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ここは日出ずる国  作者: 銀河乞食分隊
南海鳴動
15/60

仏印戦線 海南島航空戦 2

空戦シーン?書いてみたけど下手すぎで消し消し。

その分、少し短くなっております。

 警戒するよう指示は出ていた。戦時であるから当然なのだが、海南島はおそらく最初に狙われるだろうと。

 何しろ近い。仏印とは三百キロほどしか無い。航空機なら巡行でも1時間で来てしまう。

 早ければ三十分で来るだろう。

 その警戒網の主役、三亜電探が敵編隊を探知したのは、西岸に置かれた電探が探知情報を送ってきてから十分も経っていなかった。百五十キロで探知出来たのは五十機程度の編隊が四個だった。

 直ちに緊急発進待機の機体から発進していく。


 海南島防衛には海軍戦闘機を主役として陸軍戦闘機も配備されていた。海軍機は戦闘機隊である二二一空を中心に、同じく戦闘機隊の二二三空、爆撃哨戒部隊である二○三空が配備されていた。

 配備機数は二二一空と二二三空が戦闘機零戦五十四機、偵察機、連絡機など八機程度配備されていた。二〇三空は一式陸攻四十八機、九六陸攻一二機、連絡機数機で編成されていた。

 三つの航空隊を併せて海南海軍航空隊。通称・海南空と呼ばれていた。平時でも緊張する場所であり、名古屋以西に配備された二百番台航空隊の中から猛者が集められていた。もちろん全員が猛者では無い。それでも、海軍では一航戦、二航戦、横空に次ぐ技量と噂されている。

 陸軍は全体でも海軍ほどの航空隊の規模は無く、機数的には三分の一程度だった。その中から二個飛行隊と二個独立飛行隊を配備させていた。

 二個飛行隊は飛行六十四戦隊が戦闘機隊。飛行五十六戦隊が偵察機隊だった。独立飛行四十七戦隊は試作機運用で問題点を洗い出すと言う名目で先行量産機を持って実戦テストを目論んでいた。独立飛行八十八戦隊も実戦テストという意味では同じだが外国機と言うところが違っていた。

 配備機数は六十四戦隊が隼 零戦陸軍仕様 五十六機、連絡機数機。五十六戦隊は百式司令部偵察機二型を書類上では三十六機。実際には各地に抽出され海南島には十八機だった。

 四十七戦隊はキ四十四、十二機、キ六十一、八機、キ四十五改、六機、連絡機数機が配備されていた。八十八戦隊はBf109E3が二機、He112改が八機、MC202が二機と寂しいが、主役であるP-39は四十機配備されていた。他に連絡機数機が配備されている。

 連絡機はほとんどが旧式化した機体で入れ替わりが激しく、正式な機数を記録していた部隊は少ない。また破損した機体を書類上全損処分してから飛べるように整備して連絡機として小数機のみ登録。帳簿上は無い機体 員数外 として運用していた部隊も多い。


 

 海南島防衛を司る海南島海軍司令部では戦闘機は全力発進、戦闘機以外は出来る限り空中退避とした。ただ飛行五十六戦隊には、その百式司令部偵察機で周辺哨戒を行うよう命令した。司令部偵察機の発進は戦闘機隊を遮っても優先された。


 空襲が始まる前に飛び立てた戦闘機は海南空戦闘機隊九十六機、六十四戦隊四十七機、四十七戦隊全機、八十八戦隊三十八機である。残りは時間的に間に合わないか、整備中だったり発動機不調で離陸出来なかった機体だ。

 二〇三空は一式陸攻四十三機のみ飛び立てた。五十六戦隊は十三機が離陸した。




『シン、聞こえるか。ミッキーだ。お前の左上敵機だ』

「俺は慎二だ。シンじゃない。ありがとよ、ミッキー」


 風杜慎二一等飛行兵曹はそう言いつつも左上を確認するがP-39の太いピラーで見えない。ベルトでしっかり固定されているので首を振っても知れている。取り敢えず急降下する。旋回して確認などバカのすることだ。


