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ここは日出ずる国  作者: 銀河乞食分隊
南海鳴動
27/60

講和 そして

講和です。

本文中にも書きましたが、日本は仏印を領土として欲していません。

 日本は、英仏の停戦の申し入れを受け入れた。

 英仏と停戦しただけで講和まで行っていないが、

 条件として


東南アジアでの英仏の軍備制限

 シンガポール以東に1,500トン以上で備砲が3インチ以上且つ2門以上の艦艇の配備禁止

  魚雷は搭載できない

  警備・救難ならこれで十分である。現場への急行もあるとして速度制限は無い

 陸上戦力を治安維持程度ととし、7.7ミリ機関銃以上の装備の禁止

 戦闘用航空機の配備禁止


英仏はインドシナ半島における宗主権の段階的な放棄を行う

 条件として、現地人による統治機構の確立

 道路、橋、水道等のインフラ整備を英仏の資金と責任において行う

  日本も協力する  (将来的な影響力確保のため)

 

アラビア半島における日本資本の行動自由を認める

 英仏は日本資本の安全確保に努める義務を持つ

 インド洋全域と南シナ海の日本船籍船舶の安全確保

 

英仏領域からの地下資源・森林資源や食料・繊維などの物産を、今後50年間相場の半額で購入できる

 

英仏領域での日本人の安全確保


 以上を最低条件として、打ち出した。

「拒否したら分かるよね」と。 


「拒否したら分かるよね」と言われても、値切るのが交渉担当者の役目である。植民地と自国のみのフランスはともかく、イギリス本国と関連の植民地だけが対象なのか、連邦全体(カナダ・オーストラリア・ニュージーランド等)も含まれるのか、英国にとって大きな問題である。

 結局、今回の宣戦布告に連邦加盟国が含まれていなかったため、本国と植民地のみが対象となった。


 日本としては、面倒な海外領土など必要なかった。予想するに、面倒な独立運動に悩まされることになり、結局独立されてしまう。それなら、最初から手を出さずに、経済的な繫がりを強めた方が良いという判断だった。

 それよりも資源や食料などの物産を長期安定的に安価で入手可能な手段を得られた方が、長期的には国の役に立つという考えだった。


 英仏はポーランドが完全に占領される前に手を打たなければいけなかった。国際的には戦争していないという状態が必要だった。

 概ね日本の条件を受け入れた。何しろ迂遠な方法をとって売った喧嘩を自分から降りるのだ。事実上の敗戦だ。


 いくつかの修正後(泣きついた)受け入れたのは


東南アジアでの英仏の軍備制限

 シンガポール以東に1,500トン以上で備砲が3インチ以上且つ2門以上の艦艇の配備禁止

  魚雷は搭載できない

  警備・救難ならこれで十分である。現場への急行もあるとして速度制限は無い

 陸上戦力を治安維持程度ととし、7.7ミリ機関銃以上の装備の禁止

 戦闘用航空機の配備禁止


 これは日本として譲ることは出来ない安全保障上の問題であり、英仏も現地から撤退しなければいけない状態ではやむを得ないとして、受け入れた。



英仏はインドシナ半島における宗主権の段階的な放棄を行う

 条件として、現地人による統治機構の確立

 道路、橋、水道等のインフラ整備を英仏の資金と責任において行う

  日本も協力する  (将来的な影響力確保のため)


 一番の問題がこれだった。ただ、自分達の行いが招いた結果であり、日本に強く指摘され渋々受け入れた。実のところ維持費用(軍隊駐留などの統治費用)と利益の釣り合いが独立運動の激化などでマイナスに傾きそうな頃だったので、内情を知っている人間はこの機会と見て現地の放棄を働きかけた。

 もちろんごく少数で、大勢は何が何でも維持することを願っていたが。


 

アラビア半島における日本資本の行動自由を認める

 英仏は日本資本の安全確保に努める義務を持つ

 インド洋全域と南シナ海の日本船籍船舶の安全確保


 最初の問題はここからだ。英仏とも、問題をこじらせようとしたが「拒否したら分かるよね」が有り、おそらく膨大な原油を日本に渡すことになる条項を歯ぎしりして認めた。特に石油資源を持たないフランスがごねたが日本が押し切った。フランスはこの後アフリカ植民地での資源開発に力を入れることになる。


 

英仏領域からの地下資源・森林資源や食料・繊維などの物産を、今後50年間相場の半額で購入できる

 

 これは日本も吹っ掛けすぎと思っていたが、英仏も同じように思ったようで、様々な条件が行き合った。

 結局、半額で二十年か7割で40年かと言うことになり、日本は7割で40年を取った。

 考えてみれば、半額終了後いきなり定価になり物価を急激に押し上げることが確定しているような物だ。3割引が定価になってもそこまで酷いことにはならないだろうと。



英仏領域での日本人の安全確保

 

 これは英仏とも受け入れた。もし日本人を保護せず排斥や暴行などを行ったら国際的な恥である。もう恥をかいているじゃ無いかと言う声も有ったが、それはそれだった。

 他細々とした条項があったが、主な争点は以上だった。

 講和条約の調印は早かった。まだポーランドが頑張っている。 



 かくして性急すぎるが、ポーランドが頑張っているうちに講和条約は結ばれ、英仏は堂々と対ソ参戦することが出来るようになった。形式上だけだが、両国にとってはそれで十分だった。

 日本にも参戦要請が出された。英仏は恥を知らない国家らしく講和後すぐに。ひっそりとだが、スウェーデンやスイスも日本に打診してきた。中立を謳っているがソ連がそんな物は無視してきそうなのは明白だった。特に両国の資産は欲しいだろう。スイスは周辺をソ連にした後で締め上げればいいだけだろうし。トルコも参戦要請をしてきた。ドイツはあからさまに泣きついてきた。

 ドイツに軍備制限を掛けたのは、経済的にドイツ復興、強いては戦時賠償支払いの面で有効であったが、ソ連は将来的に侵略目標として弱体化させていたかったのかも知れない。


 かくして国際的な問題もあり、大戦後国際影響力を増した日本は対ソ戦へ向かうことになる。


 その一環で、陸軍飛行八十八戦隊がドレスデンに派遣されることになった。歩兵二個連隊、戦車一個大隊、砲兵一個中隊、支援一個大隊を伴って。アメリカ人傭兵の活躍と犠牲を持ってしてアメリカを引きずり込みたいという部分もあった。

日本が油田を掘り当てたのは、リヤド南西部で史実では後年UAEになる地域の北くらいです。

なので状況次第ですがパイプラインをオマーン湾やアラビア海まで引っ張り、ホルムズ海峡を通過しなくても良くなる可能性もあります。


今後の更新ですが、最近と同じように不定期となります。

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