BFJR
JRの新路線?
予約時間を間違えました。
予約じゃ無くて投稿してしまいましたよ
英仏がソビエト人民共和国に宣戦布告し、ドイツもまた自国内に侵攻してきたソビエトに厳重抗議する。ベルサイユ条約の縛りで宣戦布告は出来なかった。
機会をうかがっていたのはロシアだった。英仏がソビエト人民共和国に宣戦布告した日から、国境で様々な挑発を繰り返していた。
そして、エニセイ川の東に向かって銃弾が飛んできた。一発なら誤射であるという言い訳も出来たが、部隊単位で撃ってきた。よほど頭にきたのだろうが、我慢が足りなかった。
ロシア、ソビエト人民共和国に対して宣戦布告をする。
この宣戦布告で日本もソビエト人民共和国に対して宣戦布告した。ロシアとの条約で自動参戦条項があったためだ。
またロシア・日本は、英仏と連合軍を組む事で合意した。異様に早い合意だった。
BFJR連合軍の結成であった。
B (ブリテン) F (フランス) J (日本) R (ロシア) 。バジャーと呼ぼうとしたがフランスが読みに入っていないとしてダメが出た。また、最後は嫌だとごね、結局Fが入ると言いにくい言葉になるので、ビーエフジェイアール連合となった。
また同時にベルサイユ条約主要幹事国である英仏日は、ドイツに対してベルサイユ条約の履行停止を認めた。もう一つの主要幹事国アメリカもソビエトが侵攻しているとして同意した。事実上の破棄である。ソビエト人民共和国が抗議してきたが、ドイツに侵攻している段階で抗議する資格を失っていた。
同日、ドイツはソビエト人民共和国に宣戦布告。BFJR連合軍に加盟する。
ソビエト人民共和国の脅威にさらされているアドリア海沿岸諸国やブルガリアも加盟しようとしたが、待ってもらった。中立を堅持して欲しかったのだ。そこまで面倒見る余裕は連合国にはなかった。
トルコも加盟しソビエト人民共和国に宣戦布告したが、黒海周辺へ展開するだけで戦闘はしなかった。ソビエト人民共和国の戦力を引きつけるだけで十分な役目を果たしている。これでソビエト黒海海軍が地中海に出る望みは無くなった。トルコ海軍もソビエト黒海海軍も装備は旧式で貧弱だが、ボスポラス海峡を押し切る力はソビエト黒海海軍には無かった。
飛行八十八戦隊に命令があったのは、宣戦布告と同時だった。主にソビエト航空戦力と機甲戦力の漸減を命じられた。上級司令部に連合国司令部が置かれ、命令は今後そこから降りてくるようだ。
これに対して八十八戦隊はポーランド国内のソビエト航空戦力に対する有効な反撃手段を立案した。
近い奴から手当たり次第である。案と言うほどの物では無かった。情報が少なくてこれしか無かっただけだ。
ただ足下のチェコスロバキアにもソビエトは入っており、そちらも同時に相手にしなければいけなかった。
八十八戦隊の装備機は相変わらずの機体の他、偵察飛行隊である飛行五十六戦隊から分派されてきた新司偵が8機。それに、ようやく陸軍の正式名称が付いたP-39がさらに増え戦隊規模を超えていた。正式名称は鈴式戦闘機であった。ベルそのままじゃないかとみんな思った。もっとも誰も鈴式などと呼ばずP-39のままだった。補給部品でさえP-39用と書いてある。
P-39は純戦闘機型と対地攻撃機型に分かれてしまった。純戦闘機型は主翼内機銃を取り外し、機首の20ミリと13ミリだけの軽快な機体だ。二型と分類された。地上攻撃機型は主翼内機銃を残した他、主翼下の爆弾架を増やし左右で50キロ爆弾8発を搭載できるようにした。胴体下にも爆弾架を増設、こちらは最大250キロ爆弾1発が可能だった。三型である。
八十八戦隊の初仕事は、ドイツ防衛隊から要請された「チェコスロバキアから北上してくるソビエト軍の阻止」になった。
情報によると、数は少ないが航空機も存在しているようだ。
新司偵を飛ばしポーランドのみならずチェコスロバキア方面も偵察しているが敵は分散配置され、占領地の治安維持(略奪と暴行)に当たっているようだった。
これを好機と捉え、新司偵の先導で少数機による奇襲攻撃が行われる。
P-39二型12機と三型24機が新司偵の先導で高度1000を時速470キロの同高度での三型爆装時の全速で飛行していく。
