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幼馴染が引きこもり美少女なので、放課後は彼女の部屋で過ごしている(が、恋人ではない!)  作者: 永菜葉一
アフターストーリーズ

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After54☆お寝むな唯花は甘えん坊☆

「さーて、始めるかー」


 時刻は夜の11時過ぎ。

 俺はバイトから帰ってきて風呂にも入り、小テーブルにレポート用紙を広げている。


 今から講義のレポートをやるところだ。


 ぶっちゃけ言えば2人で全部同じ講義を取ってるから、本当は唯花(ゆいか)のレポートを参考にさせてもらってもいいんだが、やっぱりこういうのは自分の力でやんなきゃな。


 俺はシャーペンの尻を叩いて芯を出し、「よっしゃ」と気合を入れて作業を始めようとする。


 が、しかし

 

「そ~た~。もうね~む~い~」


 なんか背後のベッドからめっちゃ可愛い妖怪が手を伸ばしてきた。

 後ろから抱き着いてきて、容赦なく頬づりしてくる。


「ね~、おねんねしよ~?」

「だぁーっ! いかんじゃろ! 俺、レポートやるつったろ! 良い子だから一人でねんねしなさい」

「え~……」


 めっちゃ可愛い妖怪こと、もこもこパジャマの唯花が頬っぺたをくっつけたまま膨れ面になる。


 くそ、まじで可愛いな。

 指で頬っぺた突っついてくれようか。


 抗いがたい誘惑に駆られていると、唯花は「む~、む~」と無駄にうなって手を伸ばし、俺のシャーペンを無駄に指先でイジイジしてくる。


「レポートってぇ……いつ終わるの~?」

「いや分からんけど、1時間ぐらいか?」


「むりぃ……唯花ちゃん、1時間も起きてられなぃ……」

「だから先に寝てろってばよ」


「や~!」

「や~、じゃなくてだな」

「や~ったら、や~!」


 なんかベッドの方で足をパタパタし始めた。

 もうちっちゃな子供のようだ。


 そんなん見ていると、こっちはヒロインを甲子園に連れていく双子の兄貴の気分になってくる。


 ……ウソみたいだろ?

 弟と、生まれたばかりの妹がいるんだぜ、これで。


「あー、唯花さんや」

「な~んじゃ~らほ~い、ソッちゃんや~……」

「いやタッちゃんとかカッちゃんみたいに言うな」


 あとエスパーか。

 むしろエスパーなら良い子で寝てくれ。


「お前ももうお姉ちゃんじゃろ? まあとっくの昔にお姉ちゃんだったが、今やさらなるお姉ちゃんじゃろ? 寝る前にグズってたら、妹のひなに笑われるぞ?」


「む~……いいのです。お姉ちゃんの可愛いもこもこ姿を見てぇ……ひなちゃんが笑ってくれるなら、それはもう世界平和~……」


「違う。そういう話じゃない」

「じゃあ、どういう話~?」


 ズリズリと唯花がベッドからずり落ちてきた。


「も~、奏太(そうた)がどうしてもあたしの安眠を妨害するって言うなら~、こっちにはこっちの考えがあるの~……」


 そう言って何をするのかと思ったら、座ってる俺にまたがって、コアラのように抱き着いてくる。


 もこもこの柔らかさと、あとなんか違うもののとんでもない柔らかさが怒涛の勢いで押し寄せてきた!


「これでちょっとは寝れるかも~♪」

「待て待て待て!? 俺がレポート出来ねえですよ!? ってか、エロい気持ちになったらどうするんだってばよ!?」


「え、お断る。眠いから」

「お断られた!? 眠気に負けた!?」


 スンッとした顔で返され、ショックな俺である。

 一方、唯花は「うみゅ~……」とグズグズ言いながらまた抱き着いてくる。


 いかん、これは本格的にレポートができん。

 何か違う戦法を考えるべきだろうか。


 俺は頭を悩ませつつ、肩の辺りにおでこを擦りつけてくる唯花の髪をぽんぽんと撫でる。


「なんでそんなに一人で寝るの嫌なんだ? 一緒に暮らす前はいつもちゃんと一人で寝てたろ?」


「だってぇ~、もう知っちゃったんだもん。だから……我慢できにゃい」

「知っちゃった? 何をだ?」


 すると、肩の方からチラリと見つめてきた。

 眠気のせいか、頬は火照って赤くなり、瞳はうっすらと潤んでいる。

 とろんとしたその顔で、囁くようにポツリと。




「奏太の腕枕でねんねするの、あたしの一番の幸せタイムなの~……」




 ……こ、こやつめーっ!

 ちくしょう、んな可愛い顔で、んな可愛いこと言われたら、なんとかしないわけにはいかんじゃろーが!


「ちょっと待ってろ! 10分で仕上げるから!」

「にゃは~、頑張れ~! ソッちゃん、唯花をベッドに連れてって~……ねむねむ」


 うつらうつらしている唯花を抱きかかえ、1文字目からラストスパート。

 マジで10分でレポートが仕上がり、ちょっと自分が怖くなった冬の日だった。


 ちなみに唯花はすでに半分夢のなかだったが、腕枕をしてやったらギュッと抱き着いてきて、嬉しそうにスヤスヤ眠ったとさ。


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