第13話 [世界樹“ヘブン”]
「ーーーじゃあ、ヘブンに入るか…」
カミルが勝手に指揮をとり始める。
その様子をみて、プライドが高いエドワンがまた突っかかる。
「何でお前が勝手に指揮をとってるんだよ!」
エドワンがカミルにそう言った瞬間だった…。
サーランが大きな声で叫んだ。
「お前ら、毎回、毎回メンドくさいんだよ〜!!!!!」
声が森に響き渡る……。
そして、辺りが静寂に包まれる…。
そんな中サーランがニッコリと笑みを浮かべながら一言……。
「行きましょうか!」
周りの男達三人の声が「はい」と、重なった。
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「そういえば、入り口何処にあるの?」
コーダルがボソッと呟いた……。
その呟きにもサーランは即回答。
「入り口は根っこが地面から浮き上がっている何処かにあるわよ」
皆んながサーランに感心する。
「前から思ってたけど、何でそんなに色々知っているんだ?」
エドワンが興味津々に質問した。
しかし、その質問には返答が無かった…。
そしてカミルが話を変えるようにこう言った。
「早く入り口を探そうぜ!」
サーランとカミルは表情が全く無くなっていた……。
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かれこれ二時間ぐらい入り口を探しているが全く見つからない。
男達三人が「本当に入り口なんてあるのか?」などと愚痴をブツブツ言っている中、サーランはとても真剣に何か詠唱をしている。
「世界樹よ、妾に心を許したまえ……妾には一切の欲望は無い……」
そんなサーランの様子に皆んなの目が釘付けになる。
「何をやっているんだろう?」
エドワンがそう思っていると大きな音と共に急にヘブンの巨大な根が動き始めた。
「うわっ、何だよこの揺れは!? うわ、根が動いているぞ!?」
根はタコの足のように、うねうねと激しく暴れている。
ーーーしばらくして根の動きと、大地の揺れが収まるとそこにはやっと人が一人入れるであろう入り口が出来ていた。
「入り口発見〜!」
そう言ってカミルは、今世界樹に出来た入り口に飛び入った。
その様子を見た、エドワンとコーダルも中に入って行く。
サーランはゆっくりと入り口に向かい完全に中に入りきると小声で詠唱をし、入り口を閉じた…。
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世界樹の中は、まるで太陽があるかのように明るく、巨大キノコが壁から無数に生えて螺旋階段状になっている……それは、はるか高くまで続いていた。
そして足下には、見たことがない草が沢山確認できる。
皆んながその神秘的な空間に、周りを見渡している中、コーダルはサーランに何かを言いたそうにしていた。
サーランはコーダルのそんな様子を見て「どうしたの?」と聞いた。
コーダルは本当に聞いて良いのかと一瞬悩んだが聞いた。
「あの〜、さっき世界樹の根を動かして入り口を造ったのって、“サーラン”だよね?」
サーランはその言葉に一瞬戸惑ったが、冷静をすぐに取り戻し「そうだよ」と頷いた。
サーランが頷いたのを見て、コーダルは更に質問をした。
「おい、サーラン!……お前、まさか……!!!」
その瞬間だった。
カミルとエドワンの喧嘩がまた始まった。
サーランはコーダルから逃げるようにその喧嘩を止めに入った。
「ここは神聖な場所よ……喧嘩なんかしていると天罰を喰らうわよ」
サーランの眼差しはいつも怒る感じと違い、とても真剣だった。
エドワンは恐くなりカミルに謝った。
カミルも同じ様に謝った。
その様子を見届けるとサーランは皆んなに言った。
「今回の目的を忘れないようにね……」と……。