『こちらカラス3番、全機。10時下方に敵集団』
『フォックス1番、確認した。これより行動を開始する。フォックス2番、3番は続け。フォックス4、5、6は撃ち漏らしを』
『『了解』』
「うらやましい」
飛行場の待機室でスピーカーから流れる実況を聴いていたミッキーが言う。くじ引きで控えになった。くじで当たった者もドイツ人パイロットに出撃を譲ったりしている。
「次は出るさ」
グレッグが言う。そこへシンが入ってきた。
「なんだ?」
「喜べ、出るぞ。今行った奴らが帰って来る前にポーランド方面だ」
「同じ方向じゃないのか」
「思ったよりも勢力が少ない。来ても陸で対抗するし、こちらも近いので反復攻撃をするそうだ」
「陸って少ないじゃないか」
「ドレスデン防衛部隊が1個師団居る。合同で当たるそうだ」
「今上がった奴はそのまま上空警戒か」
「運が悪い奴もいるさ」
『フォックス4番突撃する。5番6番続け』
『了解』
『イワンの馬鹿に喰らわせろ』
『『おお』』
「威勢がいいな」
「祖国防衛だからな。気合いが入るんだろ」
「俺たちはお仕事だ」
「「そうだな」」
「近いからすぐ帰ってくるぞ。急ごう」
「アイアイ」
『出撃要員は指揮所前に集合せよ。繰り返す、出撃要員は指揮所前に集合せよ』
「ほら呼ばれた」
指揮所前に集合したパイロット達は、目標がポーランド国内に点在する機甲部隊と聞く。
「キッペン隊長、機甲部隊だけなのか?」
グレッグが聞く。
「そうだ、歩兵部隊は地元に紛れてしまって判別が付かん。地元民を巻き込む攻撃はしない」
「なあ、ドイツ人パイロット達が先にチェコに行ったのって…」
「そうだな。政治的配慮と言う奴を上層部がした。もうじきそんな事も言っていられなくなるだろうが、そう言う事だ」
「分かったよ」
グレッグも納得したようだ。
「よし、ならチェコに行った奴らが帰ってくるまでに全機上がれ。もし滑走路を塞がれたらたまらんからな」
「「「「了解」」」」
そこからは慌ただしかった。先に出撃して連中は20分もすれば戻ってくるだろう。それまでに攻撃隊全機があがらなけれいけなかった。
列線にはすでに皆の愛機が暖機されて並んでいた。すでに新司偵は離陸している。
『全機出撃せよ』
『2中隊1小隊離陸せよ』
『グレッグ、急ぎすぎだ。お前の小隊はあと3分待て』
『フェラーニンの小隊は離陸せよ』
フェラーニンの小隊はマッキが4機になっていた。イタリアで仏印の活躍?を知って新たに2機と、イタリアにしてはたっぷりの予備部品が届いた。イタリア人整備士とパイロット達もだ。フェラーニンは小隊長になった。
管制は日本人相手だと部隊で呼ぶが、外国人相手だと聞き間違いを防ぐため個人名で呼んでいる。
離陸した後には、何らかの不具合で出撃が出来なかった機体とキッペン隊長のHe112改が残っているだけだった。
チェコスロバキア方面に出撃した編隊が帰投した。対空砲火で少数の損傷機が出たほかは損害は無いようだ。
八十八戦隊は英仏の部隊が展開を終えるまでは、ドイツ国内の貴重な航空戦力として重要視された。
部隊の意気は高かった。日本からさらに機体と人員が追加されると聞くまでは。小さい部隊で気楽にやれると思っていたのだ。さらに現地でも人員募集を掛けていた。基本が傭兵で日本人の人手不足を補うという名目の部隊だ。おかしい事では無かった。
同時に飛行戦隊として大きくなったので、2個飛行戦隊配備とし独立第十八飛行団に格上げされた。八十八戦隊と新たに編成された九十九戦隊である。
指揮官は、キッペン隊長はそのまま八十八戦隊隊長として残り、九十九戦隊隊長と飛行団司令は日本からやってくる。
戦場は東西に拡大しソビエトは戦場を東西に抱える羽目になった。
ソビエトをフルボッコする体制は整いつつあります。
史実ほどの国力が無く生産力も低いソビエト
兵器生産の中心になりそうなイギリス
海軍と大砲以外には兵器開発の不思議を見せるフランス
陸軍戦力がしょぼい日本
戦力の割に壮大な目標を掲げるロシア
そして、不況脱出を期待するアメリカ
どうなるんでしょう




