こた☆カンさんにディランSSを書きましたー!
こた☆カンさんに書き出し祭り作品を当てて頂きました!
SSかイラストか、どちらが良いか聞いたところ……
『「おれの姐さん」の柴犬ディランのお話をお願いします!!
ディランの一人称希望です! かわいいから!!!』
ま、まさかのディラン?!
結構皆さま、予想外のSSを依頼されてたけど、これは予想外のさらに上を行ってたw
もちろん書きましたので、どうぞ!!
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『オレの幸せ』
おっす!
オレはディラン!
超絶にかわいいキュートなオレの日常を、特別にここにいるヤツだけに教えてやるから、感謝しろよ!
骨付き肉くれても良いんだぜ!
え? オレは今、どこのいるのかって?
オレの飼い主である姐さんの家の、庭からお送りしてるんだぜ!
「ただいまー!」
「ただいま、ディラン!」
お、子ども達が帰ってきたぞ。
ロイドとアイリスっていう、オレの姐さんのガキだ。
え、オレがガキだって?
イヌの成長は早いんだぜ、舐めてもらっちゃ困るのさ。
「ただいまー」
お、この家の主人のカールが帰ってきた。
ま、姐さんの尻に敷かれっぱなしの情けないヤツだけどな!
この家の階級は、姐さんが一番、二番はオレ、ロイドとアイリスが三番目、カールはオレの下僕ってなってる!
なぁ、下僕!
「あ? ディラン、お前今、俺の悪口言わなかったか?」
ギク。
普通、人間にオレ達イヌ語は通じないはずなのに、何でか会話が出来ることがあるんだよな、カールは……。
「んなわけねーか。なんだ、散歩か?」
よく分かったな、褒めてつかわす!
早く、早く散歩に連れてけーー!!
おしっこ限界!!
「分かった分かった、荷物だけ置いてくっから、待ってろ」
早くしろよ、カール!
オレがそう命令すると、カールはすっ飛んで戻ってきた。ヨシヨシ。
「じゃあ行くか!」
オウ!
オレが元気にワンっと吠えると家の中から姐さんの声が聞こえてきた。
「カール、ディラン! 雨が降りそうだから、早く帰ってくるのよ!」
分かってるって!
「分かってるって!」
わふ?! 今オレの真似しただろ、カール!
「よっしゃ、行くぞ!」
通じてねぇ!
カールにリードを引っ張られたオレは、一気に加速した。
あああああ、漏れる漏れるぅ!!
☆☆☆
……ふう、とりあえずスッとした。
っは!! 見てた?!
ちっち、お嬢さん方にはまだ早いぜ。
って、野良時代の先輩が言ってたヨ。
どういう意味だろ?
「おや? カール殿」
「おう、ロレンツォ!」
前からいけ好かない男がやってきた。
この黒髪のだらしない顔したやつはロレンツォ。
姐さんに手を出そうとして、オレが思いっきり睨んでやったヤツなんだぜ!
ロレンツォはオレにビビって、尻尾巻いて逃げてたんだぜ!
ロレンツォはどうやらカールの教え子で、兵士団での調子はどうだの、戦争がどうのと話をしている。
オレの散歩の時間、邪魔スンナー!
リード噛みちぎっちゃうぞ!
「こら、ディラン! ったく、分かったっての。じゃあな、ロレンツォ。またうちに食べに来い」
「ええ、ありがとうございます。また必ずお邪魔しますよ、教官」
アホだなぁ、カール。
こいつはお前のいない間に、何度もうちに来てんだぜ。
姐さんがあの男に剣を教えてやってるんだ。オレの姐さんやさしい。
「おい、ディラン。もう帰ろうぜ。降ってきそうだ」
そう言われて上を見上げると、ポツンと水が顔に当たる。
「ほら、言わんこっちゃねー。帰るぞ」
カールは軟弱だな! オレは雨なんかへっちゃらだぜ!
「早く帰らねぇと、アンナがうるさいだろ」
雨ーー雨ーー! 大粒の雨ー!
いっぱい降ってきたー!
「おい、ディラン……あ、こら!!」
ひゃっほーーーー!
どろんこ遊びは最高だぜーー!!
「何やってんだ、まったく」
カールも遊ぼうぜ!
ここ掘れワンワン攻撃だー!!
「うわ!! っぶ、ッペ!!」
へっへん、どうだ、泥だらけにしてやったぜ!
「ほーう、そういう事するか? 俺に勝てると思うなよ?」
カールはそう言うと、どろどろの土を両手で救い上げて……
「おりゃ、泥んこ爆弾!」
塗り付けんなー!
仕返しだ、必殺イヌキック!
「どぅわ!」
どうだ、服に足型つけてやったぜ!
「やったなーっ?」
カールがめっちゃくちゃ嬉しそうに泥を持ってオレに狙いを定めてる。
へへーーん、こっちだよーー!
「待てっ!」
こうしてオレとカールの鬼ごっこは、しばらく続いた。
☆☆☆
「遅かったわね。カール、ディラン」
玄関先でオレ達を見下ろすのは、もちろん……姐さんだった。
「いつものごとく、ディランが暴れてよ」
あ、こらカール!! お前もめっちゃくちゃ楽しそうだっただろー!
「心配したわよ、もう! 早くお風呂に入ってきなさい! ディランも!」
えー、オレ、姐さんと一緒に入りたい! ギャンギャン!
「ディラン、良いからさっさとカールと一緒に泥を落としてこい」
キャイン! ごめんなさい!!
オレは姐さんの冷たい目にゾクゾクしながら、カールと一緒に風呂に入ってやった。
風呂を出てメシ食って寝る頃には、雨はさらに激しさを増していて。
「ディラン、今日は外は無理だから、玄関で寝てちょうだい」
姐さんがクッションを敷いて、玄関にオレの寝床を作ってくれた。
今日はよく遊んだから、もうメチャクチャ眠い。ゆっくり寝よう……
これが、オレの、毎日の……
ガラガラピッシャーーーーンッ
ぎゃわーーーーーん!!
雷、雷ってやつだよぉぉおおおお!!
オレ、これ大嫌い!!
やだやだ、足食われる!! 殺されっちまうよぉおお!!
「ディラン、平気か?!」
ネグリジェ姿の姐さんが、慌ててやってきてオレを抱きしめてくれた。
姐さん、姐さん、姐さん、姐さんーーーーーーーー!!
「ああ、怖かったな……大丈夫だ。私が朝までこうしていてやるからな。ゆっくりおやすみ」
姐さん……
「大丈夫だから。私がいるだろう?」
ああ、オレの姐さん……天使。
姐さんがいれば、オレ、幸せなんだ……
ついでに、カールも……
ぐう……すう……
夢のはざまで、クスッと姐さんの笑う声が聞こえた気がした。
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イークスにもディランにも軽んじられているカールであった(笑)
でも、カールの事は大好きなんですよ!
ディラン、可愛く書けていたかな〜。
こた☆カンさん、当ててくれて&ディランSS希望してくれて、ありがとうございましたーー!!




