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ここは日出ずる国  作者: 銀河乞食分隊
南海鳴動
19/60

仏印戦線 ダナン上陸

短いです。


 仏印北部の航空戦力を壊滅させた日本は次の手を打った。

 ダナン上陸で有る。

 ハノイ周辺にフランス陸軍正規師団3個と植民地軍4個師団が確認されているが、植民地軍は現地徴用で士気に乏しいという情報もあり、正規師団もトラックなどの装備に乏しいという情報もあった。ハノイから三百キロの距離を進撃するのは時間が掛かるだろう。

 ダナンに上陸し飛行場を確保。ついでにフエの飛行場も確保してしまおうと計画が立てられた。現地フランス軍が戦車を装備しているという情報は無いので軽戦車でいいと思うが、居るといけないので中戦車も上陸させることになった。

 

 上陸戦に投入された戦力は、歩兵三個師団、戦車二個連隊、砲兵一個連隊、工兵二個連隊、補給二個連隊他だった。

 護衛には第五戦隊を主力とした部隊が付いている。空母は特設航空母艦、光陽丸が付いた。搭載機二十機という頼りなさだが現地情勢から充分という判断で出された。

 軍の持っている船舶で足りるわけも無く、多数の民間船が徴用された。

 その輸送船団で注目された船が二種類有った。

 どちらも陸軍が上陸支援用として開発した船だった。

 ひとつは大発艇多数を船内に収容、船尾を沈降させて船尾から大発艇が発進するという世界初の船だった。名前を厳島丸という。毛利の厳島上陸戦から取られた名前だった。航洋性も有り船団航行でも問題は無かった。

 ふたつめは超大型大発艇とでも言える船で、百トンの積載量と海岸へ乗り上げる能力を持った揚陸艇だった。揚陸能力から言えば大発艇四隻分以上だった。この船の問題は航洋性が無視されていたことだった。海岸への上陸を重視し、幅広な上に船の前半部が平底、後半部が普通の船という波に乗るために有るような船だった。機密兵器であり試験を日本近海の限られた場所でしか行っていない。外洋航行はこの作戦が初めてだった。少しの波浪で転覆しそうなくらい不安定な船で日本からここまで来るのに必死だった。遣隋使・遣唐使はこんな思いをしたのかと想像出来そうな船だった。外洋では航行速力八ノットが限界で、外洋航海は後にも先にもこの仏印攻略戦だけになった。外洋航海をするときは厳島丸を基本形とした揚陸母船を建造。母船に乗せて上陸地点付近で海上に出る運用となった。


 上陸戦は海南島航空戦力の庇護下で行われ、現地敵戦力が少数だったこともあり概ね成功した。概ねというのは大潮の前日を選んで上陸したのはいいが、揚陸艇の半数近くが牽引しても離岸出来ず全艇が離岸するのに時間がかなり掛かったことだった。その間上陸作業の邪魔だったことは言うまでも無い。

 直ちにダナン飛行場を確保、工兵隊と補給隊が厳重に警護され、飛行場復旧作業が始まった。同時にダナン湾の港湾能力を強化、仮桟橋を造り当面の補給作業を円滑にした。


 飛行場復旧作業中の妨害は予想よりも軽微と言えた。重砲も持たない少数の陸軍部隊が散発的に攻撃してくるだけだった。一番警戒していた航空攻撃は、どうもハノイ周辺の敵航空戦力は反撃が出来るほどの数が無いらしい。航空撃滅戦は成功であった。

 南部からの航空攻撃もカムランから四百キロ以上有り、戦闘機の航続距離が問題となり来れないらしい。サイゴンやプノンペンからは六百キロ有り更に無理だった。

 ダナンとフエの飛行場か使えるようになった頃には、ハノイへの海上輸送は事実上封鎖されてしまったと言っていい。

 この頃になるとハノイの物資不足が目立つようになり武器弾薬を積んでいないことを条件に商船のみハノイへの入港を認めた。

 日本は仏印ベトナムを占領する気は無かった。戦力が無かったし、無力化すれば充分だったからだ。 

 ハノイ行きの商船は日本海軍が臨検を行い、怪しい船は海南島に引っ張っていった。二隻の船から武器弾薬が見つかっており油断は出来ない。中立国籍の船でどれだけ運び込まれたのか。


 フエとダナンを奪還すべくハノイから出撃したフランス陸軍部隊は、途中で航空攻撃に遭い惨憺とした状態でハノイへと帰っていく。

 フランス軍が日本に押されていることで独立戦線が地味だが活発な運動を始め、治安維持に人手が取られたのかそれ以降ハノイのフランス陸軍が南下することは無かった。

 





七年物のPCが突然ダウン。予備を出してきて何とか。CMOSの電池変えて動いてくれんかなと思います。

予備のPCもほとんど使っていないとは言え六年前なので不安には不安。

書いている時間が足りません。

次回こそ字数は稼ぎたい。


次回 七月十三日頃 05:00予定 

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