
泣きじゃくる大男。
そんな光景を見た女性は大男に笑いながらこう言った。
「どんなに勇敢な戦士でも産まれたての我が子の前では、泣くのですね……」
そう言われると大男は赤面した。
そして話を変えるように話しだした。
「そういえば、男の子、女の子、どっちじゃ!?」
女性は大男の質問にこう答えた。
「貴方に似た立派な男の子ですよ」
それを聞いた大男は言う。
「じゃあ、名前は“コーダル”じゃのぅ!!」と…。
#
ーーーコーダルが産まれて、八年が経った。
「おい、また世界樹の外に出ようとしたじゃろう」
コーダルにそう注意する大男が居る。
そう、コーダルの父である。
コーダルは父に質問をした。
「何で、外に出たらダメなの?」
そう言われると、父はこう答えた。
「まだお前は、入り口を開くための詠唱を覚えていないじゃろう」
要するに、一回外に出たらもう此処世界樹の中には入れないからである。
前に一度だけだが、コーダルが消えてから父はずっとこの調子なのである。
父はそう言うと何処かへと行った。
その様子を見て父が完全に自分の視界から消えるとコーダルは言った。
「今日こそ、外に出てやる……」
#
皆んなが寝静まった夜っと言ってもコーダルとその両親の三人しか居ないのだが……。
何か物音がする。
「しめしめ、皆んな寝てやがる……」っとクスクス笑いながら昼に準備したであろう荷物をカバンに入れて背負うコーダルの姿がそこにはあった。
物音の原因はコーダルである。
#
世界樹から出ると月光で微かに照らされている地面を見てポツリと何かを考えた。
「もう自分では、中には入れないんだよなぁ〜〜。 でも前みたいにきっとまた探しに来てくれるから良いか!」
そう心に言い聞かせると、前みたいにすぐに見つからないようにと、出来るだけ遠くに行こうと前へと走り出した。
ーーーしばらく前進していると、自分と同い年ぐらいの少女の影らしきものが見えて来た。
「何だろう……アレは??」と言いながらコーダルは足を止めた。
「お化け? じゃないよね?」そう言いながら影に近づいて行く。ゆっくりと少しずつ……。
『パキッ!?』
コーダルは地面に落ちていた木の枝を踏んでしまった。
それ音の所為で影はコーダルに気付き近づいて来た。
コーダルは怖いと思いながらも逃げなかった。いや、足が震えて逃げることが出来なかった。
しかし、そんな状況でも影は自分に近づいて来ている。
ある程度まで影が近くまで来ると月のお陰で微かにだが、顔がくっきりとして来た。
そして影が完全に目の前にいる頃には足の震えが収まっていた。
生きている人間だと確信したからだ。
頭には真っ赤な薔薇の髪留めをしていて、とても良い匂いがする少女だった。
その容姿は、美し過ぎて何にも表せない。
コーダルはその顔を見て名前よりもなぜか先に歳を聞いた。
すると少女はにっこりと笑いながら「九歳だよ!」と答えた。
コーダルよりひとつ年上だった。
コーダルは照れて少女の顔を見ることが出来ずに俯いていた。
一目惚れしたのである。
しばらく沈黙が続くと少女が話しかけて来た。
「こんな遅くに何で外に居るの?」
コーダルはそう聞かれて一瞬戸惑ったがこう答えた。
「外に出たかった」
その答えに少女はクスクスと笑いこう言った。
「何それ! 面白いね!」
そしてコーダルは照れながらも少女に同じ質問をした。
すると、「これは内緒なんだけどーーー」
そう少女が話し始めた途端に、焦げ臭い匂いが何処からかして来た。
コーダルは周りを見渡した。
すると世界樹のある方向が赤く光っていた。
その光景を見て直ぐに分かった。
世界樹が燃えていると……。
#
コーダルはさっき来た道を一生懸命逆走した。
しかし、世界樹に着いた頃にはもう遅かった。
入り口は無理矢理こじ開けられていたので中に入ることが出来た。
そして炎がごうごうと燃え盛る中、父と母の姿を探した。
父の姿は真っ黒な無残な姿になっていた。
しかし、母の姿は何処にも無かった。
コーダルは泣いた。赤ん坊の様に泣きじゃくった。
しばらくしてコーダルの跡をつけて来たのかさっきの少女が背後に居た。
少女は何故か「ごめんね」とコーダルに謝った。
その言葉は泣いていたコーダルには聞こえていなかった。
それに気付いた少女は自分の真っ赤な薔薇の髪留めを外し、床に置いた。謝罪の代わりだろう。
その瞬間少女の隣に一人の男が『パッ!』と現れた。
そして男は少女に「お嬢様、来ていたのですか……私がまた怒られるのですね……とほほ〜〜」と言うと二人は何処かへと消えていった。
ーーー微かにだが「バイバイ」と言う少女の声が聞こえた。
#
それから何年かが過ぎ、コーダルは旅に出てエドワンと出会った。
そして、真っ赤な薔薇の髪留めはコーダルの御守りとなっている。
「勇者がパーティーから外されたそうです」を読んでくださり誠にありがとうございます。(なんか堅苦しいですね、この挨拶w
今回は過去の話の過去の話を書いてみました。(重複してよくわからない文になった…。
まぁ、こんな感じで、久しぶりにちゃんと? 後書きを書いてみました。
図々しいですが、感想や評価をしてくれると幸いです。
これからも「勇者がパーティーから外されたそうです」をよろしくお願い致します。




