プラハの春、のちルートBBB
柔らかいソビエトの下腹には、キエフ、オデッサ、セバストポリと言う要衝がありますが遣欧軍はどうする。
日本陸軍遣欧軍(以下遣欧軍)は、チェコ国境を越えプラハを目指した。
ソビエト軍は航空戦力を削られて、上空支援の無いままに戦わざるを得ずズルズルと後退していく。装甲戦力は上空から狙い撃ちにされ、少数しか残らない。
抵抗する戦力には地上からの精密誘導で対地攻撃が繰り返され殲滅される。
情報によるとチェコスロバキアとハンガリー、ルーマニア、合わせて30個師団だという。こちらは1個師団に毛が生えた程度だが圧倒的な航空優勢と集中運用によって、統治という名の略奪を行うため広範囲に散らばり単体では師団未満なソビエト軍を各個撃破していく。
国境を越えて4日目でプラハを解放できるとは思ってもいなかった。ソビエト軍は周りがすべて敵で有り、隠れ潜んでも地元民からの通報で撃破された。
あまりに早い進撃に補給部隊が追いつかない。ブルノに設定されたソビエト軍の抵抗線も対地攻撃で崩した後に装甲戦力が突入し、あっけなく崩壊した。
ここで一旦待てが掛かった。BFJR連合軍司令部からだ。遣欧軍も一度体勢を立て直す必要がありブラチスラバまで前進したところで野営をと思ったら、地元からソビエト軍を追い払ったお礼なのか各種施設を使わせてもらうことが出来た。やはり野営よりも建物である。
BFJR連合軍司令部からはクラフクを目指さないかという提案だが、最初からポーランドには手を出すなと言われていることを盾に断った。対地支援程度なら出すということで話が付いた。
遣欧軍に押されチェコスロバキア方面からクラフクに後退した部隊とポーランド南部の部隊が合流して結構な大きさになっていたらしい。
後から解ったことだが、現地のソビエト軍は10個師団と戦車500両を中心とする軍であった。ただ、悲しいかな航空戦力は消耗し尽くし、ほぼ上空支援を得られなかったという。
最初はやはり航空攻撃であった。2日間行われた。
まず、多数の戦闘機に護衛されたランカスターとハリファックスが爆弾多数をばらまき、その後でブレニムとボーファイターが細かい地上目標を狙い撃ちにした。
この攻撃には、チェコスロバキア方面で手が空いた独立第18飛行団も加わった。装甲車両狩りである。
ランカスターとハリファックスはさすがに出撃一回だったが、ブレニムで3回、ボーファイターと十八飛行団は5回出撃した。
この攻撃で大きく損耗したソビエト軍は戦線を支えられずキエフを目指して後退していく。
その過程で双方100両以上の戦車が相対した戦車戦があり、それを聞いた遣欧軍戦車兵は悔しがった。
遣欧軍はブラチスラバで少し休養を取った後ブダペストを目指す。予定ではブダペスト解放後はブカレストを目指す。
作戦名はルートBBBとされた。何のひねりも無い。ただ事前航空偵察ではブダペストまでのソビエト軍はほぼ見当たらず、息を吹き返したハンガリー軍が逃げ遅れたソビエト軍狩りをやっているらしい。これはチェコスロバキアでも同様だった。これは、ポーランド国内で敗戦続きのソビエト軍が戦力統合のため各地から引き上げているためだった。
おかげで、遣欧軍の南進は順調だ。順調すぎて拠点整備も出来ない。
最終目的地は黒海の港町、コンスタンツァだった。さすがにウクライナには踏み込めないし、そんな戦力は無い。
コンスタンツァは黒海を制圧する上で重要な港になる予定だ。既に日本では大和を旗艦とする日本海軍遣欧艦隊が錨を上げた。
戦力は
第二機動艦隊 (旗艦)大和
第一戦隊
戦艦 大和 長門
第二航空戦隊
空母 海竜 水竜
第三十二駆逐隊 長月 春月 照月 霜月
第五戦隊
重巡 高雄 鳥海 摩耶 愛宕
第一水雷戦隊
軽巡 矢矧(旗艦)
第六駆逐隊
陽炎 不知火 秋雲 初風
第七駆逐隊
黒潮 親潮 早潮 夏潮
第八駆逐隊
天津風 時津風 雪風 浦風
第九駆逐隊
磯風 浜風 谷風 野分
掃海隊(対潜部隊兼任)
第十八戦隊
軽巡 鹿島(旗艦)
第六航空戦隊
水上機母艦 千歳 千代田
第四十駆逐隊
松 竹 梅 桜
第六海防隊
御蔵 三宅 淡路 能美
第三掃海隊
掃海艇
八号 九号 十号 十二号
第四掃海隊
掃海艇
十三号 十五号 十六号 十七号
他工作艦明石や大鯨などの補給艦と支援艦数隻で補助部隊が構成された。大鯨は潜水艦母艦であるが、その補給能力と慰安設備を買われて参加が決まった。
第四十駆逐隊の松、竹、梅、桜は、戦時急増駆逐艦として試験的に建造された。ただ長期戦になりそうもないので、樺、樫、楢、楠の合計八隻で建造は打ち切られた。この建造で得られた急速建造技術は後に日本造船業界の隆盛に繋がっていく。
第六海防隊の御蔵・三宅・淡路・能美は、耐用年数の来た旧式駆逐艦の代わりとして北方警備用に作られた択捉級と占守級に次ぐ物で、寒冷地の居住性と千島列島の荒波を考慮して作られた暖房完備の贅沢に作られた前級とは違い、北方警備は任務から外れており耐寒性の高い居住装備は簡略化されている。代わりに南方警備を考慮され、簡易ながら冷房が付き通風も強化されている。建造には松級の考えが導入され急速建造を取り入れている。
艦隊は一旦アレキサンドリアに集合し、そこから黒海を目指すことになっている。
大和・長門はソビエト黒海艦隊相手なら不要であるが、対外的なものとセバストポリ要塞との撃ち合いを考えられての参加である。対艦航空攻撃に自信を持っており、旧式戦艦であるガングード級など一蹴出来ると考えていた。大和はお披露目である。武蔵は未だ工事中であり戦争終結までに間に合うか不明である。仮に間に合っても出番は無いだろう。
ルーマニアをどうするのか迷っています
キエフやオデッサやセバストポリが近いのでソビエト軍が頑張るのか、そっちへあっさり撤退か
どうすんでしょうね←他人事の模様
次回更新未定 近いうちに




