第11話 [探し物]
慶一はレヴィンチの前までたどり着くとその場に倒れた。
それを見た門番の兵士が慶一に近寄る。
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ーーー目が覚めるとそこには一人のおじさんが居た。
「おぉ、やっと目が覚めたか……安心しなさい、私は医者だ」
そう言いながら、おじさんはニッコリと笑った。
慶一は今まで眠って居たベッドから跳ね上がりシスを探した。
「あの、シス! シスはどこですか?」
おじさんは一瞬驚いた顔をしたが、またすぐにニッコリと笑いこう言った。
「シス? あのお嬢ちゃんのことかな?」
おじさんの指差す方向にはシスの姿があった。
深く眠っているようだ。
そんなシスに近寄ろうと立ち上がろうとしたが、思うように身体が動かなかった。
「あぁ、まだ横になってなくちゃダメだよ……二日間も目が覚めなかったから私は、心配したんだよ……」
「それにあの子だったらもう大丈夫だよ……多分」
「え、多分ってどういうことですか?」
慶一がそう聞くとおじさんは無言になった。
そしてしばらくして、こう言った。
「実は、あの子の病を完全に治す薬を作るにはあと一つ材料が足りないんだ……なんとか今の状態まで回復したけど……この状態があと何日続くか……」
沈黙がしばらく続く。
「あの、その材料は僕が探して来ます。 なのでシスを助けて下さい!」
慶一は頭を下げた。
「でも君はまだ横になってなきゃ……少なくともあと一日は様子を見なきゃねぇ〜」
そう言われると慶一は「そうですか……」とベッドに横になった。
………やっぱり、諦めきれない。
そんな様子を見たおじさんは「明日になったら探して来なさい!!」と言った。
すると慶一は、ベッドから勢いよく起き上がり「ありがとうございます!」と笑顔になった。
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「ーーーそれでは行ってきます」
おじさんにそう言うと扉を開き外へと飛び出した。
ずっと室内に居て分からなかったが、商人達が路地にあふれ物売りの声が響きとても町の様子は賑やかだった。
「わぁぁぁ〜、やっぱり首都は凄いなぁ〜」と関心していると誰かから話を掛けられた。
「やぁ、慶一…… 久しぶりだなぁ〜」
慶一は声のする方を見て驚いた。
「………、あ、お、ゔっ。」
変な声が出てしまった。
すると、相手はすぐさま突っ込んできた。
「なんだよ、今の声!!」
そしてニヤニヤしながら続けて喋る。
「てゆ〜か、お前まだ仲間みつかっていないのかよ……」
周りの雑音にも負けないぐらいの高笑いで慶一は三人組に馬鹿にされた。
「お前、パーティーから抜けてもう一ヵ月は経つぞ。そんなんで大丈夫な•ん•で•す•かぁ〜?」そう言うと再び笑い出した。
そう、今慶一の目の前に居るのはこの前別れた元パーティーの奴らだ。
慶一は震える声で言い返す。
「い、居るよ……居るよ! 仲間なら!!!」
大声を出した慶一に周りの人が注目する。
「嘘つくな」返って来た言葉はそれだけだった。
元パーティーに冷たい目で見られる。
「嘘じゃない!」慶一はムキになって叫んだ。
「じゃあ、なんでその仲間がここに居ないんだ?」
とニヤニヤしながら言われた。
そのうち馬鹿にするのが飽きたのか「まっ、お前と話す時間が勿体無いから」と言うと街の人混みに紛れて慶一の視界から消えて行った……。
慶一はその場で泣きながら崩れていった。
その様子をおじさんが扉の隙間から悲しそうな目で見ていた。




