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幼馴染が引きこもり美少女なので、放課後は彼女の部屋で過ごしている(が、恋人ではない!)  作者: 永菜葉一
2章「一歩進んで、さらに甘々days」

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第40話 幼妻と耳かきと俺と


 唯花(ゆいか)からの耳そうじが終わり、俺は起き上がった。

 耳どころか頭がすっきりして体全部が軽い。ちょっと悔しいが、非常にリフレッシュしている。唯花は本当に耳かきの才能があるかもしれない。


「ご感想は?」

「大変結構なお手前でした」

「お粗末さまでございます」


 俺は深々とお辞儀をし、唯花も同じようにお辞儀を返した。

 と、同時にその手から耳かきを奪い、俺はキラッと目を光らせる。


「じゃ、次は唯花の番な?」

「え、あたし?」


 カーディガンの掛かった肩をすくめ、首を振る。


「あたしはいいよ。ちゃんといつも耳そうじしてるもん」

「耳かきの極意はそうじにあらず、って今教えたばっかりだろ。ほれほれ、いいから俺の膝に座れ。シッダウン、ハリィーハリィー!」

「えー、せっかく奏太(そうた)を甘えさせたから、今日はその充実感いっぱいで過ごしたかったのにぃ……」


 文句を言いつつ、そこは生来の甘えん坊な唯花である。

 俺が女の子座りするのもあれなので、ベッドに移動して腰かけると、大人しく膝に頭を乗せてきた。


「三つ編みがちょっとかさばるな。どうするか……」

「外してみる? 頑張ったら脱着可能だったりするかも」

「お前の三つ編みは外部装甲ユニットか。せっかくのレアな三つ編み唯花だ。ほどかず邪魔にならないように持っててくれ」

「はーい」


 三つ編みを白い首元から通して、胸元で唯花に渡す。

 きれいに編み込まれた髪がネクタイみたいになってFカップに埋まった。ちょっとエロい……。


「ごほん。いかんいかん」

「どったの?」

「なんでもない。ちょっと集中しようと思っただけだ」


 耳そうじにエロは御法度。心を清く保たねば。


「よし、始めるぞ?」

「はじめてだから優しくしてね?」

「へいへい」


 唯花の軽口はさらっとスルー。

 普段通りを装いつつ、俺は心のなかで熱い復讐心をたぎらせる。


 ……くっくっくっ、これで攻守逆転だ。

 さっきはさんざん辱められたからな。俺の耳かきテクで癒しまくり、リフレッシュさせまくり、甘やかしまくってやる。


 そして最後には『やっぱりあたしは奏太に甘える方がいい~っ』と宣言させるのだ。我ながらなんという極悪な計画。自分の残酷さに震えが走るぜ。


 しかしそれも確かなテクニックがあってこそのもの。様々な動画から学んだ知識を今こそ生かすのだ。


 まずは唯花にやってもらったのと同様、耳かきのフックを使ったアプローチだ。

 俺は耳かきを構え、唯花の耳の溝を押していく。


 グッ、グッ……。


 するとほんの二押し程度のところで。

 ビクンッと唯花の体が跳ねた。


「――っ!? ちょ、奏太っ! 今、なにしたの!?」

「んあ? お前がやってくれたのと同じフック押しだよ。ほらここの丸みで押すやつ」

「え……ただ押しただけ? 本当に?」


 唯花は耳かきのフックを見つめて目を丸くする。

 大げさなやつじゃわい。まだ始まったばかりだぞ?


「ほれほれ、いいからもっかい寝ろ」

「や、待って。なんか変な感じというか、嫌な予感が……」

「いいから、いいから。ハリィーハリィー」


 起き上がっていた唯花の肩をぐいっと押し、もう一度寝かせる。

 そしてフック押しを再開。耳の溝を丁寧に押していく。



 グッ、グッ、グッ、グッ……。


 ふっふっふ、どうだ唯花。俺の耳かきさばきは……って、ん?

 ふと見たら、唯花は小刻みに震え、押される度に吐息をこぼしていた。


「ふっ、ふっ、ふっ、ふっ……んんっ」

「どした? 気持ちいいだろ?」

「わ、分かんないよ……っ。なんかぞわぞわして……変な感じ」

「変な感じ? ……あー」


 なんとなく思い当たり、フック押しを続けながら言う。


「唯花、マッサージの時もくすぐってたもんな。ニートだから体に刺激が慣れてないのかもしれん」

「ニートは関係ないよね!? ……んっ! ね、ねえ奏太、一回、手止めて?」

「ちょっと刺激を変えてみるか。こういう感じはどうだ?」


 押すのではなく、耳の溝に沿って滑るようにかき始める。



 さわさわ、さわさわ、さわさわ……。



 すると、どうだろう。

 溝を一周するまでもなく、唯花は――。


「ひゃうんっ!?」


 可愛らしい声を上げて仰け反った。

 自分で自分の声にびっくりしたのか、口を押えて目を白黒させている。


「な、なに今の……っ。ほ、本当にあたしの声……?」

「くっくっくっ、いい声だったぜ? お嬢さん」


 俺は必殺仕事人のように耳かきを構え、キランッと目を輝かせる。


「どうやら唯花も肌で感じ始めたようだな? 耳かきのリフレッシュ効果、その気持ちよさというものを……!」

「ち、違っ。奏太、これたぶん違う。あたし、未経験だから確証ないけど、たぶんこれリフレッシュとかそういうのとは逆方面の……っ」


「ふはははっ! そんな見え透いたウソに騙される俺だと思うか! 大人しく俺の耳かきで癒され尽くすがいい!」

「ウソじゃないっ、ウソじゃないからぁ! ね、お願い? 一旦ストップしよ? それで冷静に事態を分析して――」


 まるで懇願するような唯花の眼差し。

 俺はフッとニヒルに笑い、耳かきを華麗に構えた。


「問答無用で続行っ!」

「いやぁぁぁっ! 未体験の気持ちよさを教え込まれちゃう! ――ひゃうんっ!?」


 唯花の甘い声が響き、俺は耳かきの神業を繰り出しまくる。つづく!


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