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ここは日出ずる国  作者: 銀河乞食分隊
南海鳴動
25/60

閑話  OFC タフピッチカッパーを超えし物

ストーリーが伸びません

飛行八十八戦隊どうするかな


閑話でごまかすのもいい加減にしませんとね


章を分けるのを忘れていました。今になって気がつく間抜けぶり

 [宗方サンプル]を基に基礎研究は始まった。

 さすがにWW.1の最中は大きく出来無かった。

 資料の整理と分析が行われた。

 進展が見られたと思ったら関東大地震である。

 横浜に在った研究施設も火災で焼け落ちてしまった。幸い資料はすベて複製した物であり速やかな復旧は可能だと思われたが、研究中の研究結果が燃えてしまいまた一からやり直しだった。


 政府はこの事態を受け、資料の原本を複製することに決定。大坂・横浜・盛岡の三ヶ所に保管施設を作りそれぞれ複製を保管した。

 研究施設は横浜と秋田に分けた。盛岡に作らなかったのは港が無い内陸だったからだ。大物を運び込めないのでは研究施設は作れない。その後、千葉・苫小牧・三沢の三ヶ所にも分室が作られる。

 研究施設が東日本ばかりなのは西日本では人口密集で広大な土地の確保が難しかったからだ。

 ゆっくりとした歩みだったが確実に進んでいく。


 そこへ再び世界恐慌という障害が発生した。研究費の削減もあった。関東遍重を行い地方を疲弊させた政権が行った失政の一つと軍事関係者からは見られた。

 その中、地震被害で建造中止になった陸奥を始めとする建造中止艦艇の予算で海外の特許や機械類を買い付けるという事を海軍が行った。この研究で一番恩恵を受けられそうなのが海軍である。無理やり予算がごまかされ多方面へ転用したことにされた。

 アメリカやドイツには美味しい果実が多数在った。倒産した企業からスクラップにするような機械や切削工具等を買い付け輸送する。それでも悲しいことに日本製の機械や工具よりもずっと良かった。とにかく鉄と精度が違いすぎた。日本には無い機械も多数手に入れた。各種特許や権利をかなり安く買うことも出来た。

 さすがにアメリカでは制限が掛かったがそれでもかなりの成果があった。

 その事で反感を買わないよう、関東大地震の援助のお返しという形の各種援助を行った。日本も苦しい中から援助をしたと言うことは一定の評価を得た。


 政権は海外に高い評価を受けるという言葉に誘導され予算を許可した。海軍艦艇の建造中止と引き換えであり予算上問題は少なかった。


 ドイツには各種投資が行われた。これは将来発達する技術資産を日本に還元させる目的だった。


 この時多くの冶金技術や電気技術・化学技術他を入手。大戦終了時で二十年遅れだった技術水準を昭和十年には十年遅れまで縮めることに成功する。


 その中には金属精錬技術もあった。

 金属強化には純度を上げればそれだけ強化できるという当たり前の性質があった。

 この場合邪魔なのは、リン、ヒ素、鉛、硫黄、シリコン、ホウ素、炭素が主であり、従来の国内精錬所ではなかなかいい物が作れなかった。

 このときの技術導入により、かなり良質の金属が精錬されるようになった。


 同時に光学技術もカールツァイスを始めとする名だたる欧州光学メーカーから導入に成功。

 欧米並みの高精度な物は作れなかったが、従来よりもずっと良い光学機器の製作が可能になった。後に大和級のトップに鎮座する十五メートル測距儀の精度向上に役立ったと言われる。


 

 金属精錬技術で特に注力されたのが宗方機関出力向上の肝となる銅線の高性能化である。すでに国内でも純度99.9%以上の銅材料は電気精錬で精錬が出来ていた。ただその後工程が旧態依然であり何らかの革新が待たれていた。もちろん研究開発努力は怠ってはいない。

 現状で生産されるタフピッチカッパーでは素材の限界(加工性があまり良くない)で3割増しが限界であり、断線による出力低下や故障もあった。それ以上の効率を求めるのは新技術を待つしか無かった。

 逆に加工性の良い脱リン酸銅は電気伝導特性が良くないという問題があった。

 両方を縒り合わせても同じ太さだと逆に良くないところが強調された。

 良好な加工性と良好な電導特性を両立する素材が待たれたのである。


 その中、ついに無酸素銅という素材が出来上がった。コストがとんでもなかったが。電気炉で精錬された銅塊を再度精錬するのであるが、不活性ガスを使った無酸素雰囲気中で伸銅まで行うのである。装置の自動化は技術的に無理で、職人技が要求された。現場の人間は良くこの要求に答え、一丸となって成果を上げた。

 これにより、宗方機関の更なる高出力化と小型化が可能になった。

 ただ、高コスト(不活性ガスと密閉施設)と生産性の低さ(連続精錬が出来ない)が問題となったが、主目的は高価でも効果が有れば使う軍事・社会基盤用途であり、民生用途への大々的な転用は技術発展を待つとされた。

 昭和十一年のことだった。


 早速、最新鋭空母海竜級に使用され良好な運用実績を示した。既存艦艇にもドック入りの際に線材だけであるが交換された。これにより機関故障がかなり減った。機関故障といっても機関自体は正常で宗方機関が不調あるいは全くダメと言うことで、航行自体は出来たのである。

 


 その後、線材の性能が向上したことで小型化が進み航空機や軍用車両に搭載も可能となった。航空機採用第一号がアメリカ生まれのP-39だった。軍用車両は仮称一式中戦車だが、開発に手間取り二式となりそうであった。

 航空機第二号は、出力不足で苦労している機体だった。プロペラ延長軸に仕込むのだが、P-39では二重だった宗方機関を小径四重とすることで同じ効果を得ている。ただ、出力向上はいいが、かなり重くなり機体の延長をしても後部重量が足りず、飛行姿勢が前のめりになってしまった。

 そのため主翼の機銃には上向き角度を付けている。ちなみに飛行中の前方視界は前のめり姿勢のためデカいエンジンにもかかわらず非常に良かったと言われる。

 エンジン出力が水メタノール噴射装置を外しても離床出力で二千馬力出るようになり、最高速度も三百五十ノットを超え上昇力も素晴らしい物だった。



十五年ほど早く無酸素銅が登場しました

LC-OFCはこの三十年後くらいかな

PC-OCCはさらに十年後かな


航空機採用第二号はアレですね

機銃に上向き角度が付いているのは実機でも前のめり姿勢で飛行しているため事実です

図面で見るとちんまりしたかわいい飛行機ですが、実機は迫力あったでしょうね



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― 新着の感想 ―
[気になる点] P39が使い勝手良いならキ88の実用化もアリなのかな?
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