「ミッキー、見えない。助けて」

『安くはないぞ』

「いいから助けろ」

『じゃあ行くぞ』

『お前ら何じゃれている』


 そういう声が聞こえたと一緒に煙を噴いて落ちていく機体があった。


『「キッペン隊長か」』

『お前らまで隊長言うな。それに俺はキッペンベルグだ』

「『へいへい』」

『シン。上がってこい。敵はまだいる』

「了解」


 八十八戦隊の各機種は飛行特性が違い空戦時四機編隊を組めるのはHe112改とP-39を配備された隊だけだった。後は二機編隊を組むしか無かった。

 風杜一飛曹はペアと別れてしまい偶然ミッキー達のいる空域に辿り着いていた。

 その後は共同して敵機に当たっていた。

  

黒竜ヘイロンだ。敵は去った。燃料の無い機体と負傷・損傷した者から降りてこい』


 戦闘は終わったようだ。


『キッペンベルグだ。燃料が無い。先に降りる』


「どうぞ。こちらはまだ燃料も弾も有る。上空哨戒を続ける」


『すまんな』


「さっきは助かった」


『一杯おごれよ』


「後で酒保でな」


 ドイツの機体はほんとにバッタだな。風杜一飛曹は思う。

 上空哨戒を交替する機体が補給後上がってきて交替して降りた。


「風杜一飛曹、調子はどうだった」


「駒井整備長、もちろんバッチリですよ」


「アイツもか」


「あー、アレですね。問題なく快調でした。アレ無しの機体に乗ったことがありますが、雲泥の差です」


「そうか。後で報告書な」


「了解です」


 駒井整備長は階級は大尉だ。話によると第一次大戦ではフランスの前線飛行場で整備兵だったという。五十歳超えだが叩き上げの特務大尉で航空関係で文句を言える人間は少ないらしい。


「ヘイ、マッコイ。私のマッキも整備お願いネ」


「馬鹿野郎。俺は駒井だと言っているだろう。コ・マ・イ、だ。言って見ろ」


「コメウィ?コマアィ?やっぱり上手く言えない。マッコイでいいじゃないか」


「フェラーニン、馬鹿野郎。でなんだ」


「ですから、私のマッキも整備お願いしますね」


「DB積んだ奴は、ドイツ人のあいつらがやるだろ」


「彼等Bf109を先にやるから」


「まあ、今日は終わりだ。もう来ないぞ」


「何故言えるの」


「カンだな」


「「カンかよ」」






 初日の空襲は凌ぎきった。やはり電探による早期発見と迎撃誘導は役に立つ。

 だが問題点も有る。搭乗員も電探員も敵機が演習のように綺麗に飛行しないため戸惑うことしきりで、迎撃網を抜けられた事も多い。

 これについては経験を積むしか無いというのが大勢の意見だ。他には、やはり専門の迎撃誘導官が必要という意見が多かった。

 問題は誰にするかだ。叩き上げの搭乗員がよいのだが、一部将校が言うことを聞かない懸念があった。

 この件は、海南島基地だけでは無くかなり上の方まで話が行ってしまい、最終的には航空関係だけでは無く軍令部と連合艦隊まで巻き込んで決着が付けられた。


 職名

 迎撃管制官

 

 上空に在る全ての機体と飛行場は迎撃時には全て迎撃管制官の指示に従うべし。と。

 迎撃管制官の階級には関係なく、迎撃時のみ従うこと。


 その中で、迎撃管制官の直属上司は基地司令や飛行隊長が置かれた。

 迎撃管制官の指示に従わないと言うことは、後が怖いと言うことになり概ね指示は守られたようである。


ラバ空を読み返しておりますが空戦シーンが書けません。


次回 本編は6月末くらい。05:00予定

 


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[気になる点] キ四十四十二機 この書き方だと、どっちがどうなのかが分かりにくい。 キ四十四、十二機だとキ四十四を知らなくとも読める。
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