ロ日の戦後
最後です。ここまでありがとうございました。
ロシア
広大な国土の面積が超負担。素直に喜べない。資源は多いがそれを生かせる人材も資金も足りない。資源開発では常に日本を巻き込んできたが、戦後はヨーロッパ各国を引き込もうとしている。
戦時国債の負担も大きくつらい。
勢い軍縮で人材の流動化を促進すると共に財政の健全化を図る。
海軍
ほとんど無いに等しかったので、領海警備と災害救助任務は変わらず。人数も変わらず。変わらない人数で黒海の警備が増えたので結構きつい。
空軍
大幅に機数削減。旧式機は全て廃棄。国産機をと言う声は大きいが、財政がそれを許さず。相変わらず日本機が多い。だがシコルスキーがこそこそやっているようだ。ソビエト共和国のいくつかの設計局がロシアに庇護を求めてきている。ソビエト共和国との協議次第だが受け入れも有りかなと。
陸軍
当然削減される。今後は重点的な警戒対象に絞っていく事になる。重点的警戒対象というのはもちろん中華方面だ。ソビエト共和国の軍事力なら一蹴できる。よって兵力は中ロ国境に集中的に配備される。
戦車は日本系からソビエトで開発された戦車へと移る事になる。後にЯ53として正式兵器になる戦車は1950年代戦車(戦後第1世代)の頂点となった。
人々の暮らしはロシア国内と新たにロシアとなり復旧した土地ではかなりの差があった。だが、復旧した地方は農業・工業とも発達しており、十数年で差は無くなる。首都をエカテリンブルクに移すかどうかの協議はたびたび起こるが、エカテリンブルクでは陸の孤島になる可能性が高く却下され続ける。
ソビエト共和国
領土が狭くなった。狭くなったおかげで、減った予算でも今までに比べればだが潤沢に回せるようになり、国土の開発は進む。予算は少々なのでゆっくりだ。戦後賠償が重い。ただベルサイユ条約に比べればかなり少ない。
人々の顔は明るくなってきている。もう横暴な共産党員とかNKVDや密告を恐れなくても良いのだ。
日本
長きの戦乱で国庫が怪しい。はっきり言って赤字財政である。幸いな事に戦時国債の6割が国内ではけた。アメリカが3割。東南アジアの国々で1割持っている。陸軍・海軍とも大幅に削減された。大鉈は特に装備費の高い海軍に振るわれた。
戦艦
大和、長門を残し廃艦。建造中の武蔵も廃棄しようとしたが、それを知った勢力が反対運動を民間まで広げる。結局、維持費の額を公開したところ反対運動は萎んだ。そしてスクラップになった。長門も近いうちに廃艦となる予定。
空母
翔鶴級は2隻ずつ運用。2隻は予備艦状態へ。蒼龍・飛龍・雲龍と小型空母は希望が有ったので売却。海竜は各種装備のテストベッドとして残った。
巡洋艦
新世代巡洋艦だけ残し、廃艦と売却へ。建造中だった艦はほとんどが建造中止となった。後に海外から引き合いがあり、阿賀野級軽巡に限ってだが工事再開。
駆逐艦
こちらも新世代駆逐艦を残し廃艦と売却。
潜水艦
こちらも新世代潜水艦を残し廃艦。状態の良い艦は相手の管理能力次第で売却。
航空機
機数大幅削減。艦攻・艦爆は兼用機で有る流星の成功に伴い現役引退。零戦も引退かと思えば十七試艦戦である烈風のできが悪く、ジェット時代まで残った。烈風は仕方なく採用されたと言う噂が立つほどの凡作で配備機数も少ない。陸攻は陸軍と共同開発の四式重爆の成功を持って陸海共用機として採用。連絡機や輸送機に改造された以外は引退。水上機も最新型を残し引退。ただヘリコプターが開発されたらしいという噂がロシアから流れており、小型水上機がいつまで配備されるのか。
陸軍
動員解除で有る。これで人数は一気に減る。ただ海外派兵分が有り国内正規部隊は総数の半分程度になった。
戦車は一式中戦車の成功を持ってして発展型の五式中戦車や新思考の五二式戦車が開発される。ロシアのЯ53が出て驚いた。この戦車では勝てないと五二式よりも強力な戦車の開発を進める。兵器の型に皇紀を採用するのは1950年が最後で、西暦を採用するようになる。これは兵器輸出を考え得ると必要な措置だった。五二式は皇紀でいくと一二式となる。
歩兵銃
アメリカのM1ガーランドを羨ましく思いながら新型の開発を進める。
航空機
海軍同様、大幅機数削減。戦闘機は四式が主力になり、他機種は廃棄。四式戦闘機の成功で思い上がる。ジェットまで新型は開発しないと。爆撃機は軽爆を廃止。九七式重爆も四式爆撃機に切り替わる。
P-39は延べ1400機まで膨れ上がる。戦後廃棄。だが妙に人気があり、少数機が動態保存される。
民間では、戦時報道が政府により行き過ぎないようコントロールされ、終始落ち着いた世相だった。占領地支援で逼迫していた一部物資も潤沢に供給されるようになったのは1947年になってからだった。
もう戦争は当面無いと皆思っている。
当面というのは中華方面や朝鮮半島に不穏な動きが有るからだ。
最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございます。
最後、不穏な動きとか書いてありますが続きません。




